Rf値

Ｒｆ値は、移動比または移動率とも言われ、薄層クロマトグラフィーやペーパークロマトグラフィーにおいて、物質の移動度を示す値です。

※Rate of flow に由来することからこの呼び名となっています。


その定義ですが、

Ｒｆ＝（原点から各物質のスポットの中心までの距離）／（原点から溶媒の浸透した先端までの距離）

となります。

※簡単に言うと、溶媒が進んでいった先頭までの距離に対して、目的の物質がどの程度移動したか、ということを数値で表したものです。


Ｒｆ値は０～１までの値を取りますが、Ｒｆ＝０であれば、その物質は原点でそのまま動かなかったことになり、

Ｒｆ＝１であれば溶媒の先頭まで一緒に進んだことになります。


そして特定の物質のＲｆ値がわかっていれば、混合物中におけるその物質の同定が可能となります。


薄層クロマトグラフィーやペーパークロマトグラフィーにおいては、使用する溶媒の種類を変えることで、同じ物質でもＲｆ値が変わってきます。

混合物をうまく分離したい場合には、最適な溶媒（たいていは複数の溶媒を用いた混合溶媒）をうまく見つけることがポイントになります。

※試行錯誤の結果、うまく分離できる条件がみつかったときは、やはりうれしいものです。