精霊の宿り

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私の目の前を通りすぎていく人

2021年11月05日 11時30分46秒 | ちゅうたしげる詩集
                                        ”
私の目の前を通りすぎていく人
言葉少なく、挨拶をかわし
心なしか肩を下げて
さみしい目をした男が
通り過ぎる。

虚ろな目をして
じっと見つめ、
何かにあこがれたような顔の
若い女が
黙って通りすぎた。

女は女なりに
男は男なりに

互いに何かを生みだすでもなく
互いに触れ合うのでもなく

ただ いたわる気持ちの響きだけを残して
通りすぎた

私のまえを通りすぎていく人に
私は呼びかけもせず
手を差し出しもせず
触れ合ったような心の響きだけを感じて
見送る。

彼らも私も
いつか遠い星の世界で
笑うことがあるだろうか

心は、響きあうためにある。




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