日を改めた。
天然原子炉 - 東京大学出版会
1.はじめに
2.“天然原子炉”発見のニュース
3.核分裂による原子炉
4.ウラン同位体組成異常の発見と原因の追究
5.オクロ鉱床における核分裂連鎖反応の存在の証明
6.オクロ天然原子炉
7.オクロ以外の地にも天然原子炉は存在するか?
8.天然原子炉の中に生成された“放射性物質”の行末
9.オクロ天然原子炉研究の今日的意義
UPアース・サイエンスのシリーズ、もしかして相当凄かったかも。
1980年代に最先端を易しく説いた?
オクロ天然原子炉の簡単な解説はこんな感じ。
第43号・天然原子炉
20億年ほど昔にウラン鉱床で自然に臨界が出来て断続的に維持された(と思われる)「天然の原子炉」(の化石)がアフリカで見つかったという話は、いつ聞いたのだったか思い出せない。
1972年の仏の発表時でなかったことは確かだ。
その当時、南面堂は高校生だったが、見聞きした記憶はない。
本書にも詳述されているが、仏原子力庁の発表をルモンド紙が伝え、それを時事と共同が日本語ニュース配信し、毎日と日経が掲載したのだという。
うちの実家はA新聞だったので、見ていないわけだ。
高校の理科の先生たちが騒いで熱く語った記憶もない。
騒いで生徒に熱く語るべきニュースだったのだが、残念なこと。
直前の投稿で黒田和夫博士が計算から「17億年ほど昔に、天然の原子炉がどこかで成立したはずだ」と1956年に論じたが、あまり相手にされなかったという。
と こ ろ が、実際に予言通りの場所が見つかってしまい、そりゃもう大騒ぎさ。
当初、地球上でどこでも一定であるはずのウラン235の量(約0.7%)が少ないもの(0.4~0.6%台)が濃縮工場の検査で見つかってしまった(同位体存在比の異常)というので、すわ汚染か(劣化ウランが混入したか)と原因解明に下流からさかのぼってウラン精錬工場・・・へと調べて行ったが、どこにもおかしなことがなく、ついにガボンのウラン鉱床に行きついてしまう。
うわぁ!自然の中で核分裂したことがある子たちじゃん!
(核分裂起源の同位体組成=過去に天然の核分裂連鎖反応を経験している)と判明。
欧州出張のついでに足を延ばした著者。
藤井勲(1991)20億年前の天然原子炉 (オクロ鉱床)を訪ねて (地質ニュース 439号)
20億年ほど前、数十万年にわたって平均で100 kW相当の出力の反応が起きていた
2007年度摂南大学工学部講演会
動画4分割のうち3本目からオクロの話が出てくる。
山田澄「20億年前に原子炉は存在した」3/4
「オクロ鉱床は地殻変動で一度地中に埋没し、再び地表に現れるという特殊な事情があった。ほかの場所も、原子炉として稼働した所が有ったかもしれないが、浸食作用で消滅した可能性が高い」
「・自然が行った大実験が化石化している。
・実験室では評価できない長期間における核種の挙動を知る上で、貴重なデータを提供している
・U、Pu、およびすべての核分裂生成物の20億年間の実験結果を教えてくれる
・この自然の実験結果は、人類が創った原子炉から出る高レベル放射性廃棄物の地層処分に対する重要な示唆をあたえる」
「自然がわれわれ人類に与えてくれた“20億年間にわたる実験の結果”を利用しない手はない」(藤井博士)のは確かだ。
みんな大好きシュヴァイツァー博士から話が始まる壮大な物語。
原子力環境整備促進・資金管理センター(2005)「自然が生み出した原子炉―その誕生から消滅まで&地層処分へのヒント」
易しくかつ詳細に説明~相当お金をかけているな(委託調査の本質?)。
(本書も参照しつつ、かつ著者の藤井氏にも教えを請うた由~なにせ、現地経験者だし)
今一つ信頼感が持たれているとは言いにくい日本の原子力関係者だけが言ってるわけではないよ、ということで。
イリノイ大David Ruzic教授のプレゼン
Natural Nuclear Reactor
天然原子炉 - 東京大学出版会
1.はじめに
2.“天然原子炉”発見のニュース
3.核分裂による原子炉
4.ウラン同位体組成異常の発見と原因の追究
5.オクロ鉱床における核分裂連鎖反応の存在の証明
6.オクロ天然原子炉
7.オクロ以外の地にも天然原子炉は存在するか?
