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2021-09-06 21:18:36 | 社会
東京パラ閉幕 「共感」未来への遺産に

2021年9月6日 07時27分・東京新聞社説より
 
東京パラリンピックが閉幕した。障害のあるアスリートが力の限界に挑む姿に心動かされた。共感や気付きを、共生社会へ向けた取り組みに生かしたい。
 倒されてもすぐに起き上がる、車いすバスケットボールの鳥海連志(ちょうかいれんし)選手(22)=写真=の闘志。ボッチャの杉村英孝選手(39)の冷静な投球術。五十メートルを泳ぎ切った成田真由美選手(51)の笑顔…。スポーツの醍醐味(だいごみ)を堪能した。

 障害の有無や肌の色、性別や年齢などの違いを超え、一人一人が尊い存在であり、誰もが平等だとの思いも強くした。
 大会のシンボルマークは青赤緑の三本の曲線から成り、「スリー・アギトス」と呼ばれる。アギトスは、ラテン語で「私は動く」の意味。あきらめずに前進する意志が込められているという。
 偶然だろうが、漢字の「心」に形が似ていないか。共生社会へ向けた課題は多く、私たちの心に変革を促しているようだ。
 障害者差別解消法は、障害者を手助けする「合理的配慮」を国や自治体に義務付けている。今年五月の改正で、民間事業者への義務化が三年以内に始まる。
 東京都障害者権利擁護センターによると、障害者差別に関する相談は、二〇一六年四月〜今年一月に約千百七十件に上った。行政関連のほか、飲食などのサービス、教育、雇用・就業、医療・福祉と幅広い民間分野に及ぶ。
 行政の対応だけでなく、社会全体の理解が必要になる。大会を機に多様性を尊重し、バリアフリーに取り組む市民が増えれば、それが未来への遺産となるだろう。
 五輪から振り返ると、新型コロナウイルス感染爆発の中、無理を重ねた大会だった。選手や大会関係者の感染は八百人超。重症者や死者はいないというが、国内全体では約二千人が重症に陥り、日々の死者も絶えない。
 治療に当たる医療従事者、失業など生活不安に苦しむ人々を置き去りにしたことは否めず、「大会は成功だった」とは総括し難い。大会収支も赤字が懸念され、今後の検証が必要だ。


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