Casa de Celia

iHasta la victoria siempre!

VIVA もう一つの世界

2007-03-13 | Latinos(ら米)

 3月5日に来日したボリビアのエボ・モラレス大統領が、3月6日に都内で行った講演で、ボリビアの新憲法に「戦争放棄」を盛り込むとの考えを示した。
 憲法で「戦争放棄」を謳ってきた日本と歩みをともにしようというエボ・モラレス大統領と、一方、その先進的な歩みを止めようとしつつある日本。
 この日本の本当の姿を、エボ・モラレス大統領の少年のような瞳はどう捉えただろうか。

「新憲法で戦争を放棄する」ボリビア大統領が都内で講演

           【Asahi.comより】2007年03月06日23時37分

 来日中のモラレス・ボリビア大統領が6日、東京都内の日本貿易振興機構(ジェトロ)で講演し、「新憲法で戦争を放棄する」と語った。同国は徴兵制を敷き、約4万6000人の軍を持つと見られるが、「軍隊なしで人命を救える。武装放棄しながら、社会的な戦いを続ける」とも述べた。
 憲法改正は05年の大統領選での公約。先住民出身の大統領として、すでに明言している先住民の権利拡充などに加え、新たな目玉を加えた形だ。
 モラレス氏は講演で、「戦争は解決策にならない」「唯一の良かった戦争である独立戦争でも、混血の人たちや先住民の人命が失われた」などと話した。  
 またモラレス氏は同日、安倍首相と首相官邸で会談した際も、戦争放棄をうたう日本の憲法を念頭に、「ボリビアは日本のような大国ではないが、似た点もある。人々が手に手を取って平和に生きる社会。そういう観点から、戦争放棄を憲法改正で掲げたい」と語った。

 ところで、私の友人、りーど氏も、エボ・モラレス大統領の講演会に行って、自身のHP「VIVA CUBA」に興味深いレポートを書いています。
 講演で彼が訴えたことは、「戦争放棄の憲法」にとどまらず、人類の「希望」をどう繋いでいくのか、自らどのような役割を果たすのか、という彼の政治思想でした。
 以下・・・りーど氏のレポートより

 モラレス大統領講演会に行ってきました(3月6日、ジェトロ本部)。満員でした。キューバ大使と参事官のお二人も来られてました。
 炭化水素資源の国有化を宣言(実施)した「炭化水素法」について関心が集中しましたが、これについて大統領は、外国企業を接収せず追放せず、その結果賠償金を払うこともなく、各国パートナーと新たな配分を決めて新しい契約を交わしたものだ、とし、これまで不平等な取引を強いられ貧困にあえいでいたボリビアが、これにより「物乞いの政治」から脱して、お互いがよきパートナーとしての「正当な貿易」を目指していくものだ、と理解を求めました。
 またこの国有化によるブラジルおよびアルゼンチンとの価格交渉などの結果、国有化前は2億数千ドルだった収入が現在は20億ドルという成果を実際に生み出している、と話しました。

  「日本にこれてうれしい、5億7千万ドルの債務免除に感謝します、これで1人あたり200~500ドル分の負担がなくなる」と説明したあと大統領は、日本とボリビアは「人間の生活・生命を守る」という点で共通である、「社会正義・平和」を目指していきたいと語りました。
  「南米はひとつの国家である」と大統領は言いました。
 そして、「南米で最初に戦争を放棄する国、そしてその憲法を持つ国になりたい。新憲法では戦争放棄を謳う」と明言しました。
 「戦争は解決にはならない、これまでボリビアでも4つの戦争があり、そのうち評価できるとしたら独立戦争だが、それも多くの犠牲があった。今後は軍隊なしで人命を救いたい」と語りました。
 この話には本当に驚き、そして感動しました。

 興味深いデータを教えてくれました。モラレス以前の大統領の給与は4000ドルぐらいだったそうです。これを大統領はとんでもない高額といった表現をしたあと、今自分の給料は1300ドルである、と言いました。またボリビアの法律では「大統領の給与が一番高くなくてはならない」と規定されているそうです。

 大統領は「チリは私たちにとって"海"なんです」と語りました。
 これは19世紀末のチリとの戦争で海岸地帯の領土を失ったことに由来するようです。現在のチリとの関係は、第一に海、第二にエネルギー、という表現をしました。

 今後どう貿易していくかという質問には、具体的な貿易どうこうということより、まずお互いが「人類として」補完的な関係になること、良いパートナーとして全体を考えていくこと、これが重要だと述べました。

 一貫していたのは、人類として、世界の一員として、人間の命を大切にすること、国に関係なく全員が幸せになるようにしていくこと、お互いが自立してより良いパートナーとして、対等の関係であること、世界の平和をめざす一員であること、といった希望に満ちた思想でした。
 このような話を日本に来てしてくれたことに感謝します。

 グローバリゼーションによる飽くなき競争を求めるケモノに凌駕されつつある世界。その片隅、ラテンアメリカから、もう一つの思想が立ち上がろうとしている気配を感じます。
 もう一つの世界は可能だ(Otro mundo es posible)・・・iVIVA EVO!



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2 コメント

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いらっしゃいませ (Celia)
2007-03-15 00:00:44
正絹さん
 今、ラテンは熱いです。
 キューバはもとより、ベネズエラ、ボリビア、エクアドル・・・いわゆる左派政権がめざましい。こうした国々から発信される人類の未来を視野に入れた発言に励まされること、しばしばです。
 私も、ことあるごとに、日本の政治家と比べてしまうのですが、「女性は産む機械」だの「事務所の光熱費でっち上げ」だの「狭義の意味での強制はなかった」だの、脳内BSE政治家ばかりの日本と比べてたら失礼だと思う今日この頃です。
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Unknown (正絹)
2007-03-14 15:19:57
こういう発言を聞くにつけても、いかに国際関係にたいする見識の高さ、外交能力の高さといったものが、日本の政治家とは比べ物にならないなという思いがします。
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