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さかな

魚屋さんの店先のささやかな素話...。

12月といえば。

2005年12月01日 | 店先から
12月といえば・・・クリスマス。
夜はイルミネーションがキレイですね

我が家の12月1日。
今日はこちらが入荷です。



『お歳暮用 新巻鮭』です。
北海道釧路産、時鮭です。顔は小さく、腹がデカイ。これがいいんだそうです。

いよいよ12月。私ちーずは、ちょっぴり気持ちが引き締まった今日でありましたっ


左ヒラメ右カレイ?

2005年11月22日 | 店先から
市場で仕入れたカレイです。
普通は『左ヒラメ右カレイ』と言われるように、
カレイは右に目が偏っているはずですが、このカレイはなぜか左。
箱には「浅羽子持ちカレイ」と書いてあるのに・・・。
もしかしたら、間違えてヒラメが入ってきたのかな???

旦那に聞くと、
「中には左に目があるカレイだっているんだろ。」と言われた。
それでも、本当はどっち?なんて聞いていたら、
店の2階から義父の本を2冊持ってきて、「自分で調べろ」と。

1冊は『海水魚 益田一著(山と渓谷社)』。
これを見ると、確かにたくさんの種類のカレイの中に目が左についているのがありました。
『ヌマガレイ』これなのか?似ているような、そうでないような・・・

もう1冊。『たべもの探訪 魚介物語 浪川寛治著(三一書房)』。
こちらは字ばっかり。でも読んだら面白かったです。
少し抜粋して・・・。

「鰈は生まれつき寄り目で、平べったい形をしているわけではない。
卵から孵ってすぐの、まだ海中を泳いでいるころは、普通の魚と同じように腹が下、背が上の正しい左右対称の形をしている。
二つの目も頭を中心にして左右に等距離の位置にある。それが海底に身を横たえて生活をはじめるようになると、体が右側に平べったく偏り、それとともに目も次第に体の右側に寄ってくる。」
なるほど・・・
それから、こんなことも・・・。

「今でこそ鰈と鮃の区別は整理されているが、昔の人には、この二種類の魚の区別はなかなか難しかったようだ。(中略)
今でも関西では鮃のことを「大口カレイ」という。鰈と鮃の見分けは目の位置で判断するよりは、口の大小で区別したほうがたしかだともいう。
鰈は小さなおちょぼ口だし、鮃の口は鰈よりはたしかに大きい。そこで「大口カレイ」なる呼び名も生まれることになる。」
う~ん、言われてみればこのカレイはおちょぼ口ではないかも。やっぱりヒラメなのかな・・・
結局のところ私にはわかりませんでした

「そんなことより、やい!ちーず。たまにはワシを料理してみろってんダ!」と、カレイに睨まれました。
これはマズイ(味ではなくて私がです
しかも今日はやたらと長くなりました。読みにくそう・・・


冬が来るというのに。

2005年11月19日 | 店先から
以前、紹介したお父ちゃんのアロエです。
このアロエに花が咲くようです。
義母が言うには、前に咲いたのはちょうど10年前。
その時は、もっとたくさんのつぼみをつけたそうです。
10年前というと、義父が亡くなった次の年くらいだったのですね。
私は育児で忙しかったのか、その時のアロエの花は見ていません。
義母は、
「今度はひとつしか、つぼみをつけなかったけど何かいいことがありそう・・・。」と、嬉しそうでした。

この場所は、冬は温室のように暖かいのです。
夏は地獄のように暑いですけど・・・
ここにいつも段ボールが積んであって、私は段ボールを縛りながらアロエを見ています。
10年ぶりに咲く、お父ちゃんのアロエの花。どんな花が咲くのか楽しみです

そして、もうひとつ。

スイトピーです。
植木鉢に種を蒔いたら出てきました。今は15センチくらい伸びてきました。
まっすぐ上に伸びていく姿がカワイイです

これを見ていつも思い出すのは、「ジャックと豆の木」。
子どもの頃、ジャックを追いかけて巨人が豆のツルを降りてくるところで、
いつもドキドキ、ハラハラしたものです。懐かしい
冬が来るというのに、魚屋さんのココは冬を飛び越え春のよう

片口いわし。

2005年11月16日 | 店先から
今朝仕入れた片口いわし。カタクチイワシ科。
背部の黒色が濃く、背黒いわしとも呼ばれています。
「カタクチ」と呼ばれるのは、上顎が下顎より前方に突き出しているからとか、
口を開くと下顎だけが目立つからということらしいです。
ヨーロッパや南米ではアンチョビーと呼ばれ、塩漬けや油漬けにしてお料理によく使われています

