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きらり!(^^)!

子どもたちの限りない可能性を求めて!

考えさせられますⅢ~保護者サイドの特性理解~

2018-08-09 17:50:31 | 特別支援
知識多いと悲観的感情低下 自閉症児の母、金沢大調査


2018年8月6日・教育新聞記事より
 自閉スペクトラム症の子供を持つ母親に発達障害の知識が多いほど、子供に対するネガティブな感情が低下することが、金沢大学のグループの研究で分かった。研究結果は8月2日付の米国科学雑誌「PLOS ONE」のオンライン版に掲載された。

大阪大学大学院連合小児発達学研究科金沢校大学院生の冨山更氏、金沢大学医薬保健研究域医学系教授の三邉義雄氏らのグループは、5~8歳の言葉の発達に遅れのない高機能自閉スペクトラム症児の母親30人に対し、出生時以降の子供に対する感情の経時的変化を調査した。その上で健常児の母親32人と比較した。

それによると、自閉スペクトラム症児の母親は診断を受ける前から健常児の母親と比べて高いストレスと心理的苦痛を抱えていた。さらに自閉スペクトラム症児の母親のみに焦点を当て、出生時、発達の問題に気付いた時点、診断を受けた時点、調査時点における子供への感情を調べたところ、発達障害に関する知識が多いほど子供に対するネガティブな感情を持ちにくかった。特に診断時点におけるネガティブな感情が緩和される可能性が示されたという。


注目の記事が~読み書き困難Ⅲ~

2018-07-31 20:59:46 | 特別支援

<ともに>読み書き困難(下) 理解と道具で自信

2018年7月31日・東京新聞
 文字の読み書きがうまくできない「読み書き困難」。長野市の高等専修学校一年生(高校一年に相当)、大谷梨華(りか)さん(16)は、この障害に苦しみながらも学び続けてきた。


 しかし、学習に必要な「デジタル教科書」の使用を中学校に認めてもらえず、学校で学ぶ気持ちがなえていた。吹っ切れたのは中学三年の夏。小学校から継続して支えてくれた特別支援教員、山崎幸子(ゆきこ)さん(53)の紹介で、豊野高等専修学校(長野市)の存在を知ったからだった。


 同校はデジタル教科書を授業で使っていたことがあり、教員の理解も高かった。「ここなら受け入れてもらえる」。進路目標が明確になり、気持ちが切り替わった。大谷さんは今春、同校に合格。将来の就職を見すえ、パソコンや介護の資格取得を目指している。


 大谷さんはしみじみと振り返る。「本当に山崎先生がいてくれてよかった」。教師-生徒の関係ではないが、中学時代に始まった山崎さん宅での個人教授は今も続く。「ずっと見守ってくれたから、ここまで来ることができた」


 山崎さんは大谷さんの支援を通じ、継続的な支援の必要性を痛感した。小学、中学、高校と進学する度に、学校に障害を説明し、デジタル教科書などの使用許可を得なければならない。支援者がいなければ本人と家族だけで学校を説得する必要がある。山崎さんは「一貫した支援者が学校との間に入り、スムーズな進学を支えるべきだ」と話す。


 山崎さんは現在、長野市内の小学校に勤務。特別支援学級の担任として、児童の指導にデジタル教科書を取り入れているが、普及には壁があると感じている。


 デジタル教科書は「視力が低い人にとっての眼鏡」とも評されるが、長野市内でも学校によって対応はまちまち。同じ小学校で特別支援学級の支援員を務める笠原美香さん(45)も「デジタル教科書があれば救える子を救えていない現実がもどかしい」と訴える。


 二〇一二年の文部科学省の調査によると、通常学級に在籍する全国の小中学生約二十四万人に「読み書き困難」の可能性があるとされる。デジタル教科書「デイジー教科書」を無償で提供している日本障害者リハビリテーション協会によると、全国の利用者はまだ約八千人。読み書き困難児のたった3%にすぎない。


