真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

「旅の教祖」がバイブルの成り立ちを語った『旅する力―深夜特急ノート―』

2009-03-09 | 読書-エッセイ/小説etc
『旅する力―深夜特急ノート―』
沢木耕太郎/著
2008/11/28
asahi/20081227沢木耕太郎さん『旅する力 深夜特急ノート』を刊行

あの一連の事件以来、「教祖」という言葉が、「怪しい/反社会的」というニュアンスを色濃く帯びてしまったような気がする(ホントかよ?)。
元々、「ちょっと怪しげ」な要素はどの教祖も持っていたのかもしれないな。既存社会の側からは特に。

会議通訳者が電車内で一心不乱に準備するシンポジウムの主催大学を卒業して就職した会社を1日で辞めてしまった、という点では社会の「まっとうな」路線に乗ることを拒否した著者……だが、元祖爽やか系ともいえる雰囲気は、還暦を過ぎても怪しいとか大先生とかからは程遠いようだ。
その意味では、巨匠も教祖も相応しい呼称とはいえないのかもしれない。

でも、巨匠であり教祖だわな。
多くの若者の人生を狂わせた、というと人聞きが悪いし濡れ衣になるけれど、影響を与え、場合によっては狂わせる「きっかけを作った」(もちろん意図せずに)のは確かなことだろう。

実際に旅に出ないまでも、心は旅にというヒトがその何百倍か何千倍か存在するし。心だけじゃ駄目なんだが。。
いずれにせよ、巨匠で教祖じゃがな(笑)。

明治以降、小説の分野で「国民的作家」といわれる大先生が何人かいた。
「クレヨンしんちゃん」も大好きだが「深夜特急」も読むという名古屋の小学5年生がサイン会に並ぶ(あとがきに記載された‘微笑ましい’エピソード)という沢木氏も、ある種の国民的存在だ……というと過言の滝?

ファンにはたまらない1冊。
「コヨーテ」で読んだ記憶がある文章が多くても、こうしてまとめられちゃうと、うるうる来ちゃったりして。

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