クロムの備忘録的ダイアリー

定年後の日々の楽しみや関心事、具体的には写真、カメラ、観る将あるいは投資の話題などを綴っていきます。

渡海文殊菩薩群像

2023年12月23日 09時48分09秒 | 旅行
先日OMデジタルソリューションズのアウトレットセールに行きました。
残念ながら欲しい物はなかったのですぐに引き上げてトーハクに寄ってみました。
すると最初の部屋に表題の渡海文殊菩薩群像が展示されていました。
渡海文殊菩薩群というのはインドからはるばる海を越えて日本にやってくる文殊菩薩の一行を現しているそうで、文殊菩薩五尊像ともいいます。
実は今年初めの奈良旅行では西大寺と阿部文殊院でも五尊像を見ています。
西大寺の渡海文殊菩薩群像内の善財童子は灰谷健次郎の「兎の眼」の題名のもとになっています。実際、善財童子像の曇りのない澄んだ可愛らしい目はいつまでも見ていたい気分にさせてくれました。
阿部文殊院の渡海文殊菩薩群像は快慶作の国宝ですが、中央の獅子に乗った文殊菩薩はドキリとするほどの巨大さで見る者に迫ってきます。
この日展示されていた文殊菩薩五尊像は運慶の孫、康円作の重文で、もとは興福寺勧学院の本尊でした。非常に精緻な味わい深い仏像群だと感じました。

この五尊像はトーハク、阿部文殊院、西大寺で微妙に各像の名前や位置が異なっています。具体的には次の通りです。
・東京国立博物館(興福寺勧学院)  ↑の写真、左から。
 大聖老人、〇于てん王(うてんのう)、文殊菩薩、善財童子、仏陀波利三蔵
・安倍文殊院
 維摩居士(最勝老人)、須菩提像(仏陀波利三蔵)、文殊菩薩、善財童子、〇優填王(うでんのう)
・西大寺
 最勝老人、〇優填王(うてんのう)、文殊菩薩、善財童子、仏陀波利三蔵。
また各像の説明は次の通りです。

維摩居士(最勝老人、大聖老人)像
古代インドの商人で釈迦の在家弟子、釈迦の教化を助けた。。
維摩経には維摩居士が病気であった際、お釈迦さまが文殊菩薩を見舞いに送り、すばらしい法論が生まれたという説話があります。


優填王(于てん王)像
西域・優填国の王。于(う)てん、于寘(うてん)、ホータン王国、コータン王国とも書かれる。
華厳経の新訳本が優填国の僧によって成されるなど、華厳経と優填国には密接な関係がありました。


文殊菩薩坐像
優れた知恵で人々を導く菩薩。普賢菩薩とペアを組み釈迦如来をサポート。
知恵の込められた宝剣を持ち獅子に乗る。
華厳経では善財童子を仏法求道の旅へ誘いました。文殊菩薩の徳性は悟りへ到る重要な要素とされています。


善財童子像
華厳経・入法界品に登場する純粋可憐な童子。
渡海文殊群像では先導役だが、本来は文殊菩薩に呼び止められ文殊菩薩を振り返りながら見ているお姿を写しています。


仏陀波利三蔵(須菩提(すぼだい))像
バラモン僧の仏陀波利(ぶっだばり)三蔵は文殊菩薩に言われインドから中国へ『仏頂尊勝陀羅尼経』を翻訳し広めました。
現在も文殊菩薩の聖地、五台山に留まっているという。
カメラを忘れたためOPPO Reno7Aで撮影。


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