晴れときどき化学、ところにより雑想

もしかしたら何かの役に立つかもしれない化学のお話(と、よしなしごと)

アルケン

2012年03月28日 22時39分51秒 | 化学のお話
アルケンは分子内に二重結合を1つ持つ鎖状の不飽和炭化水素の総称で、エチレン系炭化水素、オレフィン、アルキレンなどとも呼ばれます。

※エチレンの同族体で、一般式がCn2nで示される化合物です。

炭素数1~4までのものは常温で気体、炭素数5~17までのものは液体、炭素数18以上のものは固体として存在します(この点はアルカンとよく似ています)。

※なお、二重結合が分子末端ではなく内部にある場合には幾何異性体が存在します。


石油化学工業原料として重要なエチレン(C24)、プロピレン(C36)、ブテン(C48)などは、天然ガスやナフサ分解ガスなどから分離されるか、

あるいはこれらのガスから得られるアルカンの熱分解によって工業的に生産されます。


実験室でアルケンを生成する方法には、アルコールを脱水する方法や、三重結合をもつ化合物に水素を付加させる方法、ハロゲン化アルキルの脱ハロゲン化水素、1,2-ジハロゲン化合物の脱ハロゲン化、などがあります。


一方でアルケンの二重結合には、水素、ハロゲン、ハロゲン化水素などが容易に付加します。

また、アルケンは二重結合の部分で重合させることができます。

このように化学反応性が高いことから、様々な付加反応や重合反応を行って多彩な化合物をつくることができるのが特徴です。

高温高圧条件下や、チーグラー・ナッタ触媒を用いた低圧条件下でエチレンやプロピレンを重合させることにより、代表的なプラスチックであるポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンが製造されているのがその一例です。