2011年7月27日(水) 埼玉新聞
避難者に癒しの音色 南三陸町の子どもたち演奏
双葉町民の前で沖縄民謡を演奏した志津川高校避難所サンシンズジュニア=26日午前、加須市騎西の旧騎西高校中庭
東日本大震災で津波の被害に遭った宮城県南三陸町の子どもたちが26日、加須市騎西の旧県立騎西高校を訪れ、福島第1原発事故で避難している福島県の双葉町民の前で、沖縄の楽器の三線(さんしん)を演奏した。
演奏したのは、南三陸町の志津川高校避難所の子どもたちでつくる
「志津川高校避難所サンシンズジュニア」
この避難所は沖縄から派遣された陸上自衛隊の支援基地となった。自衛隊員が三線を弾いてくれたのが切っ掛けで、子どもたちが隊員から三線を習うようになった。中高生が三線、小さい子たちはコーラスを担当して楽団を結成した。
明るい社会づくり運動埼玉県協議会が、志津川高校避難所で夏休みを送る子どもたちを対象に、鉄道博物館などを巡る「埼玉いやしのツアー」を企画。その一環で旧騎西高校を訪れ、双葉町民たちを音楽で励ますことになった。
子どもたちは4歳から高校3年生までの約20人。三線とキーボード、コーラスで沖縄民謡「安里屋ユンタ」など6曲を披露した。キーボードを担当した内海君(15)は避難所生活を続ける中で、沖縄の音楽は「自分にとって『癒やし』」という。同じく厳しい現実に直面している双葉町の人たちに対して、「皆さんが早く元の生活に戻れるように願って演奏した」と話していた。