チモシェンコ大村のロン・ポール研究+くだらない話

ロン・ポール氏のブログ翻訳を通じて、リバータリアン思想・オーストリア経済学について勉強しています。

オバマ先生は「不可」

2012-04-19 12:24:23 | 合衆国憲法
おなじみリバータリアン代表ロン・ポール議員のブログから。


Texas Straight Talk 2012/04/16

Professor Obama Gests an F

オバマ先生は「不可」(拙訳:チモシェンコ大村)

オバマ大統領は先週、医療保険改革法、通称オバマケアの違憲訴訟をめぐる連邦最高裁審理に関して、記者会見を開きました。そこでオバマ大統領は非常に衝撃的な発言をしました。その発言からすると、どうも彼は憲法の理念を全く理解できていないようです。ですから、シカゴ大学ロースクールは、オバマ先生に合衆国憲法を“教わった”かつての学生に授業料を返還すべきでしょう(訳注:オバマ大統領は、シカゴ大学ロースクールの講師として1992年から2004年まで教壇に立っていた。専門は合衆国憲法)。

彼はこう発言しました。
「民主的に選ばれた議会の圧倒的過半数によって可決された法を覆すという異例かつ異常な手段を連邦最高裁判所が取らないと信じている」と。
これはまるで、合憲性を判断する上で、法案が連邦政府の権限を越えないかどうかを基準とするのではなく、その法案が過半数の支持を得たかどうかが重要だと言っているようなものです。合衆国憲法では、政府の権力を、法を作る立法府と、それを施行する行政府、さらに法解釈をめぐる争いを解決する独立した司法府に分立させています。これはそもそも、自由を保護する上で民意(訳注:つまり議会)を介入させないように作られたシステムでした。

オバマ大統領はさらにこう続けました。
「正当に立案され議会を通過した法案を、選挙で選ばれていない一部の人が無効にしてしまうという、司法積極主義または司法抑制の欠如――これは長年大きな問題だった。しかし、いつもそうだったというわけではない。今回、連邦最高裁判所がこの点を理解し、同じような手段を取らないことを私は確信している」と。

司法積極主義が批判されているのは、連邦最高裁判所が違憲な連邦法を無効にしてしまうからではありません。連邦裁判所が権利侵害を行い、中絶など、合衆国憲法では各州に権限が留保されている領域にまで介入するからです。オバマ大統領はこの点を誤解しているようです。実際のところ、司法府が、“民意”に屈し、あるいは個人強制保険が素晴らしい社会政策だと信じた上で、オバマケアのような明らかに違憲な法律を支持するようなことがあれば、これこそ司法積極主義の一例になるでしょう。

建国の父たちは、法が合憲であるかどうかの最終判断を司法府に委ねようとしたのでは決してありません。司法府は、議会や大統領と同等であり、優越した存在ではありません。下院議員、上院議員、大統領、そして裁判官はそれぞれ独立して法の合憲性を判断するのです。どんな法律でも議会を通過させることができ、その後で連邦裁判所判事がその合憲性を判断するものだと多くの議員が考えているようですが、そのことを知ったら、建国の父たちは震え上がってしまうことでしょう。

さらに、州政府には、自由を脅かす連邦法から市民を守る権限が与えられています。もし連邦最高裁判所がオバマケアを合憲と判断すれば、州議会議員は与えられた権限を行使し、市民が国民医療保険への不参加を選択できるよう法案を通してほしいと思います。

多くの同僚議員は、オバマケアの違憲性について正しい理解を持っています。しかし残念ながら彼らでさえも、大統領が宣戦布告なしに軍隊を戦場に送ることや、大統領がほぼ自分の権限だけで市民を無期限に拘留あるいは暗殺することには、賛成するのです。また一方で、オバマケアという違憲の怪物を賞賛するだけでなく、大統領が上院の人事任命権に盾つき大統領令によって法案を押し通すのを支持してきた議員もいます。

さらに悪いことに、一部の議員は、大統領が自分とは異なる政党の人間である場合にしか、その大統領による違憲行為を非難しません。もしオバマケアが裁判によって違憲と判決されれば、連邦政府の権限を規定するのは合衆国憲法であり、大統領でもなければ、議会でも、連邦最高裁判所でもない、ということがはっきり思い出されるでしょう。しかし、行政府が合衆国憲法を遵守することを拒み、他の2つの府が合衆国憲法を無視するのを放置している限り、その違憲判決という勝利は水泡に帰すことになるでしょう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