『生き残る判断 生き残れない行動―大災害・テロの生存者たちの証言で判明』
原書名:THE UNTHINKABLE:Who survives when disaster strikes-and why
(Ripley,Amanda) リプリー,アマンダ【著】
岡 真知子【訳】
光文社 (2009/12/25 出版)
■被災者たちの体験、導き出される教訓
[掲載]2010年2月14日 [評者]江上剛(作家)
書評:ためいき色のブックレビュー
"なかから、「これは」と思ったところを以下に列記する。"
なかなか鋭い点に注目。
人間は非常時になると、本能的に知覚や思考や運動の機能の一部がストップする
「絶対にしたくないことの一つは、災害時に考えなければならないということだ」
ところで、読みにくいのは確か。
原文のせいなのか、翻訳のせいなのかは不明。
また、これも原文と対照させたわけではないので何ともいえないが、訳語の選択に疑問なしとしない(控えめな表現)箇所が複数個所あり。
Amanda Ripley : Author of The Unthinkable & reporter for Time
特殊部隊員は化学的に違う、という話が面白くて。
ストレスに強い人弱い人 The Y Factor! [Nature]
"ニューロペプチドYは通常ストレス抑制に働いており、その発現の程度の差によってストレスに強い人と弱い人の違いを生み出している可能性が考えられる"
ふむふむ。
あるオールドソルトのことば、だそうで。
(思考・判断能力は)酔っ払い2分の1、海上3分の1、時化の海上10分の1
酔っ払った状態で、時化に見舞われると?
ところで、湖や川で(淡水で)長年の経験を持つ船乗りは、オールドソルトとは言わないんだろうな・・・。
冗談はさておき、上記至言が指摘する時化の海上に相当するのが、本書の災害時なのだろう。
避難訓練を馬鹿にしてはいけない。
やはり!
Customers buy this book with The Survivors Club: The Secrets and Science that Could Save Your Life by Ben Sherwood
『サバイバーズ・クラブ』の項(7/15)に付記した日常生活上の諸注意にさらに追加
(大災害でなくて新聞にも載らないような小事故であっても、一人にとっては1/1なのでね)
◆徒歩中に交差点で信号を待つ際、青信号になったら歩行者集団の先頭で渡らんと意気込み、歩道の角のガードレールの外側(車道側)で信号待ちをするのが危ない件
「ええい、いっちゃえ」という直進車両に「右折可が出た瞬間にダッシュで右折」の車両が激突し、歩道に飛んでくるという事故が日本中で年間何件起きているのか知らないが、自分の身をわざわざ危険な位置におくことはないと思うのだが・・・。
さらに、「挙動不審のため職質しようとしたら急に逃げ出した車両をパトカーが追う」などというよくある場面で、薬や酒をやっているため絶対に逃げたい向きが暴走し・・・などというケースもあるだろうし。
原書名:THE UNTHINKABLE:Who survives when disaster strikes-and why
(Ripley,Amanda) リプリー,アマンダ【著】
岡 真知子【訳】
光文社 (2009/12/25 出版)
■被災者たちの体験、導き出される教訓
[掲載]2010年2月14日 [評者]江上剛(作家)
書評:ためいき色のブックレビュー
"なかから、「これは」と思ったところを以下に列記する。"
なかなか鋭い点に注目。
人間は非常時になると、本能的に知覚や思考や運動の機能の一部がストップする
「絶対にしたくないことの一つは、災害時に考えなければならないということだ」
ところで、読みにくいのは確か。
原文のせいなのか、翻訳のせいなのかは不明。
また、これも原文と対照させたわけではないので何ともいえないが、訳語の選択に疑問なしとしない(控えめな表現)箇所が複数個所あり。
Amanda Ripley : Author of The Unthinkable & reporter for Time
特殊部隊員は化学的に違う、という話が面白くて。
ストレスに強い人弱い人 The Y Factor! [Nature]
"ニューロペプチドYは通常ストレス抑制に働いており、その発現の程度の差によってストレスに強い人と弱い人の違いを生み出している可能性が考えられる"
ふむふむ。
あるオールドソルトのことば、だそうで。
(思考・判断能力は)酔っ払い2分の1、海上3分の1、時化の海上10分の1
酔っ払った状態で、時化に見舞われると?
ところで、湖や川で(淡水で)長年の経験を持つ船乗りは、オールドソルトとは言わないんだろうな・・・。
冗談はさておき、上記至言が指摘する時化の海上に相当するのが、本書の災害時なのだろう。
避難訓練を馬鹿にしてはいけない。
やはり!
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『サバイバーズ・クラブ』の項(7/15)に付記した日常生活上の諸注意にさらに追加
(大災害でなくて新聞にも載らないような小事故であっても、一人にとっては1/1なのでね)
◆徒歩中に交差点で信号を待つ際、青信号になったら歩行者集団の先頭で渡らんと意気込み、歩道の角のガードレールの外側(車道側)で信号待ちをするのが危ない件
「ええい、いっちゃえ」という直進車両に「右折可が出た瞬間にダッシュで右折」の車両が激突し、歩道に飛んでくるという事故が日本中で年間何件起きているのか知らないが、自分の身をわざわざ危険な位置におくことはないと思うのだが・・・。
さらに、「挙動不審のため職質しようとしたら急に逃げ出した車両をパトカーが追う」などというよくある場面で、薬や酒をやっているため絶対に逃げたい向きが暴走し・・・などというケースもあるだろうし。