Casa de Celia

iHasta la victoria siempre!

ニュースが伝えない出来事

2006-11-06 | Latinos(ら米)

 イラストに書かれている文字は el poder del pueblo・・・。人民の力。

 恒例の長期連続休暇取得(今月末、キューバ渡航の為)を間近に控え、世間より一足早く「師走」を迎えている今日この頃。
 ネットに接続する暇(いとま)もなくひたすら「Excel」漬けになっている間に、メキシコで大事件が起きていました。
 メキシコのオアハカという町で起きた大規模な抗議行動、それに対し軍隊を繰り出しての弾圧、大統領の欺瞞・・・などなど、予断を許さない様子。
 しかし、というか、もちろんというか、日本のメディアは完全無視。
 メディアに対し、心許なさを改めて感じます。

 八木啓代さんのMonologueより

(11月3日 記)
 現在メキシコのオアハカがすごいことになっています。
 これまた日本のマスコミはほとんど報じていませんが。
 発端は、教職員組合の賃上げストライキ。これ自体はある意味、定例行事だったのですが、それが、知事の汚職や不正問題にからんで、例の不透明な(というより、露骨な不正選挙だった)大統領選への怒りが加わってエスカレートし、教師達だけではなくて、ほかの労組や一般市民も加わった抗議行動に発展。オアハカが混乱状態に陥っていたのですが、警官が市民数名とアメリカ人ジャーナリスト Willian Bradley Roland (Brad Will)を射殺した事件を契機に、フォックス大統領が軍を投入。発砲。現段階で死者10名と多数のけが人、逮捕者が出ています。
 オアハカ空港も閉鎖。 (ただし、Brad Willは軍人に撃たれたという信憑性の高い報道もあり、フォックスの口実そのものが欺瞞である可能性も) その直後、フォックスはTV(もちろんテレビサ)に出て、ぬけぬけと「オアハカに平和と秩序は取り戻された」などと発言しましたが、現在もオアハカ自治大学などでは、内戦状態。これに連帯して、メキシコ各地でも抗議行動が激化しています。

 (11月4日 記)
 さて、Indymediaについて補足。 名前の通り、インディメディアは、インターネット上の自由投稿制のニュースサイトです。そういう意味では、JANJANとかオーマイニュースみたいなものです。で、殺害された Willian Bradley Roland (Brad Will)氏は、これに参加していた「市民記者」で、いわゆる「プロ」のジャーナリストではありませんでした 逆に言えば、なぜ、このオアハカの事件が日本で報道されないのか。いや、特派員が記事を送っていても、本紙で掲載されないのか。
 フランスの暴動で金髪碧眼のフランス人学生が一人死ねば、日本でも報道されますが、メキシコ人は10人死んでも、ルワンダ人やレバノン人が1000人死んでも、大したニュースバリューはない。イラク人にいたっては毎日死んでいても報道されない、という、抜きがたい「発展途上国の人命は軽いから、日本人が死んだり誘拐されるのでない限りニュースにはならない」という感覚があるということです。
 そのうえに、今回のアメリカ人青年の死も、これが、ニューヨークタイムスやワシントンポストの記者ならともかく、「市民記者」だったわけですから、「記者とは記者クラブに護られ、特権的であるのが当然」と思っている日本の新聞社には、他人事以外のなにものでもないでしょう。 もし、彼が日本人であったとしたら、おそらく日本では「自己責任論」がまた盛り上がるに違いないわけで、だとしたら、アメリカ人の「お調子者の市民記者」の死など、なんで伝える必要がありましょうや。
 CNNが大きく伝えたとは、誤算でしたね。これらに彼の「自己責任」を問う論調はもちろんありません。これも誤算だったでしょうか。
 しかし、オアハカは有名な観光地です。「地球の歩き方」などでもたくさんページを割いていて、日本人の観光客もたくさん訪れるところです。それだけに日本人の安全を考えるなら、このオアハカの現状を伝えるということに意味がないとは考えないのでしょうか。
 何も知らずにオアハカに着いてしまった日本人旅行者が巻き込まれて怪我をしたり、死んだりしたら、それはやっぱり「自己責任」なのでしょうか。
 まあ、メキシコ政府は、「オアハカに暴動は起こっていない」という見解のようですし、(それを言うなら、チアパスのゲリラ蜂起の時も、メキシコ政府は「すぐ鎮圧」と主張したぐらいです)、外務省の海外地域情報にこの程度掲載すれば、あとは知らない方が悪いってことなんでしょうかね。

(11月5日 記)
 昨日の日記に追加補足。 オアハカ支援のキャラバン隊がメキシコシティを出発。
 オアハカでは小規模ながらデモが続き、メキシコシティでも、オアハカ系住民がフアレス通りを封鎖。一方、不正選挙によって大統領選で「敗北した」AMLOこと、ロペス=オブラドールはシャドウキャビネット樹立を宣言。
  ただ、そうはいっても、現在、メキシコシティの大半は平穏です。ただ、メキシコ観光を予定されている方は11月20日にご注意ください。この日はメキシコの革命記念日です。 オアハカへの連帯抗議行動のアクションがあちこちで起こると予想されます。チアパスの先住民ゲリラEZLNも、いちおう、この20日に大規模アクションを呼びかけています。メキシコシティでも、AMLO+PRD左派が、この日にソカロあたりでデモを企画する可能性はあります。(註:あくまで可能性に言及しているわけで、あるといっているわけではありません。私はEZLNでもPRDでもありませんし、個人的な意見としては、大きなことにはならないと思います)
 後者は平和的なデモになると思いますが、PRDのデモになれば、交通はかなり遮断されるでしょうし、UNAM(国立自治大学)の学生たちがどれぐらいおとなしくしているかは定かではありません。コヨアカンあたりは平穏だと思いますが、首都の主な観光地はソカロ(憲法広場〜大統領宮殿)あたりに集中しているので、初めてのメキシコ観光の方は、観光どころではなくなる可能性があります。

  文中にある11月20日のメキシコ革命記念日の3日後、キューバ渡航の中継点としてメキシコシティに立ち寄る私にとっては、「これはヤバイ」というニュースなわけですが、個人的な事情を差し引いても、これだけの激しい抗議行動と弾圧が行われていることを報じない日本のメディアって、一体・・・。 
 ちなみに、YouTube「TODOS SOMOS OAXACA」でオアハカの模様と併せて、ロンドン、ニューヨーク、マドリッドなどの各国主要都市で行われた連帯行動が観られます。世界中で知っていることが、日本では、ほぼ「だ~れも」知らないってことが、よーくわかります。
 八木さんの言うところの「発展途上国の人命は軽いから、日本人が死んだり誘拐されるのでない限りニュースにはならない」という感覚のメディア、そして飼い慣らされている、私も含めたJAPONESES。
 ふつーに新聞とアホタレなニュース番組ばっか観ていたら、キューバに行く前にボケちゃいそう。
 そんなわけで、ここんとこの自己鎖国生活を反省ちゅー



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