Ryza na mlieku・スロバキアの台所の匂い

義父母の玄関を開けて「あぁ、ママがお料理している匂い！」と感じる匂いがいくつかあります。

パプリカと玉ねぎと肉を煮込む匂い、ザワークラウトを煮込む匂い、そしてバターを小鍋できつね色に溶かす匂い。私にとってのスロバキアの台所の匂いです。
今日は我が家もスロバキアの台所の匂いに包まれました。

パンをセットするのが遅くなってしまい、今日の夕食の時間には間に合いそうにない、パスタの気分でもないし、「今日の夕飯は何がいい？」とマルツェルに聞くとRyza na mliekuと返ってきました。

Ryza na mliekuとはミルク粥のことです。牛乳の苦手な私、ましてやご飯を牛乳でベチャベチャにして甘くしてしまうなんてあり得ない、はじめはとても苦手な食べ物でしたが、家族が好きなので作る内、私も大好きになってしまいました。

材料も作り方もいたってシンプル、１カップのお米と１リットルの牛乳を焦がさないようにゆっくり１時間ほど煮込むだけ。なべ底に焦げ付かないよう小まめに何度も何度も混ぜるのは「美味しくな～れ」の呪文のよう。家中に甘い香りがだんだん漂ってきます。ミルク粥を作るときのバニラと牛乳の甘い香りも好きだけれど、何より私はバターの香りが大好きです。

お米が柔らかくなってきたら、バターを小鍋で溶かします。弱火で焦がさないように鍋をゆすりながらゆっくり溶かす。完全に溶けて黄金色に透き通ってもまだ我慢、鍋を揺らしながらまだ待つと、表面に白く泡が立ってきます。それでもまだまだ。更に鍋をゆすりながら見守ると鍋の下の方に白い小さな塊ができてきます。ここまで来たらあともう少し、更に鍋を揺らしながら待ち、この小さな塊がきつね色になったら出来上がり。この香ばしいバターの香りは私にとってのスロバキアの台所、ママの匂い。

柔らかくなったお粥をお皿に丸く、平たく盛り、溶かしバターと削ったチョコレートをふって召し上がれ！



■材料■
‐米・・・２００ｇ/１カップ
‐牛乳・・・１ℓ
‐砂糖・・・大さじ１　★
‐バニラエッセンス・・・少々　★
‐無塩バター・・・５０ｇ
‐ココア（加糖）、もしくは削ったチョコレート

★バニラシュガーが手に入る場合はバニラシュガー１袋（２０ｇ）

■作り方■
１．米を洗う
２．鍋に米と牛乳400ml～600ｍｌを入れ火にかける
３．煮立ったら弱火にして焦げ付かないよう小まめにかき混ぜ、水分が少なくなったら牛乳を少しずつ足していく
４．米が柔らかくなってきたらバターを溶かす（溶かし方は上記の通り）。なべ底にできる小さな塊がきつね色になったら出来上がり。
５．皿に盛ったお粥に溶かしバター少々とココアをたっぷりふりかけたらできあがり