スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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Secret lover?!

2023-03-01 | スロバキア2023


バレンタインの翌日、花束が届きました。
全く心当たりがなかったので配達員に聞くと、私宛でメッセージは中にありますとだけ言って去って行きました。包装紙を外してメッセージを読むも、「GOOD LUCK!」のただ一言だけ。

「まさかね・・・」と思いつつ、他に花を送ってくれそうな人物の心当たりもないのでまずは夫に「花束が届いたんだけど、私に送ってくれた?」とメッセージを送るも夫ではないとのこと。ならばあの人かな、予想はつき、お礼のメッセージを送るとやはりその方でした。(花束の送り主を知った夫は、え?つまらない。隠れたファンからじゃないの?とがっかりしていましたけどね。)

実は私、この日、仕事の最終勤務日だったのです。そして花束はお世話になった上司が手配してくれたものでした。憧れの企業、大変だけれどやりがいを感じられる仕事、安定した職、そう思っていたのに部署の人員削減をしなくてはならないと、私と他数名が解雇される、2カ月ほど前にそう話されました。入社してからたったの1年でした。仕事は思うようになかなか進まず、ストレスも抱えていたし、仕事量も覚えることも膨大で残業も多く、自分と家族の色々なものを犠牲にした1年でした。でもここを乗り越えれば、と頑張っていただけに、その努力が認められず、失望するし、自信をなくすし、自分の存在が無意味なもののようにさえ感じてしまいました。本来ならリモートワークで最終日に出勤すらしない私にこんな素敵な計らいまでしてくれたことを喜ぶべきなのに、綺麗な花束を受け取ったぐらいでその気持ちが晴れるわけでもなく。

この田舎で外国人の私に就職のチャンスはそう簡単に廻ってくるものでもありません。リストラされることがわかってすぐに、失った自信をかきあつめ、自らを奮い起こして、就職活動を進めてきましたが、履歴書を送っても通勤圏内の会社からは返事も来ない、ブラチスラバの会社からは電話やテレビ電話での面接までこぎつけるけれど、ほぼ必ず聞かれる「面接官:週2回勤務できますか。私:月1なら可能です。」、私にとって再就職の壁はなかなか高いです。そうして次の就職先を見つけることなく、今はハローワーク通いをしています。

どんな仕事を斡旋してくれるのだろう、どんな講習・職業訓練を紹介してくれるのだろうと楽しみにしていましたが、正直なところ恐らくハローワークはあまり当てにはできなそうです。対応は感じ良いのですが、「頑張ってね!幸運を祈ってるわ!」とは言ってくれてもそれ以上のサポートは今のところなく、求人を探すのも、講習を探すのも自分でしないといけません。

すごく自信を失ったここ数カ月ですが、でも考えてみれば育児に追われた日々を送っていたあの頃、スロバキアで再就職などできないだろうと思っていたけれど、子供が幼稚園に入ってから6年間働くことができました。何年住んでも決して流暢とは言えないスロバキア語でも、全く英語の通じない役所関係の手続きをなんとか一人でできました。失業したからって人生が終わるわけでもなく、価値のない人間になるわけでもありません。思うようにならなくても、時間がかかっても、時として努力が報われなくても、それでもできるようになることってこの年になってもまだ増え続けていますからね。

大分落ち込んでいましたが、新たな目標を掲げてまた頑張ろう、今はそう思えるようになりました。
次のステップへ進めたとき、またこの花束を見てみたいと思います。そのときはその美しさをもっと感じられるはず。

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