精霊の宿り

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2021年11月05日 11時36分29秒 | ちゅうたしげる詩集
                                        ”
インスピレーションはなぜ、どのように起きるか。
またどのような人物によく起きるのか。
はなしはかんたん、
現実から逃避したい人間によく起きる。
なぜなら現実に生きていることが、そういった人には苦しすぎるからだ。

インスピレーションには、現実逃避以外に効能があるか?
ない。
インスピレーションはさらにいえば、神経をまいらせる病気といえるから。
インスピレーションが昂じると、パラノイア(幻想)となる。
パラノイアと空想癖とはさして違いはない。
あなたは、インスピレーション派か?
そうだ。
幼いときから空想を描いて楽しんできた。
生きるのが苦しいのか?
現世は苦しいものだ。
ただ他人よりも少しだけつらさが大きいだけのことだ。
みんなは鈍感すぎる、生きていくのにちょうどよいくらいに。
本当は、生きているのが恥ずかしい。そして悲しい。

イメージを描いてみろ!
豆科の植物で蔓を巻くのがあるだろう。
たとえばサヤインゲン、サヤエンドウ、ソラマメ。
たとえばその花がみごとに透きとおるような紫だったら、
おまえはその花をまじまじと見つめることができるか。
私にはできる。
しかし誰よりも恥ずかしく胸ときめかせて。
その花がまた、ことにかわいげで小さな花としたら、
おまえも見つめることができるか?
もちろんできるだろう。
だが私が、まじまじと花を見つめることができるのは、妻のおかげだ。
妻の名は、見保という。

その花をたとえるには、一つの言葉で足りる。
けれどもその花をたとえようと、見つめているまに、
夜が来て、花は二つの花びらを閉じ、
すべてを隠してしまうのだ。





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