スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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戦争ってどうやったら止められるんでしょう

2023-10-24 | スロバキア2023
先週テレビでドイツ映画を見ました。
スロバキアにいて嬉しいことは、テレビで放送される映画がハリウッド映画だけではないことです。日本にいるときは日本とアメリカ以外の映画に触れることってほとんどなかったような。でも自分が特に積極的に探さなくても、こうしてテレビで気軽にスロバキアやチェコだけでなく、セルビアだったり、ウクライナだったり、ドイツ、イタリア、フランスだったり、ヨーロッパの様々な国の映画がチャンネルを回すだけで見れてしまうってありがたいです。

先週見たのは、「クレッシェンド」、邦題は「クレッシェンド 音楽の架け橋」という、パレスチナとイスラエルが舞台の映画です。世界的指揮者が紛争中のパレスチナとイスラエルから若者たちを集めてオーケストラを編成し、平和を祈ってコンサートを開くという企画を引き受けるという話でした。

ウクライナに続き、イスラエルとパレスチナのニュース、頭に浮かんだ言葉は「なぜ?」でした。どうして戦争なんてしてしまうんでしょう。
「戦争はやめて」という言葉をよく耳にしますが、でもその度に私は思う、でもどうやったら戦争って止められるんだろうか。たとえば「武器は送らない」それで戦争って終わるものでしょうか。「やめた!」と言って一方が戦うのをやめたら、それで戦争って終わるんでしょうか。私にはたとえ武器がなくても、石を投げてでもこういう地域では戦いって続くものだと思えます。もう戦うのは嫌だと武器を置いたものは支配されるか、殺されるんだと思います。だからやめたくても単純にやめられないんでしょう。

映画を見ながら、「そうこれ、これなんだよ」何度も思いました。受け継いでいくべきものは憎しみではなく、交流と受け止めること。
高校生の時に私はアメリカへ1年間交換留学した経験があります。普通の家庭が1年間ボランティアで私を受け入れてくれ、そして現地の高校へ通いました。この留学プログラムを運営する団体は戦後のドイツの学生をアメリカへ1年間受け入れたところから始まり、若者が異文化での体験を通しお互いに理解し、成長することですべての人にとって住みよい世界を作っていくことを目的とした団体です。柔軟で、そしてこれからの将来を担う若者たちにこういう経験の場を与えるってとても意味のあることだと思います。あいにく、私は世界に平和をもたらすほど影響力のある大人には育ちませんでしたが、でもこの一年は私にとって何ものにも代え難い貴重な経験となりましたし、出会った留学生や人々を通して世界の国々がぐっと身近に感じられるようになりましたから。今起きている戦争、紛争はなんとか止めないといけない(これは相変わらずどうやったら終えられるのか私にはわかりませんが)、でも繰り返さない、新たな戦争を起こさないっていうのも大切なことですよね。こういう交流がもっと増えて、全ての人にとって住みやすい世界になればいいなと、あらためて思いました。


何もないようで、日々色々あり、それでも目をやると穏やかに秋が深まりつつあります。


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