“ 治れば勝ち。死ねば負け・・・ ”
私の病気の診断書は、保険請求にしか使われていない。
自営業の強み(笑)。誰にも見せる必要がないのだ。
だから、私が癌であることを知っているのは数人の友人と家族だけ。
うすうす気付いたヤツが訊いてきたら「そうだよ。」と答えるつもりではいるものの、
いまいち、こちらからの「公表」はためらってしまうのだ。
日本経済のバブルがはじた頃から、ビジネス用語(?)として「勝ち組み」という言葉が使われ始めた。「勝ち組みに残れるように全社一丸となって・・・」って感じ。
右肩上がりの経済成長を続けていた時代のような
♪勝つと思うな 思えば負けよ~、なんて悠長なこと言ってられない。
会社の存亡を賭けた時代になってしまったのだから、まぁ仕方がないと言えば仕方がないのかなぁ~と、その頃は思っていた。
だが、今はもっとひどくなって来た。
企業再生の為の伝家の宝刀=リストラを御上も公然と推奨。有無を言わさぬ首切りやサービス残業は、仕方ないでは済まされなくなってきている。
もうこうなってくると「勝ち組み」意識は会社だけでなく、ジワッと個人に向けられる。
(会社に、社会に)生き残れる人間だけが勝ち、という意識。。。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『考えてみれば、医療現場では死は敗北として扱われている。勝利は治る、ことにある。そうした価値観はじつは社会全体にある。だから、がん患者は必要以上の複雑な悲しみと苦痛を耐えざるをえないのだ。しかし、これは怖いことだ。病むこと、死ぬことを排斥して成立する社会、元気であることだけが勝利と扱われる社会はじつは恐ろしいのだ、と私は直感した。』
【 柳原和子・著 “ がん患者学 Ⅰ”(中公文庫) より 】
私の病気の診断書は、保険請求にしか使われていない。
自営業の強み(笑)。誰にも見せる必要がないのだ。
だから、私が癌であることを知っているのは数人の友人と家族だけ。
うすうす気付いたヤツが訊いてきたら「そうだよ。」と答えるつもりではいるものの、
いまいち、こちらからの「公表」はためらってしまうのだ。
日本経済のバブルがはじた頃から、ビジネス用語(?)として「勝ち組み」という言葉が使われ始めた。「勝ち組みに残れるように全社一丸となって・・・」って感じ。
右肩上がりの経済成長を続けていた時代のような
♪勝つと思うな 思えば負けよ~、なんて悠長なこと言ってられない。
会社の存亡を賭けた時代になってしまったのだから、まぁ仕方がないと言えば仕方がないのかなぁ~と、その頃は思っていた。
だが、今はもっとひどくなって来た。
企業再生の為の伝家の宝刀=リストラを御上も公然と推奨。有無を言わさぬ首切りやサービス残業は、仕方ないでは済まされなくなってきている。
もうこうなってくると「勝ち組み」意識は会社だけでなく、ジワッと個人に向けられる。
(会社に、社会に)生き残れる人間だけが勝ち、という意識。。。
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『考えてみれば、医療現場では死は敗北として扱われている。勝利は治る、ことにある。そうした価値観はじつは社会全体にある。だから、がん患者は必要以上の複雑な悲しみと苦痛を耐えざるをえないのだ。しかし、これは怖いことだ。病むこと、死ぬことを排斥して成立する社会、元気であることだけが勝利と扱われる社会はじつは恐ろしいのだ、と私は直感した。』
【 柳原和子・著 “ がん患者学 Ⅰ”(中公文庫) より 】