積ん読の部屋♪

本棚に積ん読な本を読了したらばの備忘録。

筒井ともみ『着る女』内容と感想

2012-05-16 10:35:47 | 紙の書籍
マガジンハウス 筒井ともみ『着る女』を読了しました。

あらすじと感想をざっくりと備忘録として書きます。
※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【目次】
オシメの情景
三本のリボン
セーターと毛糸の匂い
母の裁縫箱とミシンの音
ハギレの愉しみ
パッチン止めと少女の時間
’60とミニスカート
銀座の洒落モン
16歳のスプリングコート
マイ・アクセサリー・クロニクル
青春グラフィティ
不思議な母のセンス
ふたつの大切なブーツ
亜麻色の髪の乙女
女優のいる風景
爪とマニキュア
遠い日の姫鏡台
ストッキングとガーターベルト
母と仔犬とアップリケ
ニューヨークに消えた皮ジャン
靴フェチと祝祭
男と女と靴下
憧れのトレンチコート
スカーフ嫌いのスカーフ物語
下着について語るべきこと
パーティとドレスコード
お直しという愛の儀式
ファッションの力


【内容】
昭和の懐かしい匂いに包まれた少女時代から、高度経済成長期を経て現在へ。母の手作りワンピースからコムデギャルソンまでをひとりの女性の人生を通して生き生きと語るエッセイ集。


【感想】
この本は2004年から2006年にかけて、「おしゃれ工房」と「ウフ.」に掲載されたエッセイをまとめたもの。筒井ともみのエッセイは好きだったのだけど、本を購入したのは今回が初めて。期待どおりで楽しく、そしてちょっと思うところがあったり。
筒井ともみは私よりずっと年上でいらっしゃるのだけど、お母さまは私の母にも通じるものがあり、しんみりしつつ懐かしい気持ちになった。お母さまと一緒に洋服のデザインを考えたり、下北沢にお買いものに行ったりと、その様子が微笑ましく羨ましくもあり。お母さまをとても愛してらしたのだなと感じた。
彼女をたった一人の姪として溺愛していた叔母さまは、繊細な神経と女優という仕事柄、家の中がピリピリしていることが多かったそうだ。それがとても辛かった。初等科から大学まで成城学園に通わせてもらっていても、穏やかな毎日を過ごしたかった。経済的には女優の叔母さまの恩恵を受けながら、お母さま共々叔母さま夫婦の居候状態で過ごす子供時代とはどんなものだったのだろう?肩身が狭かったのではないだろうか…。
よくも悪くもこの子供時代が、今の筒井ともみを作ったことは間違いないと思った。


【余談】
文中にあった、映画「西の魔女が死んだ」の脚本のオファーが来ていて、梨木香歩は好きな作家さんなので嬉しいというようなくだりがある。確か、この「西の魔女が死んだ」の映画の脚本は監督の奥さまである、元アイドルで女優の水島かおり(脚本家名は矢沢由美)が書いていたと記憶している。
はて?どういういきさつがあったのやらなかったのやら。
ちなみに水島かおり、女優とは思えない暴れっぷりをご自分のブログで全開で暴露されていて爆笑というか苦笑する。
コメント
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