真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

天路の旅人 沢木耕太郎/著 (雑誌掲載分を読んだ後、2023/8単行本で再読、追記)

2023-05-25 | 読書-歴史

沢木耕太郎 『天路の旅人』 | 新潮社

第二次大戦末期、敵国の中国大陸の奥深くまで「密偵」として潜入した若者・西川一三。敗戦後もラマ僧に扮したまま、幾度も死線をさまよいながらも、未知なる世界への歩みを...

 


雪の中から
現れたもの
密偵志願
ゴビの砂漠へ
最初の別れ
駝夫として
さらに深く
無人地帯

白い嶺の向こうに
ヒマラヤの怒り
聖と卑と
死の旅
ここではなく
仏に会う
波涛の彼方
ふたたびの祖国
雪の中へ

沢木耕太郎 自由を広げ、生きる - NHK クローズアップ現代 全記録

【NHK】「人生最後のノンフィクションになっても納得がいく」。作家・沢木耕太郎さんがそこまで語る最新作『天路の旅人』。主人公は第二次大戦末期、日本軍の「密偵」として...

NHK クローズアップ現代 全記録

 


沢木耕太郎さんTV未公開インタビュー 25年かけ『天路の旅人』を書いた理由 - クローズアップ現代

『深夜特急』などノンフィクション作品で知られる作家・沢木耕太郎。最新作『天路の旅人』を書き上げ、ロングインタビューに応じた。桑子真帆キャスターとの対談。

クローズアップ現代 - NHK

 


2022/11/27 マイあさ!「著者からの手紙」 『天路の旅人』 沢木耕太郎さん
というのがあったのだが、掲載期間経過?で消去された模様.
代りにノンフィクション作家・探検家による紹介を
「行かないではいられない」国家の密偵として西域に潜入、終戦後も各地を渡り歩き…第三者視点で書き直す“旅の記録” | 文春オンライン

『天路の旅人』「希有な旅人」の壮大な旅を描く大作 - HONZ

ついに10万部突破!発売から3か月、沢木耕太郎の傑作ノンフィクション『天路の旅人』が大ヒット中!

株式会社新潮社のプレスリリース(2023年2月9日 11時00分)ついに10万部突破!発売から3か月、沢木耕太郎の傑作ノンフィクション『天路の旅人』が大ヒット中!

プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES

 


天路の旅人

第二次大戦末期、中国大陸の奥深くまで「密偵」として潜入した日本人がいた。『深夜特急』の沢木耕太郎が激しく共鳴し描く、大型ノンフィクション。

紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア

 


迷ったらこの1冊で間違いなし! 「書評現代」|ただ旅に生きる姿を沢木が甦らせる/『天路の旅人』|tree

『深夜特急』沢木耕太郎、なぜ再注目? ベストセラー新刊『天路の旅人』の圧倒的なおもしろさ

沢木耕太郎が昨年刊行した長編ノンフィクション『天路の旅人』(新潮社)が大きな話題を呼んでいる。掲載文芸誌『新潮』8月号を完売させ、単行本はリアル書店・ネット書店と...

Real Sound|リアルサウンド ブック

 


『天路の旅人』沢木耕太郎著 評者:後藤正治【新刊この一冊】|文化|中央公論.jp

こんなにすごい旅人がいた!沢木耕太郎が感嘆した比類なき「密偵の旅」と人生 『天路の旅人』西川一三は一体どこが「かっこいい」のか? | JBpress autograph

第2次世界大戦末期、旧日本軍の密偵(スパイ)として、敵国である中国の西域に奥深く潜入した日本人がいた。名を西川一三(にしかわ・かずみ)という。『天路の旅人』(新潮...

JBpress autograph

 


【書評】中国大陸の奥深くまで「密偵」として潜入した日本人を描く:沢木耕太郎著『天路(てんろ)の旅人』

本も旅も人生もいつかは終わる:沢木耕太郎『天路の旅人』

僕は大学生の頃(いまから35年も前のこと)、初めての海外旅行で香港から広州、西安、ウルムチと蒸気機関車を乗り継ぎ、タクラマカン砂漠の縁をバスで数日かけて中国の西の...

アゴラ 言論プラットフォーム

 


しかし、あれだな、当時の密偵というのは、当局が命じて潜入させたというよりも、本人が志願して軍当局にスポンサーになってもらった感が勝るな。
軍当局としては一応命じた形になっていたのだが、敗戦で命じた当局側が消滅してしまったので、西川が帰国後に別の役所(外務省)に詳細報告の用意ありと申し出るも門前払いされたという。
有力者の仲介を経るなどのしかるべきルートをとれば対応も違った可能性はあるかもしれないけど。
もしかすると、当時は「情報を教えてやる」という有象無象のインチキな売り込みなど数多あったのかもしれん。
申し出を受けた当局の担当者は、西川もそのような怪しいものと考えて門前払いした可能性はあるかも。
(話はそれるが)
当時の外務省なんて、占領軍の意向を気に掛けるので精いっぱいだったのだろうな。
え?今でも基本的にはむにゃむにゃ、って?そこまでは言わんけどw