おや!片口いわしを狙ってか、隣の家のしまちゃんが顔を出しました。

殺気を感じたのか、「猫のしまちゃんが来るぞ~。」と、片口いわしが叫んでいます。それを聞いた仲間達が一斉に・・・

「キャ~~~~」と言ったかどうかはわかりません

片口いわしは猫のしまちゃんの難を逃れましたが、今夜junさんちのエリちゃんのお腹の中へと落ちていったことでしょう

ついでにもうひとつ。
いわしを漢字で書くと鰯。これは国字で「痛みやすい魚」であることから作られたものだそうです。
って、知ってましたね。(ネットで調べた私です。し、知らなかった・・・



甘塩アイス。

2005年11月03日 | 店先から
夕方のお店には、お子様連れで買い物に来てくださる方が多いです。
保育園にお迎えのついでに寄ってくださったり、
ママは食事の支度で忙しいのか、
「パパが魚屋さんに行くから、一緒に行ってきなさ~い」と言われてか、
パパと買い物に来てくださったり・・・(パパが恥ずかしくて、ついてきてもらってるのかも?)
おじいちゃんやおばあちゃんなら必ず何か買ってもらえる!と、ついてくるお孫さんもいたり・・・。

最近、そのお子様からたびたび言われることがあります。
アイスやお菓子を買う時に・・・
「テープでいい。」と。つまり、レジ袋に入れないでそのまま持って帰ることです。
よくスーパーでお店のロゴ入りや色つきテープを貼ってくれませんか?
それをお子様たちは望んでいて、私に言うのです。
我が家の娘たちも、買い物に行くとそう言うことがあります。
私もあったな~。なんだか手に持っていたいんですよね。

ある時女の子が、買ったアイスに「テープ。」と・・・。
「ごめんね。普通のセロハンテープしかなくて・・・これでガマンしてね。」と、
透明のテープを貼りました。
「・・・・・。」何も言わず、どこに貼ってあるのかとジ~ッと見つめている女の子。
そこでです。
引き出しにあった、塩にした魚をパックする時に貼る『甘塩シール』。
「う~ん。じゃあコレ。」と貼ってあげました。
女の子はニコっとしてくれました。
甘いアイスは『甘塩アイス』になったと言うわけです

しかし・・・その数日後に来た兄弟に同じシールを貼ってあげたら、
「なんだコレ。カッコワリ~」と、言われてしまいました。
『甘塩アイス』は、いい思い付きだと思ったのにな~残念
明日、娘にキャラクターのシールを少し分けてもらおうっと


ピカピカ。

2005年10月26日 | 店先から
ちょっと怪しげな写真ですが・・・。
これは、前に撮っておいた我が家のアラ桶。
中には魚のアラが入っています。
これを肥料屋さん(我が家ではアラ屋さんと呼んでいます)が週に2回、回収にきます。有料です。
回収時間はだいたい夜の8時頃でしょうか。
トラックの荷台に直接桶を逆さにして、アラをぶちまけます。
「カコーン!」と威勢よく。
以前は夜中の2時や3時の時もあり、寝ている私は「カコーン!」という音で目を覚ましたものです。

昨日の夜も回収に来てくれました。
若いお兄さんで、めったに会うことはないですが、
彼の乗ってくるトラックは、小型のトラック野郎みたいな感じ。
いつもピカピカに光っています。電飾も見事です。

魚のアラはなにしろ臭いです。その臭くて、汚いドロドロしたアラを
お兄さんはピカピカのトラックにぶちまけるのでした。
前に会った時、「ご苦労様。」と声をかけると、
「今晩は!」と白いピカピカの歯を見せて笑うのでした。

朝には空っぽのアラ桶が置いてあります。
私はそのアラ桶をタワシでゴシゴシと洗っています。
アラ屋のお兄さんのピカピカのトラックみたいに。

桶の上の石は、泥棒対策。
いつもこのアラをねらっているヤツがいるので・・・盗むなよニャ~

主役。

2005年10月25日 | 店先から
今朝、店の外を掃いていると自動販売機のわきに可愛い苔を発見。
庭に咲いている花とちがい、苔は目立たない。
暗いジメジメしたところにいる。