8.天然原子炉の中に生成された“放射性物質”の行末
9.オクロ天然原子炉研究の今日的意義
UPアース・サイエンスのシリーズ、もしかして相当凄かったかも。
1980年代に最先端を易しく説いた?
オクロ天然原子炉の簡単な解説はこんな感じ。
第43号・天然原子炉
20億年ほど昔にウラン鉱床で自然に臨界が出来て断続的に維持された(と思われる)「天然の原子炉」(の化石)がアフリカで見つかったという話は、いつ聞いたのだったか思い出せない。
1972年の仏の発表時でなかったことは確かだ。
その当時、南面堂は高校生だったが、見聞きした記憶はない。
本書にも詳述されているが、仏原子力庁の発表をルモンド紙が伝え、それを時事と共同が日本語ニュース配信し、毎日と日経が掲載したのだという。
うちの実家はA新聞だったので、見ていないわけだ。
高校の理科の先生たちが騒いで熱く語った記憶もない。
騒いで生徒に熱く語るべきニュースだったのだが、残念なこと。
直前の投稿で黒田和夫博士が計算から「17億年ほど昔に、天然の原子炉がどこかで成立したはずだ」と1956年に論じたが、あまり相手にされなかったという。
と こ ろ が、実際に予言通りの場所が見つかってしまい、そりゃもう大騒ぎさ。
当初、地球上でどこでも一定であるはずのウラン235の量(約0.7%)が少ないもの(0.4~0.6%台)が濃縮工場の検査で見つかってしまった(同位体存在比の異常)というので、すわ汚染か(劣化ウランが混入したか)と原因解明に下流からさかのぼってウラン精錬工場・・・へと調べて行ったが、どこにもおかしなことがなく、ついにガボンのウラン鉱床に行きついてしまう。
うわぁ!自然の中で核分裂したことがある子たちじゃん!
(核分裂起源の同位体組成=過去に天然の核分裂連鎖反応を経験している)と判明。
欧州出張のついでに足を延ばした著者。
藤井勲(1991)20億年前の天然原子炉 (オクロ鉱床)を訪ねて (地質ニュース 439号)
20億年ほど前、数十万年にわたって平均で100 kW相当の出力の反応が起きていた
2007年度摂南大学工学部講演会
動画4分割のうち3本目からオクロの話が出てくる。
山田澄「20億年前に原子炉は存在した」3/4
「オクロ鉱床は地殻変動で一度地中に埋没し、再び地表に現れるという特殊な事情があった。ほかの場所も、原子炉として稼働した所が有ったかもしれないが、浸食作用で消滅した可能性が高い」
「・自然が行った大実験が化石化している。
・実験室では評価できない長期間における核種の挙動を知る上で、貴重なデータを提供している
・U、Pu、およびすべての核分裂生成物の20億年間の実験結果を教えてくれる
・この自然の実験結果は、人類が創った原子炉から出る高レベル放射性廃棄物の地層処分に対する重要な示唆をあたえる」
「自然がわれわれ人類に与えてくれた“20億年間にわたる実験の結果”を利用しない手はない」(藤井博士)のは確かだ。
みんな大好きシュヴァイツァー博士から話が始まる壮大な物語。
原子力環境整備促進・資金管理センター(2005)「自然が生み出した原子炉―その誕生から消滅まで&地層処分へのヒント」
易しくかつ詳細に説明~相当お金をかけているな(委託調査の本質?)。
(本書も参照しつつ、かつ著者の藤井氏にも教えを請うた由~なにせ、現地経験者だし)
今一つ信頼感が持たれているとは言いにくい日本の原子力関係者だけが言ってるわけではないよ、ということで。
イリノイ大David Ruzic教授のプレゼン
Natural Nuclear Reactor