 デイジー教科書を一括導入する自治体も増え、現在、六十六市町村が利用している。ただ、東北地方では導入例がないなど、地域によって普及に偏りがある。
 


 大谷さんは、ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんの演説になぞらえて、こう話す。「理解してくれる先生と、デイジー教科書というツール(道具、手段)が私を変えた。デイジー教科書があれば、私は強く生きていける」


 山崎さんはここ数年、各地に足を運び、大谷さんら教え子の事例を紹介。障害の周知とデジタル教科書の普及に努める。「『周囲の気づき』『学校の理解』『教材の普及』という、読み書き困難児が直面する壁を壊したい。今もどこかの教室で、静かに困っている子がいるはずだから」 (今川綾音)







注目の記事が~読み書き困難Ⅱ~

2018-07-28 21:59:52 | 特別支援

<ともに>読み書き困難(中) 認められぬ失意の中で…

2018年7月27日・東京新聞

 周囲が気付きにくい学習障害(LD)の一つ、「読み書き困難」。長野市の高等専修学校一年生(高校一年に相当)、大谷梨華(りか)さん(16)はこの障害に悩みながらも、小学六年でデジタル教科書に出合い、勉強や読書の楽しさを知った。


 大谷さんが地元の市立中学校に進んだ年の五月、小学校の特別支援学級の担任だった山崎幸子(ゆきこ)さん(53)に一本の電話がかかってきた。すがるような声だった。


 「先生どうしよう。梨華がだめになっちゃった。全然笑わなくなっちゃった」


 母親からだった。中学校にデジタル教科書の使用を認めてもらえず、ふさぎ込んでいるという。山崎さんは耳を疑った。「中学校の先生との支援会議で、デジタル教科書を使うことも説明して引き継いだのに、なぜ」


 中学の特別支援学級の担任は、授業での様子から「ちゃんと読めている。デジタル教科書がなくても大丈夫そうだ」と判断。ソフトの入ったタブレット端末の持ち込みに難色を示した。


 大谷さんは担任に何度も説明した。「紙の教科書では文字は追えても内容が頭に入ってこない。デジタル教科書の読み上げ音声や読んでいる所を示す表示がある時とは大違いなんです」


 しかし何度説明しても、話は平行線。


 大谷さんが高校入試で不利にならないよう紙に早く慣れさせたかった可能性はある。一方で「端末を学校に持ち込ませることへの抵抗もあったのでは」と、山崎さんは推測する。


 日本障害者リハビリテーション協会参与の西澤達夫さん(64)はこう言う。「デジタル教科書は、視力が低い子にとっての眼鏡のようなもの」。使えれば問題ないのに、使えないと土俵にさえ上がれない。


 こうした受け入れる側の事情で一番傷ついたのが、大谷さん本人だ。「使った方が楽なのに。道具があれば、もっとできるのに」。使用が認めてもらえず、日に日に元気がなくなっていく大谷さんをふびんに思い、母親が山崎さんに助けを求めた。


 すでに教師-生徒の関係ではない。でも山崎さんは「勉強への意欲が湧いたのに、もったいない」。その日から、二人三脚の学習が始まった。毎週日曜の午前中、大谷さんが山崎さんの自宅を訪ね、約三時間、学校での話や、デジタル教科書を使った勉強や読書をして一緒に過ごす。


 山崎さんにとっては、完全なプライベートの支援。「先生の心証は、高校進学時の内申点に影響しかねない」と心配し、「授業」は中学校には内緒だった。


 「教科書を読むのがつらかった時期を脱し、ようやく前向きに勉強に取り組めるようになったところ。何とかうまくいってほしい一心だった」と山崎さんは支援の理由を語る。学習以外にも、学校でのつらさを受け止めてもらうことで、大谷さんは日を追うごとに落ち着いていった。


 それでも、大谷さんの中学校に対する失望は消えなかった。再び学ぼうという前向きな気持ちになるのは、ある学校の存在を知ってからだった。 (今川綾音)


