chuo1976

心のたねを言の葉として

種子   志樹逸馬

2018-08-20 06:02:27 | 文学

種子   志樹逸馬

 

ひとにぎりの土さえあれば

生命はどこからでも芽を吹いた

かなしみの病床でも

よろこびの花畑でも

こぼれ落ちたところがふるさと

種子は

天地の約束されたことばの中に

ただ みのる

汗や疲れをなつかしがらせるものよ



黒土の汚れ

生きてさえおれば

花ひらく憧れこそ持って来る

(1952年10月15日)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 朝    志樹逸馬 | トップ | 簡単に通り過ぎたる神輿かな... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

文学」カテゴリの最新記事