スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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Rysy

2020-08-05 | ポプラド・タトラ山脈/Poprad・Vysoke Tatry
夢がひとつ叶いました。

夢、とはスロバキアに来て以来10年ほど温め続けた夢、タトラ山脈の山を登ることです。
私のブログ名にもあるタトラ山脈とはカルパチア山脈の一部、スロバキア、ポーランドの国境地帯を走る山脈のことでこちらではVysoké Tatry(ヴィソケータトリ)/高タトラと呼ばれています。

有名どころは最も高いゲルラホウスキー峰(Gerlachovský štít, 2663 m)、2番目に高いロム二ツキー峰(Lomnický štít, 2634 m)、スロバキアのシンボルであるクリヴァン(Kriváň, 2495)、そして今回私が登頂したリスィ(Rysy, 2503/2499/2473 m)でしょうか。ゲルラホウスキー峰は登山ガイドが同行しないと登ることはできません。一方ロムニツキー峰へは頂上までロープウェイで上がることができます。



Rysyという名を初めて耳にしたのはスロバキアに来た当初、英語を教えていた生徒さんにスポーツ用品店の店員のサービスの悪さ(商品のアドバイスが全くできない)をこぼしたときに、Sportrysyという地元のスポーツ用品店を紹介してくれ、そしてその名が高タトラに連なる山のひとつRysyに由来することを教えてくれたときでした。

タトラ山脈が目と鼻の先にあるこの環境でも山登りをしたくても、子供が小さく、そして一緒に登る仲間がいないとなかなか行けないもので登りたい気持ちを10年も温めてきたところ、今回友人のお嬢さんがこの夏Doby Tatryにチャレンジしていて親子でリスィへ行くとのこと声をかけてくれ、子供たちはマルツェルにお願いし、ついに山登りの念願が叶いました。
Doby Tatryとは7月1日から9月30日までの3カ月の間に指定された6つ(もしくは9つ)の山を登るというもので、指定のT-シャツを着て頂上で写真を撮り、送るのだそうです。

目指すリスィへはPopradske pleso、もしくはStrbske plesoから出発、どちらも電車、車でアクセスできます。車の場合、駅周辺に駐車場があります。ポプラトスケー・プレソからは舗装路、シュトゥルプスケー・プレソ からは軽い登山道です。私たちはポプラトスケー・プレソから出発、湖と山小屋までは行かず、途中からリスィの登山路へ向かいました。頂上まで4時間半前後のコースです。ちなみにポプラトスケー・プレソ駅・駐車場からポプラトスケー・プレソの湖、山小屋へは小さな子供連れのハイキングにお勧めです。(ポプラトスケー・プレソへのハイキングコースについてはコチラ


舗装路から緩やかな山道へ入り登山開始。晴天でも行き(午前)はほとんど日陰を歩いていくため体力を消耗せず心地よいハイキングです。


途中、リスィ下の山小屋まで物資を運ぶ何人もの歩荷さんに会います。自分の荷物を背負って歩くだけでも十分きついこの道をこれだけの荷物を持って上がるなんて本当にすごい。彼らの一人が当時スロバキアにはまだあまりなかったアウトドアグッズ専門店として1993年、Sportrysyを始めたのだそうです。


高タトラの山々はどれも標高2500メートル前後でそれほど高くはありませんが、険しい山が連なります。


Zabie pleso/カエル池
今年はコロナ流行のため自然の中で夏休みを過ごす人が多く、タトラは例年よりも混雑しています。先日見た動画ではこの先の登山路が狭くなった辺りから登山客の渋滞が始まっていました。私たちは朝6時に出発したので比較的空いた道を自分たちのペースで上がっていきます。


Chata pod Rysmi/リスィ下山小屋
息も上がる山道を登って山小屋に着くと、こんなところにバス停が。時刻表だってあります。

登山で困ることのひとつは特に女性はトイレですね。今回トイレには寄りませんでしたがこの登山コースには一つだけトイレがあります。絶景が望めるとのことでちょっとした有名スポットとなっているリスィ下山小屋のトイレです。(今回は立ち寄らなかったポプラトスケー・プレソの山小屋にはきちんとしたトイレがあります)




山小屋を通りすぎ、更に先へ進みます。
登頂の1週間ほど前、タトラ山脈では積雪があったと聞きました。その時の雪でしょうか、足を滑らせないようゆっくり雪道を進みます。


だんだん険しくなる道


登山路を見失いそうになったら白・赤・白のこの印を探します。


鎖場は写真を撮る余裕もなく
(写真:https://www.adventurous-travels.com/posts/trail-to-rysy-the-highest-peak-in-poland)

続く岩場に「行きは良い良い帰りは怖い」が頭の中に何度も浮かびます。(登るのに精いっぱいで岩場の写真もなし)


怖気づきつつも頂上に到着です。


怖さ、伝わりますか。
頂上はこんなところです。
(写真:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Rysy_2.jpg)


後ろは断崖絶壁、へっぴり腰で記念撮影


頂上で食べたおにぎりの美味しかったこと


帰りがけに山小屋で自分へのメダル代わりにマグネットを買って帰りました。

こんな素晴らしい1日を実現させてくれた友人一家と行かせてくれたマルツェルに大感謝です。

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