マトンを巡る・・・

2006-01-10 19:36:58 | ベルギーのニュース
ベルギーには、マトン(Tarte au maton/Mattentaart)というお菓子があります。



牛乳を温めてバターミルクを加え、さらに煮詰めて凝固したところで濃し、1日置いてできたマトンに、卵や砂糖を加えたものをパイ生地に包んで焼いたもの。とても高カロリーですが、おいしくて私も大好き。

このマトン、ブリュッセルのパン屋さんでは比較的良く見かけますが、リエージュでは滅多に見かけません。それというのも、このお菓子はブリュッセルの西20キロほどの、東フランデレン州(オランダ語圏)とエノー州(フランス語圏)の境周辺の特産物なのです。

中でも、ブランド化に力を入れていたのがGeraardsbergen(仏名Grammont)という町。努力の甲斐あってつい最近、地域振興策のひとつとしてEUが行っている、地域特産物として認定されました。認定されるとどうなるかというと、ブランド保護のため、この地域で生産されたマトンしか、マトンという名前を使うことができなくなります。

となると、Grammontまで行かないとマトンが食べれなくなるということ? (^_^;) Grammontのマトンとなればきっととてもおいしいのでしょうが、ブリュッセルに行ったときの楽しみがなくなってしまうのであればちょっと残念。

もっと切実なのは、Grammontからほんの数キロ南に下った、Lessineなどエノー北部の町のパン屋さん。このあたりでも昔からマトンを食べているので、マトンという名前が使えなくなるかもしれない、と言われても、マトンはマトンだし・・・と困惑気味。

今のところ大きな問題に発展しそうな気配は幸いなさそうですが、他の地域のマトンが消えてしまう、というようなネガティブな方向には行かずに、マトンの全国、はたまた世界的な普及を目指して(大げさか)リエージュでもGrammontのマトンが売られるようになるといいなあ~。


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