ず~っとほったらかしにしてあったが、
2005年1月13日の坂東リサーチで紹介された地元・高蔵寺の事々をあらためて紹介する企画第2段・ラーメン楽喜である。(第1段は
丸愛納豆の話。)楽しいに喜ぶと書いてラッキーと読ませるらしい。こういう
場末のスナック「来夢来人(ライムライト)」的な当て字は好きではないのだが、楽喜(ラッキー)は陰湿な感じがないので、まあ許容範囲かな……と思っていたら
結構使い古されたパターンのようだ。なーんだ。
高蔵寺駅南口、郵便局の向かいあたりにある。場所は
こちらを参照。駅から歩いて5分もかからないところ。ランチと夜。夜は午後5時から11時まで。
店の表には「春日井ラーメンの歴史がここから始まる」などとずいぶん力んだ口上が掲げてある。こういう力んでいる店に限って、しばしばコケおどしでトホホなことが多いが、さてどうであろうか。期待と不安が入り交じる中、お店の中に。
こじんまりとした店で、カウンターとテーブルが2つ。明るいけれど、落ち着いた感じの店内。今風のこじゃれたラーメン屋という感じだ。手が込んでいることに、メニューは杉板に焼き印で書き込まれている。うまく説明できないのだが、わかっていただけるだろうか? わからなければお店で現物を見ていただきたい。
ここの売り物は「塩とんこつラーメン」だそうで、私はお腹が減っていたのでその大盛りをいただくことにした。
麺はやや太目の角張った麺、ほんのり白みがかっているスープ、ばら肉を巻いて作ったチャーシュー、メンマが少々。麺はモチモチしていた。特別に個性的というわけではないが、悪くない。スープは薄めの豚骨スープというか、おそらく豚骨スープと鶏スープ(ガラではなくおそらく丸鶏)を合わせているのだと思う。臭みはほとんどない。「豚骨の澄まし汁」とでもいうべき味。こういう言い方はあまりよくないかもしれないけれど、「女性にも人気」「デートのときにもOK」みたいな感じ。チャーシューはばら肉を巻いて作ってあるが、表面に焼き目がつけてあって香ばしい。焼き肉のちょうど焼けたところみたいなにおい(何じゃそりゃ)がする。香ばしさのおかげでばら肉の脂っぽさが気にならない。おもしろい工夫だ。
カウンターにはにんにくが盛ってあり、好みに応じて入れることができるようだ。私は入れなかった。
全体の印象としては、ていねいに作ってある上品なラーメンだった。何らかその店独自の味を作り出している。好き嫌いは人によるが、私だったら……おいしいとは思うけれど、もう1度行きたいかというと、「また機会があれば」ぐらいかな。私にとって「おいしい」と「また行きたい」は似て非なるもの。何か強烈な印象で自分の感性を揺るがしてくれるようなお店でないと、「また行きたい」という気にはならないし、またそういう店はしばしば「おいしい」店とは違う。
ちょっと話がそれるが、あえて「おいしい」とは言わないけれど、なぜだか「また行きたくなる」というラーメン屋をいくつか。
- 中華料理・宝華(東京都・東小金井)……「チャーシュー宝ソバ大盛り」は脳髄に響く味と量。
- らあめん満来(東京都・新宿西口)……「ちゃーしゅーらあめん」には常軌を逸した巨大な肉塊。わが家では通称「手のひら」と呼んでいる。並盛りでもかなりの量だが、破滅したいときには大盛りにする。
- 江ぐち(東京都・三鷹)……「中華そば」は全粒粉で作ってある?ようなゴワゴワとした食感。目の前でたっぷり味の素をふり入れるスープ。並盛でも多めだが、30円プラスで大盛りにすると、食べながらお花畑が見えてくるようだ。
- 本郷亭(名古屋各地)……「四川」は濃厚で塩辛いスープにほんのりピリ辛。脂ギタギタの角煮風のチャーシュー。並盛りでもかなり多い。ダメ人間になりたいときはチャーシュー麺に、さらに破滅したいときは大盛りチャーシュー麺に。
とまあこんなところだ。思い返すと、味が強烈であることと、量が多いことがポイントらしい。自分の下品な味覚に呆れ返る。
話を戻すが、そんなこんなで、楽喜は上品なラーメンのお店であった。好き嫌いは人によるが、1度試す価値のある味だと思う。ご近所の方も、また遠方の方も、どうぞお試しあれ。