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桃華楽堂

2016年07月07日 | その他
皇居の東御苑に「桃華楽堂」というすてきな建物があるのをご存じでしょうか。
今上天皇のお母さまである香淳皇后(良子:ながこさま)が還暦をお迎えになるのを記念して、お好きであった音楽に関わる建物を、ということで現在の地に建てられた建物です。香淳さまの御誕生日が3月で桃の節句の月であること、華という字が「十」が6個と「一」で構成されており、合わせて61=数えで還暦、ということで、名付けられたそうです。


写真はWIKIより。

この建物は宮内庁楽部の建物とつながっており、当初(設計時)は楽部の付属施設の扱いだったようです。設計したのは今井兼次。時代的には建築文化がモダニズムの洗礼を受けた時期に活躍した方ですが、ガウディやシュタイナー(ウォルドーフ教育、人智学)に傾倒し、装飾的な作品を残しました。施工は前田建設。

桃華楽堂はホール部分が八角形で、屋根は鉄線(クレマチス)の花びらをかたどった意匠、その壁面(外観)には国産タイルによるモザイクで、以下の8種類の意匠が描かれています。

施工した古平タイル工業株式会社のHPより
日月星・衣食住・風水火・春夏秋冬・鶴亀・雪月花・楽の音・松竹梅

写真を見ると、内部もモザイク仕様のようですね。外観も内部も、モザイクの中心には大きな羽ばたく鳥がデザインされています。

今井は手仕事にこだわりを持つ人だったようで、この施工の際も、職人に交ってタイルを貼ったという「伝説」が残されています。

ホールの前方、正面入口の部分は、切妻の緩勾配屋根を持つ建屋となっています。屋根は少し軒反りがあるようで、とてもエレガントな印象です。正面棟木が上がっている(というか、これは鉄筋コンクリートですから実際には鉄骨でしょうが・・・)ところには、写真ではわかりにくいのですが、金色の対のお雛様が上げられています。その下には華鬘の窓ですね。壁面のモルタル仕上げも美しく、左官さんの丁寧なお仕事ぶりがよくわかります。

この建物では、毎年3月の末に、音楽学校の卒業生(主席のみなさん)による「桃華楽堂楽大学卒業生演奏会」が開かれています。藝大、国立音大、武蔵野音大、上野学園などから、選ばれた卒業生(新卒)が、皇后陛下以下皇太子殿下、秋篠宮ご夫妻、眞子さま、佳子さま、三笠宮系の宮妃並びに女王殿下の前で演奏するのですから、どれだけ誉れなことかと思います。この演奏会の様子は毎年ニュースでも放送されていますね。今年はたいへんめずらしく雅子さまもご出席でした…音楽を愛するこの伝統はぜひ受け継いで頂きたいと思うのですが。

残念ながら公開はされておらず、とても残念です! 外観は見学可能ですので、どうぞモザイクを見にお出かけください。
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