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晴れときどき化学、ところにより雑想

もしかしたら何かの役に立つかもしれない化学のお話(と、よしなしごと)

合金

2012年04月21日 23時39分01秒 | 化学のお話
ある金属に対して、それ以外の金属あるいは非金属が混じりあったものを合金といいます。

一般に合金の物理的・化学的性質はそれぞれの成分単独のときとは異なり、特異的な性質を示します。


合金は成分の混ざり方によって、固溶体と共融混合物(共晶)に分けられます。

固溶体は、2種類の金属が混合したままひとつの結晶となったものであり、

共融混合物は、それぞれの成分の結晶の混合物で、特定の成分比のときに限って生じるものです。

※共融混合物の例としては「はんだ」があります。

はんだはスズ(融点232℃)63%と鉛(融点327℃)37%の合金で、その融点は183℃となり、どちらの金属よりも低くなります。


また、合金は成分原子の配列の仕方から、置換型合金と侵入型合金に分けられます。

金と銀、銅とニッケルのように原子半径が近い場合は置換型合金となり、

鉄の結晶格子の隙間に炭素が入り込んだ鋼や、パラジウム中に水素原子が入り込んだ水素吸蔵合金などのように、原子の大きさが極端に違う場合は、侵入型合金となります。


合金の具体例として、以下にいくつか挙げてみました。

・鋼:鉄に少量の炭素が混ざることで硬さが増します。

・ジュラルミン:アルミニウムに銅、マグネシウム、マンガンなどを混ぜることにより強靭性を増すことができます。

・ニクロム:ニッケルに20%程度のクロムを混ぜることによって電気抵抗が増大するので、これを用いて電熱線(ニクロム線)が作られます。

・黄銅(真鍮):銅と亜鉛の合金で、黄色~金色に輝くことから装飾品などに用いられます。

・ステンレス:鉄にニッケルやクロムなどを混ぜることにより耐食性が向上し、錆びにくくなります。


この他にも合金は身近に数多く存在し、いろいろなところに利用されています。




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