トルコ共和国建国の父ケマル・アタチュルクは、今も街のあちらこちらにその肖像が飾られ、尊敬されている。彼は、自分の子孫にトルコの政治を世襲させると、能力がなくても国のトップとなり、真の民主主義ができないと考えて、結婚をしなかったという、まさに国家のことを考えて言行一致した人であった。翻って日本の民主主義をリードする人々やと明治維新で作りこんだシステムと比較すると、いろいろと感じることがある。
この写真は、そのアタチュルク廟に、サッカーのサポータ(ジーコのいたフェネルバフチェと思う)が必勝祈願に訪れている写真である。日韓ワールドカップの時にトルコと日本が戦ったが、その後半年くらいは日本からの観光客が激減したと言う。
ところで、トルコには兵役があり、このアタチュルク廟の衛兵なども、若い兵役中の兵士がやっている。トルコの男性は大体大卒直後くらいに兵役に入り、40日間風呂に入らず野営などの厳しい訓練を経験する。そうすると社会に出てからも、大抵の厳しいことには耐えられる強い精神を身につけることができるので、社会の中で好意的に受け取られているとのことである。アタチュルクも「内に平和、外に平和」を国是としているので、決して好戦的ではないが、人生の一番良い時期に苦労をする経験をサポートする仕組みとしては良いのかもしれない。
国民の平均年齢も28、9歳と大変若く、食料自給率100%、豊富な地下資源にもあまり頼っていない、今後期待できる国ではないか。日本も観光だけでなく、トルコとの日常の交流を増やした方が良いかもしれない。街を走る車をみると殆どが外車であり、外の力を柔軟に活用するように思える。そんな中、タクシーや公用車の半分位はヒュンダイが占めているようであり、トヨタやイスズトラックは高級、スイスではよく見かけるスバルなどは高級すぎて全く走っていない。