でも、よ~く見るとなんだか可愛くないですか?
目立たないところで、一生懸命生きているって思います。
今日、私のブログの中でアナタは主役です。

みなさんに見てもらえるといいね



またまた空。(空ばっかり・・・)
雲がオーロラみたいに光ってました。
どこかで、この同じ空を見た人がいるといいな

WASABIに涙。

2005年10月22日 | 店先から
今日は久しぶりに店先からのお話です。
ワサビのお話です。

今日も粉末ワサビを溶きました。
かき混ぜればかき混ぜるほど・・・ということで夢中でかき混ぜたら、
鼻にツンときて、目から涙があふれました。
そこへお客様が来店。私を見るなり
「まあ、いろいろ大変だろうけど頑張って。」と励ましのお言葉をいただいた。
ワサビで流した涙なのに・・・。ちょっと罪悪感。でも、
優しいお客様の励ましにほんとに涙がでそうになりました。というだけのお話です。お粗末。

今夜もバレーボールの練習でした。
夕飯をお腹いっぱい食べた私は、やる気が出る前に練習が終了。
バレーの帰りには、ものすごい豪雨&雷。そして地震。
いやな予感。明日のバレーボール大会では怪我をしませんようにと祈るばかり。
前回は、練習初日のたった1回のトスで首がまわらなくなったから。
寝る前にストレッチ体操しようっと

ボクはカンパチ。

2005年10月13日 | 店先から
初めまして!カンパチと申します。
ボクの体は刺身になって、今は頭とカマだけになっちゃった。
でも、ボクの頭やカマを好きな人は結構いるんだ。

サケやブリの頭はよく煮物に使うけど、
ボクは塩をふって焼くのがオススメだと店の旦那さんは言うよ。
塩焼きにしたボクの頭。ほっぺの部分なんかは脂がのってうまいらしい。
カマも同じく。そして、ボクの目。このまわりにはゼリーみたいなのがあるけど、
ここにはコラーゲンなんて言う栄養があるから、女の人の美容にはモッテコイだよ。
いつもボクの頭を買いに来てくれるオジサンは、
孫のためにと買っていく。7歳の女の子だけど、ボクの目のまわりのコレが大好物らしい。
きっと、彼女は美人になるっ!て、ボクは思う。
今日は誰が、ボクを買いにきてくれるかな・・・?

ちなみに、ボクがいる魚屋のちーずさんはボクを好きではないようだ。
なんでも、脂がのりすぎて嫌なんだとか、焼くのも大変なんだとか言っている。
これだから、料理の腕はいつまでたってもあがらないってボクは思うんだ・・・。
美人にもなれないんだー!!!

・・・って、カンパチにいつも思われているような気がしています

りんごジュースは傾けないで。

2005年10月07日 | 店先から
店のレジ台のわきには、いつも椅子が置いてあります。
刺身を待っている間、座って待っててもらうためです。
この椅子を使うお客様はさまざまで。
お年寄り、足の悪い方、仕事帰りに疲れた~と座りこむ方などなど・・・。

今日はお昼過ぎに、一人のおばあちゃんがみえました。
ちょうどNHKの連ドラ『風のハルカ』が始まりました。
私は朝見ていなかったので、お昼のこの時にかけていました。
買い物を終え、私が袋に品物を入れている間座っていたおばあちゃんは、
突然、「あ~喉渇いた。コレでももらって飲んでいこう。」
と、りんごジュースを手にしたのでした。
勿論、お金は頂きましたよ。

しかし、りんごジュースのストローのさし方もわからないおばあちゃん。
私が変わりにさしてあげました。
渡したとたん、ジュースがストローから流れだしました。
「おばあちゃん、コレね、箱の角を持つようにして押したらだめだよ。」
私は、茶の間の『風のハルカ』を気にしながら、教えました。

(早く飲んで~テレビ、終わっちゃう・・・)
と、笑顔をひきつらせて話をしていました。
ゆっくりとストローを口にしたおばあちゃんは、
りんごジュースを缶ジュースのように傾けたのでした。
「あれ、出ない。」不思議がるおばあちゃん。
「おばあちゃん、それね。傾けなくていいんですよ。そのまま飲んで」と私。
「ああ、そうかね。」
おばあちゃんは、話をしながらゆっくりと飲みはじめました。
話しては飲み、飲んでは話し・・・。
(あ~もうすぐ終わっちゃう。早くなんとか・・・
とうとうジュースがズズッと音をたてました。
(ヤッタ!ちょっとでも見れる
と、思った私でしたが、おばあちゃんはりんごジュースを振るとまだ水音がするらしく、
またりんごジュースを缶ジュース並みに傾けたのでした。
話も尽きることなく、茶の間の『風のハルカ』は国会中継に変わっていました。
(どうぞ、ゆっくりしていってください

でも!りんごジュースは傾けないでくださーい