76歳になる母の健康診断結果・・・肥満・甲状腺異常・糖尿気味などなどの中で、私が気になったのは腫瘍マーカーCEAの値が高かったこと。大腸や胃などの癌ので高値を示すといわれています。
糖尿は幸いにも治療するほどでも無い数値だそうで、甲状腺は欠かさず薬を飲みはじめました。肥満には運動、ということで、私の妹の勧めで週1回プールで歩くようになりました・・・これは本人も楽しいらしく助かります。
問題のがん検診。甲状腺の薬を飲み始めて1クールしたところで、やっぱ調べてもらおうよ、という私たちの提案に、バリウムはヤだからと胃カメラを、ということになりました。
胃カメラでは、友人が太鼓判を押し、カミさんも通う胃腸科の先生にお願いすることにしました。私自身は最初の胃カメラではかなりシンドイ思いをしたので心配でしたが「だいじょぶだったよ。最初だけであとは平気」という母の言葉にホッとしながらも、結構な数のポリープがあったらしく細胞診をしたそうです。その結果が今日、妹から知らされました。
良性、ということでした。便の潜血反応もなく、先ずはひと安心です。でも、CEA高値には妹も気になるらしく(早く次の検査・・・)と思ったらしいのですが、内科・胃腸科の医師、TB先生は「この甲状腺の薬がなくなったらもう1回血液を調べてみて、それでも高いようだったら他の検査をしようね」と母に語りかけたそうです。
患者は、安心感を得てから聞く医師の言葉や指示には素直に従います。脅されるように告げられると不信感が芽生えます。たとえ名医と言われる医師であっても患者との信頼がなければ治るものも治らないのではないか・・・逆に、治らないものであっても、医師との信頼関係が希望につなげる力に成り得るのではないか、と思うのです。
現代のがん医療を問う【柳原和子・著“がん患者学 Ⅲ”(中公文庫)】の「希望」という(うんざりするほどひどい医師のことが書かれていた)章があったのですが、そこに記されていた、著者の想いを感じる一節です。
糖尿は幸いにも治療するほどでも無い数値だそうで、甲状腺は欠かさず薬を飲みはじめました。肥満には運動、ということで、私の妹の勧めで週1回プールで歩くようになりました・・・これは本人も楽しいらしく助かります。
問題のがん検診。甲状腺の薬を飲み始めて1クールしたところで、やっぱ調べてもらおうよ、という私たちの提案に、バリウムはヤだからと胃カメラを、ということになりました。
胃カメラでは、友人が太鼓判を押し、カミさんも通う胃腸科の先生にお願いすることにしました。私自身は最初の胃カメラではかなりシンドイ思いをしたので心配でしたが「だいじょぶだったよ。最初だけであとは平気」という母の言葉にホッとしながらも、結構な数のポリープがあったらしく細胞診をしたそうです。その結果が今日、妹から知らされました。
良性、ということでした。便の潜血反応もなく、先ずはひと安心です。でも、CEA高値には妹も気になるらしく(早く次の検査・・・)と思ったらしいのですが、内科・胃腸科の医師、TB先生は「この甲状腺の薬がなくなったらもう1回血液を調べてみて、それでも高いようだったら他の検査をしようね」と母に語りかけたそうです。
患者は、安心感を得てから聞く医師の言葉や指示には素直に従います。脅されるように告げられると不信感が芽生えます。たとえ名医と言われる医師であっても患者との信頼がなければ治るものも治らないのではないか・・・逆に、治らないものであっても、医師との信頼関係が希望につなげる力に成り得るのではないか、と思うのです。
現代のがん医療を問う【柳原和子・著“がん患者学 Ⅲ”(中公文庫)】の「希望」という(うんざりするほどひどい医師のことが書かれていた)章があったのですが、そこに記されていた、著者の想いを感じる一節です。
「ねぇ、ここのところにがんがあるみたいなの。触ってみて?」・・・私は首を振った。
ミュージカル『キャッツ』のクライマックスの歌「メモリー」の歌詞を思い出した。
真夜中
街角に人影も消え、足音も聞こえない
月灯りが思いでを消し去ったのか
彼女は一人、微笑を浮かべる
街頭の灯り
彼女の足元に舞い落ちる枯葉が積もりゆく
風がうなりはじめる
思い出
月光を浴び、ひとりぼっち
彼女は過ぎ去りし日々をたしかめる
あの頃・・・・・
私は美しかった
幸福とは何かを知り、酔いしれていた日々
思い出よ、私をあの頃によみがえらせてほしい
街灯の瞬きが宿命の警告を告げる
誰かのつぶやきが聞こえる
街頭の灯りが流れてゆき
まもなく、あの朝が訪れる
夜明け
日の出を待ちこがれる
新しい人生を夢見よう
あきらめない
夜明けの到来とともに、今夜もまた思い出の一夜となって消えてゆく
新しい日々を迎えよう
くすんだ日々をすべて燃やしつくしたとき
朝の、あのわびしい冷たい香りに包まれる
街灯は消え、夜も終わる
新しい夜明け
おねがい、私にさわってくれないだろうか
私をおきざりにしてゆくのはたやすいこと
輝ける日々の思い出とともにひとり
私にふれてみたら、あなたはきっとわかるはず
幸福とは何か、を・・・・・
ごらん
新しい一日がはじまってゆく
(翻訳 柳原和子)
街娼として生きた老雌猫が歌い上げるあの歌だ。うす汚れ、誰一人、だきしめてもくれなくなった雌猫の孤独。
究極の医療とは、もしかしたら・・・・・。
ふっと、私は思いなおし、そして彼女の導くままに腋の下の突起に触った。