さかな

魚屋さんの店先のささやかな素話...。

ババンバ バン バン バン♪

2006年07月06日 | 店先から
い~い湯だ~なっ♪ハハハン♪

とうとう・・・さかなやさんの水道からお湯が出るようになりました。
ガス管の老朽化で新しく配管を設置するに伴い、
台所の水道からお湯も出せるようにしてもらいました。
今まで、真冬も冷たい水だけで頑張ってきました。

私が嫁いで来たのは真冬でした。
暖房器具と言ったら練炭とこたつ。
朝になると、おじいちゃんが練炭に火をおこして、いつも練炭の火鉢の前に座っていました。
義母はコンクリートの床で冷えないようにと、下駄を履いていました。
私は嫁いですぐに、冷えから熱を出しました。
両手、両足がしもやけで膨れ上がりました。
せめて、キッチンの水道だけでもお湯がほしいと思ったものでした^^;。

夏には小さな扇風機があるだけでした。
店にクーラーを取り付けたのは5年前です。
品物が傷まないように、冷蔵庫の中は常に品物がぎっしり。
冷蔵庫は、きっと悲鳴をあげていたと思います。
白味噌などは、あっという間に赤味噌になってしまいました。
昼休みになると私は自宅に戻りました。
クーラーをきかせた部屋に入ると天国のようでした^^;。
今では冷房をきかせ、品物も安心して陳列棚に並んでいます。

それから・・・トイレが水洗になったのもまだ最近のことです。

考えてみると、なぜもっと早くに・・・と思いますが、
商い屋は贅沢をしてはいけない。お客様に優雅な生活を見せてはいけない。
おばあちゃんがいつもそんなことを言っていたように思います。
義母はそれをずっと守ってきました。なので、新しくすることに臆病です。
今回、ガス管の工事と一緒にお湯を出せるようにしたらどうかと義母に言うと、
義母は思い切り首を横に振りました。
(やっぱりダメか・・・)と思っていたら、
翌日、義母は「やっぱりお湯をだせるようにしよう。」と言ってくれました。
「今時クーラーがないなんて。」とか、「お湯が出ない家なんてないよ。」
と、義姉も義母に言ってくれたからかな。

18歳で嫁いできた義母。
50年以上もおじいちゃんやおばあちゃんの言うことを守り続けてきました。
それをいとも簡単に、否定するかのように、
「クーラーをつけよう。」「お湯をだそう。」「練炭をファンヒーターにしよう。」と、言ってきたように思います。
ガス管工事の間、ちょっと寂しそうな義母の背中がありました。

店にはまだまだ改善するところがたくさんあります。
昔からのやり方をもっと簡単にとも思っています。
しかし、義母がこれまでやってきたことを全てなくしてしまうのも・・・とも思います。
少しずつ、変えていけたらいいなと思います。

お湯を出して、い~い湯だ~なっ♪と言い鯛ところですが、
今は暑いです^^;。

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咲き終わったはずのクレマチスが、また咲き出しました。
他にも木蓮や藤の花も咲き出しました。