 =次回は三十一日掲載







注目の記事が~読み書き困難~

2018-07-25 21:23:05 | 特別支援

<ともに>読み書き困難(上) 音読「つっかえる

2018年7月24日・東京新聞


 「自分は人と違う」。長野市に住む大谷梨華(りか)さん(16)が、初めてそう意識したのは小学一年生の時だった。


 国語の教科書が、すらすら読めない。クラスのみんなは、つっかえずに読めるので、音読の順番が来ると困っていた。単語としてのまとまりが分からず、一字一字読んでしまうので、声に出すとたどたどしく、文章の意味もつかめない。特に「ゃ」「ゅ」「ょ」の違いが分からず、「しゃちょう」と「しゅちょう」などは文字でも音でも区別できない。九九も「4(し)」と「7(しち)」の音の区別が難しく、うまく覚えられなかった。


 周囲が気付いたのは小学四年生の時だった。担任が「授業のペースについていけていない」と、特別支援教員の山崎幸子(ゆきこ)さん(53)に相談したのだ。


 山崎さんは国語と算数を大谷さんに教えるうち、とつとつとした読み方で、間違いも多いことに気付いた。診断では知能に問題はなかった。学習障害の一つ、「読み書き困難」だった。


 だが、周囲はなぜ気付くのに時間がかかったのか。


 外見上の特徴もなく、困惑が周囲に分かりにくかったためだ。山崎さんは「音読も二、三度目には読めるのが通例。本人は『読みにくい』と感じても、周りには普通の子と同じに見える」と指摘する。教員の理解も低かった。「離席や大声など問題行動を起こすわけじゃない。でも、静かに困ってるんです」


◆デジタル教科書が転機


 大谷さんが六年生に上がって間もなく、転機があった。山崎さんが支援教材「デジタル教科書」を知る。「デイジー教科書」という名で日本障害者リハビリテーション協会(東京都新宿区)が、二〇〇八年に、小中学生向けに無償提供を始めた。個人でも、学校や自治体でも申し込める。


 ソフトを入れたタブレット端末などで利用。デジタル化した教科書を映し、音声で読み上げる教材だ。文字の大きさや色、背景の色が選べ、読んでいる部分を色で示せる。


 デジタル教科書を初めて手にした日、大谷さんは走って山崎さんに知らせにきた。「読めるよ! 先生、教科書が読めるよ!」


 「世界が変わったみたいだった」。大谷さんは振り返る。文章を読む楽しさを知り、さらに内容が難しい説明文も読みこなし、九九も克服した。


 みるみる自信をつけ表情が明るくなった大谷さんの姿を見て、山崎さんは確信した。「デジタル教科書があれば、この子はやっていける」。しかし、中学に進学後、また壁にぶつかる。



 読み書き困難という障害がある。認知度が低く、当事者が周囲の理解や協力を得にくい。この障害で学びに苦労してきた高等専修学校一年生(高校一年に相当)の女子生徒と、彼女を小学校時代から支える特別支援教員の歩みをたどる。 (今川綾音)


 =次回は二十七日掲載


<読み書き困難> 学習障害(LD)の一つ。通常の会話や論理的思考に問題はないが、文字の読み書きがうまくできない。脳の情報処理に先天的な問題があるとされ、症状は人によって異なる。文字を音に変換して読んだり、単語のまとまりを理解したりするのを苦にする場合や、文字がぼやけたり、ゆがんだりして見える場合がある。読字障害、難読症、ディスレクシアとも呼ばれる。



笑顔&成長

2018-05-21 21:21:02 | 特別支援
今日午前中に、通級卒業生のA君が、高校が振替でお休みということで久しぶりに通級の教室に顔を出してくれました。高校に入学して約2ヶ月、笑顔がたくさん見られ頑張っている様子よくわかりました。30分ほど一緒に卓球をしましたが中学時よりも成長しているなあ~という感じでした。実は今朝は体調がすぐれなかったのですが、A君から元気をもらい体調が上向きになりました。今後のA君の更なるステップアップが期待できそうです。