真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

安倍晋三と日本の大戦略 21世紀の「利益線」構想 マイケル・J・グリーン 2023年08月

2023-09-27 | 読書-現代社会

はじめに:『安倍晋三と日本の大戦略 21世紀の「利益線」構想』

その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日はマイケル...

日経BOOKプラス

 


序章
第1章 近代日本のグランド・ストラテジーにおける歴史的ルーツ
第2章 中国
第3章 アメリカ
第4章 インド太平洋
第5章 韓国
第6章 対内バランシング
終章 吉田ドクトリンの終焉

安倍晋三と日本の大戦略―21世紀の「利益線」構想

吉田ドクトリンとの決別。「自由で開かれたインド太平洋」構想、海洋パワー・日本―。安倍政権が成し遂げた日本の外交・安全保障戦略の大転換。日本研究の俊英が歴史的文脈の...

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Line of Advantage: Japan’s Grand Strategy in the Era of Abe Shinzō

Line of Advantage: Japan’s Grand Strategy in the Era of Shinzo Abe

 


U.S. Department of Defense (.gov)
Line of Advantage: Japan's Grand Strategy in the Era of Abe

From the bookshelf: ‘Line of advantage: Japan’s grand strategy in the era of Abe Shinzo’ | The Strategist

Michael J. Green’s volume on contemporary Japanese grand strategy is one of the latest in a growing repository of studies shining a spotlight on the recent resur...

The Strategist

 


第2次安倍政権はずっとそれなりに見ていたので、本書の記述は、いちいち頷けたり、「へぇ、そうだったんかい」などの感慨が押し寄せるものだったのだが、違和感が一箇所。

第5章 韓国
政治リーダーという変数(p259~)
で日韓関係が論じられている。
安倍の対ロ外交に関して、「安倍がロシア政府への外交的提案という形で圧力をかけると、ロシア空軍は日本の領空に冷戦レベルの侵入を行った。北方領土ではロシア陸軍が先進的なロケットシステムとUAVの配備を始めた。」(報道から)ことを指摘する一方、
「その点では韓国海軍は新しい強襲揚陸艦に「独島」という名前をつけはしたが、日本の自衛隊に具体的な脅威を突きつけたことは一度もない。」
との記述。
ん???
力強く言い切るね。
2018年の火器管制レーダー照射事案は無視?

癒えぬ日韓レーダー照射事件の傷、自衛隊元幹部が嘆く3つの問題 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

韓国紙中央日報は18日、韓国軍が日本の海上自衛隊哨戒機に対し、火器管制レーダーの照射を含む指針を作っていたと報じた。指針は、2018年12月に韓国軍駆逐艦が海自P1哨戒機...

 


【主張】照射問題先送り また韓国を甘やかすのか

 自衛隊と韓国軍の協力が、信頼という最も肝心な要素を欠いたまま進められようとしている。

産経ニュース

 


あと、興味深かったのは、
終章 吉田ドクトリンの終焉
アメリカと日本―新しい「特別な関係」(p318~)
の冒頭の、ハロルド・マクミランによるアメリカ人評(1942年の発言)。
あと、
アメリカ以外にアメリカはいない(p321~)で、
冷戦中、アメリカの横暴に憤る欧州諸国の外相に対して、英外相(キャラハンとされる由)が、それはその通りだがアメリカを認めるしかないという趣旨の発言をしていたくだり。
「アメリカのリーダーシップのない世界になったなら、そこではもうイギリスも存続しえなかったからだ。」というわけだ。
覇権のバトンタッチをうまくやったというか、そうするしかなかったわけね。

それにつけても安倍氏を失ったという損失の大きいこと。
thought leader
特定の分野で先導者に!今注目のソートリーダーシップとは?
日本がソートリーダーというのは、安倍氏個人の力量に負っていたというほかなく、今のヒトなんかだと、到底そのレベルではないと思う件。
レールを敷いてもらって、その上で進むことができるだけであって、レールを敷くとか、何処に敷くかを指し示すことなど、望むべくもない... んではねーの?
知られざる内閣改造 “最大のサプライズ”林外務大臣交代の真相 | TBS NEWS DIG
岸田首相はかつて、「何がやりたい」と問われたら「人事」と答えたことがあるといわれるが、そういう視点の人物なのねという...

マクミランとケネディ


JFK and Harold Macmillan's bizarre friendship revealed in new book | Daily Mail Online

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