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スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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Džatky・ジャトゥキ

2022-12-26 | ハーブ・食べ物・レシピ

Džatky・スピシュ地方の郷土料理、ジャトゥキ 

「スロバキアのクリスマスはクレイジー」とは夫の言葉。子供たちは山のようなクリスマスプレゼントをもらい、クリスマスイブのザワークラウトとソーセージのスープ、カプスト二ツァと鯉のフライ、ポテトサラダに始まり、10種類以上の手作りお菓子とエッグノッグ、クリスマスはガチョウのロースト、どんなに控えめにしても美味しいのと脂っこいのとでつい胃がもたれてしまい、毎年この時期はキンミズヒキのお茶が欠かせません。このブログもキンミズヒキのお茶を飲みながら書いています。

クリスマスイブ、クリスマスと義父母のところで過ごし、26日、今日は2日ぶりの家でのご飯、胃休めにシンプルなものが食べたくなり、夕飯はジャトゥキを作ることにしました。夫のおばあちゃんはドイツ語風にジャトゥヘンと呼んでいたこの料理、ジャガイモと小麦粉でできたお餅のようなこの地方の郷土料理で、材料も作り方もいたってシンプルです。こちらではこれが立派な夕食になりますが、日本だったらおやつかなぁ。品目数のとても少ないスロバキア料理に栄養バランスはどうなのだろうかとスロバキアに来た当初は思ったものですが、でもこれでも人ってちゃんと育つんですよね。今では郷に入れば郷に従え、こういう夕食もアリです。

まず、鍋いっぱいのジャガイモを塩で茹で、茹で上がったらなべ底に3センチほどゆで汁を残し、湯を切ります。この時、流す方のゆで汁は捨てずに別の小鍋かカップに取っておきます。鍋のジャガイモに強力粉を加え、混ぜずに10分、蓋をして弱火で加熱し小麦粉を蒸らします。その後火を止めてジャガイモを潰し、マッシュポテトのようにします。この時、モチモチ感が足りなければ強力粉を加え、固すぎるようなら取り分けておいたジャガイモのゆで汁を足します。味付けはしないのでジャガイモを茹でるときの塩加減が重要、シンプルな料理ほどこういうところが難しいんですよね。

ジャガイモを茹でている間にバターを小鍋で溶かします。(詳しい溶かし方はコチラ)バターは火にかけ溶かすのですが、ゆっくり、丁寧に、きつね色になって香ばしい香りがするまで焦がします。

バターとマッシュポテトができたら、小さなまな板にスープスプーンでマッシュポテトを一すくい、そして溶かしバターにくぐらせたスプーンを使ってまな板の上でジャガイモを厚さ1センチほどになるよう平に伸ばします。これをテーブルナイフで拍子木切りにします。



できあがったジャトゥキがくっつかないよう、少しバターをかけながら、この作業を繰り返し出来上がり。皿に取り分け、溶かしバターを上からちょっとかけたらドブルフーチ!(召し上がれ!)とってもシンプルな料理でしょう。
義母のジャトゥキはこのように拍子木の形をしていますが、ナイフで切る代わりにマッシュポテトを手の中でコロコロと転がして丸め、一口サイズのお団子にする家庭もあるようです。

貧困と、そして長い冬のため限られた食材で工夫して作られた料理なんだろうなぁと思わせるものが多いスロバキア料理、このジャトゥキもきっとそのレシピのひとつでしょう。飽食の現在は疲れた胃を休める優しいレシピです。

■材料■
ジャガイモ・・・約1キロ
強力粉・・・スープスプーン8
塩・・・ティースプーン2
バター・・・100グラムくらい

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