皮がむけてボロボロになっている掌を見て
「痛みはないですか?」
・・・むけだしてからは痛みはないですが、痛いときはペンも持てませんでしたよ。
「来週、皮膚科の先生に診て貰って再開できそうだったらまた始めましょう」
・・・また痛くなるんでしょう!?日常生活もマトモに出来ないなんてコリゴリです。
「今度は半分の量にします。もともと一日800mgは欧米基準なので日本人にはかなりキツイ量なので再開時は減らしますよ」
・・・たとえ量を減らしても副作用は現出しますよね?
「どの程度かは個人差がありまりますから何とも言えませんが、副作用がでたらまた中断して更に量を減らして一日おきの服用にするなどしても長く続けられればリンパ節に対しての効果はあると思いますから・・・」
・・・目に見える皮膚症状だけならいいんですけど、内臓への副作用がとっても怖いんです。それと、副作用に対するストレス。口内炎とか便秘とか頭皮の湿疹とか、耳の聞こえが悪くなるのも背中に痛みを感じるのもお腹が時折キリキリするのも、あれもこれも副作用じゃないかと思えてしまう。これってかなりシンドイんですよ。
AK先生が椅子を引いて笑い出した。
「かなりの薬アレルギー。薬を飲むことに対するアレルギーになっちゃったね~」
・・・いやいや笑い事じゃなく、ホントにもう飲みたくないですから!
「この薬はね、体の先端の毛細血管に作用してそこから症状がでるんですよ。だから心配するような内臓に対する副作用の危険性は血液検査で事前に充分にチェック出来ますし、現に一時高かったアミラーゼも正常値になってますよね。副作用の出方も一度もう飲んでるわけだからだいたい分かるでしょ?その時点で日常生活に支障がでそうだと思ったら迷わず中断しましょう。と言うよりそうすべきです。」
・・・・・・ヤバそうだと思ったら即やめます!
「そうです。副作用を我慢して飲み続けろとは言いませんし、その必要はまったくありませんから。中断しながらでもいかに長く続けられるかのほうが大事ですから」
「なんと言われようともこれ以上の延命治療なんかするもんか!」とカッコつけるのはやめた。AK先生がぼくの想いをちゃっと分かってくれてると思えて気持ちよかったから・・・
で、穏やかに切り出した
・・・今回再開するにしても、ソラフェニブに頼り続けられるのか?と思ったので緩和ケア病棟のある病院への外来予約をとりました。初診予約は4月なのでまだ先なのですが、紹介元の主治医はAK先生だとそちらには伝えてあるんですが・・・
「それは必要なことですね。もちろん結構です。いつでも紹介状は書きますから大丈夫ですよ」
徹頭徹尾戦うのではなく、納得のいく人生につながるような治療
(大津秀一@入川保則『自主葬のすすめ』)
この人を信頼しようと思える自分を発見できた時の気持ちよさ。ましてや医師と患者の関係性においてはひとしおだ。