きらり!(^^)!

子どもたちの限りない可能性を求めて!

考えさせられます~命の大切さ~

2020-04-02 21:32:26 | 社会
東京新聞朝刊・筆洗(2020年4月2日)より

 重い病を患った男。カネがもったいないからと医者にもかからない。薬も飲まない。病はどんどん悪くなっていく。落語の「黄金餅」である▼見かねた隣人が医者に診てもらいなと説得する。「そりゃカネは惜しいかもしれねえけど、患ったのはおまえの損。損は損であきらめなよ。医者にかかって、達者になりゃあ、また、カネが入ってくるもんだよ」▼隣人の言葉を聞かない男はあっけなく死んでしまうのだが、この話、新型コロナウイルスの猛威にどう対応すべきかを考える上で頭をよぎる▼緊急事態宣言によって感染拡大を防げという声が日本医師会の中に上がる。経済活動に影響が出ようが、まずは感染拡大を食い止めて、医療崩壊を防ごうという考え方で、あの落語でいえば、カネ=経済を惜しむなと説得した隣人だろう。となると政府はあの病の男か。経済活動が停止状態になりかねないと心配する▼話は落語のように単純ではないし、一方の意見に軍配を上げるつもりはないが、損は損であきらめ、命を最優先に考えるべき時期にそろそろ来ているのかもしれない。命あっての物種。達者になればまた稼げる。加えて、経済の停滞によってお困りの方に手を差し伸べる。当然のことで、これもやはり命の話である▼「経済は二の次」。報道によると経済第一のあのトランプ米大統領も最近は考えを改めたそうである。