晴れときどき化学、ところにより雑想

もしかしたら何かの役に立つかもしれない化学のお話(と、よしなしごと)

蒸留水

2012年05月24日 23時54分35秒 | 化学のお話
蒸留水は一般に、水を蒸留することで得られる純粋な水を指します。

普通の生活ではほとんど必要がありませんが、化学実験や化学分析では必要不可欠となります。


蒸留水は空気中でつくる限りにおいて、二酸化炭素が溶け込むことから完全な中性ではなく、pHは約5.7程度になります。

また、蒸留容器に銅を用いれば微量の銅が、ステンレス容器を用いれば微量の鉄が混入してきます。

※ここで石英ガラス容器を用いれば、微量成分の混入を極力防ぐことができます。

なお蒸留水は無色透明で無味・無臭ですが、必ずしも無菌というわけではなく、微量の微生物が含まれていることもあります。


限りなく純粋に近い水を得るためには、その製造方法に工夫が必要です。

水を蒸留した上でイオン交換樹脂を通し、さらにメンブランフィルターを用いたろ過を行うことで、超純水と呼ばれる水が得られます。

この超純水は、バイオテクノロジーや微量分析などの先端技術分野で用いられています。




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