独立回復後に杉原千畝の行方を尋ねた開設直後の在日イスラエル大使館の照会に「そんな人いません」(大意)と木で鼻をくくった対応をしたのも当時の外務省だったしな。
外務省を解雇された杉原(占領下で外交が基本的に不要・不能になったための人員整理だった筈なので、任地での訓令違反のため云々というよりも、中核人材とされた帝大卒のエリート等を残して大幅に人員整理したものだと思う件~占領終了・独立回復後のことまで展望できない人たちが仕切っていたともいえよう)が鵠沼の自宅近くでロシア語の個人教授をしていたのだそう。んで、生徒本人はもう亡くなっているかもしれないが、「お爺さん/お婆さんが近所で習っていたロシア語の先生が実はあの杉原千畝だった」という人がいるはずの件!

電柱の張り紙 日本 20230506|極論空手形 / Extreme Argument Fictitious Bill|note

電柱の張り紙を見てロシア語個人授業を受けたら先生が杉原千畝だったというような経験をしたい。 pic.twitter.com/RVFBWYUE5X — 元ニート2号(東大入試3割おじさん) (@neet...

note(ノート)

 

電柱の張り紙を見て杉原千畝にロシア語の個人教授を受けた大岩 信太郎中央大名誉教授は2016年没。
中央大学広報室


(それた話を戻す)
じつは2回に分けて月刊「新潮」に掲載されたものを読んでみた。単行本は未読。
~図書館の単行本の行列が先頭が見えないほど長くて(比喩であるね)、雑誌掲載分の方が早く閲覧可能と気付いたものでね。
→2023/8に図書館の単行本の順番が回ってきたので再読。

2022/08 定期号 沢木耕太郎「天路の旅人」(第一部・460枚)
2022/09 定期号 沢木耕太郎「天路の旅人」(第二部・470枚)

沢木耕太郎氏、9年ぶりの長編ノンフィクション
「天路の旅人」930枚を、月刊文芸誌「新潮」で
第一部・第二部と異例の二ヶ月連続掲載 | News Headlines | 新潮社

7月7日(木)発売の月刊文芸誌「新潮」8月号と、8月5日(金)発売の「新潮」9月号に、『深夜特急』の沢木耕太郎氏がどうしても描きたかった、稀有な旅人・西川一三の旅と人...

新潮社

 




なので、
木村肥佐生の葬儀に参列した西川が「興亜義塾の一期生であり、二人にとって先輩にあたる春日行男に向かって」呟いた云々のくだりが、単行本化の際にちゃんと春日行雄に修正されているのかどうか未確認。
→修正を確認(3刷)
(南面堂はモンゴル関係者ではないのだが、別のナニで春日先生にお会いしたことはあるもんでね)

モンゴル関係で春日行雄先生のお名前を間違えてはいかん。
「モンゴル便り」No.05 「テムジンの友塾」春日行雄氏へのインタビュー
⇒単行本あとがきで、西川由起女史(西川の娘さん)に「新潮」の「天路の旅人」には誤字がひとつあると指摘を受けた旨の記載(p569)があるが、この件かも。

モンゴル育ちの医者、春日行雄さんの回想録を読む(仙台市・森修) : モンゴル情報クローズアップ!

【写真①】島根日日新聞に連載された春日行雄さんの回想録㊨と春日さんの著書「ウランバートルの灯みつめて五十年」 日本モンゴル友好協会の会長を務めた医師の...

モンゴル情報クローズアップ!

 


西川一三 - Wikipedia

探検家・西川一三氏ご逝去 | 殿堂スタッフのつぶやき

探検家・西川一三氏ご逝去 | 殿堂スタッフのつぶやき

すみかわです。
探検家として殿堂入りしている西川一三氏(盛岡市在住)がお亡くなりになりました。
どうやら咽喉の関係の癌だったようです。

Tsushin.2002.03

榮三郎さ...

殿堂スタッフのつぶやき

 

毎日新聞記者だった徳岡孝夫さんが1963年に西川に取材依頼の手紙を書いていたというのも凄い。
本件に関する徳岡さんのコメントはないのかな?

木村肥佐生 - Wikipedia

 


沢木さん、本人の旅行記も面白いけど、「他人の旅行記」も面白い。
編集者が勝手にカットするなどもあって意味不明箇所があるという西川本人による潜入記(未読)を読むよりもよほどよくわかるのかも。

終章で、沢木氏が西川と会った最後の夜の話題が出る。
ブッダガヤの菩提樹の大木の元にいた盲目の太鼓芸人の話(p563)。
沢木氏が(深夜特急の旅で)ブッダガヤ訪問時に老人だった盲目の男は、30年前に西川が見ていた30~40歳の男と同一人物じゃん!
「同一人物だったかもしれないし、そうではなかったかもしれない。」という記載なのだが(実際、沢木氏の旅からさらに数十年経過しているので確かめようもないし、「歴代、盲目の男がその場で仕事をすることになっている」だったりして、代が変わっていたのかもしれないし?)、最後にさりげなく凄い話をぶっこんで終わり、余韻を残すわね。

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