a lively time

ハラハラドキドキ、ワクワクソワソワの毎日。

DNA複製阻止

2010年03月25日 | 病状経過
オペ前日の手術説明で、病状を述べた後にAK先生はこう続けた。
「前回の手術とその後の治療について、反省点が、二つあります」

①は部分切除であったこと。
「胆管に近い部位だったので大きく取りきれなかったのもあるけれど、肝機能も良かったのでもう少し大きく採るべきだったのかなと」
今回も肝機能は良好なのでかなり大きめに(S2を含めて)切除することは可能とか。
「ただし、前回の手術で胆管がむきだしになっていることも考えられるので無理はしませんが、S3は全領域を取る予定でいます」
無理はしない。安全第一に考えますというAK先生の姿勢は嬉しい。根治治療の手術とはいえ、そこで無理されて死にたくない。(その時々、生かされるだけで有難いのだ)

②は抗ウィルス剤を使用しなかったこと。
「HBV-DNA検査でウィルスの活動がさほど活発ではなさそうだということで、一度は考えた抗ウィルス剤の服用を行わなかったこと」(・・・ぼくが積極的に望まなかったのだが・・・)
今回入院後の同検査では前回手術前の値(4.0)から6.9に上がったいたらしい。これが今回の発がんに関係しているとすれば、この手術後には抗ウィルス剤の服用は必須であろう、ということだった。

①は予定通り無事に終った。
そして②は、突然はじまった。術後ちょうど7日目の消灯時間直前に「寝る前のお薬ですよ~」と看護師さんが届けてくれた。
「・・・?新しい薬?聞いてないですけど・・・もしかして、バラクルード?」
MO先生があわてて病室に駆けつけて来てくれた。
「ごめんなさい。抜糸の時に言い忘れちゃってて・・・抗ウィルス剤を始めたいと思います。」
エンテカビル・バラクルード錠・・・概要は知っているつもりでも医師からの詳しい説明は聞いていなかった。
それから30分ぐらいかな、MO先生の説明を聞く。
・・・
◎ウィルスのDNA転写酵素に働きかけてウィルスの増殖を阻止する薬
◎1日1錠、食間に服用。つまり空腹時・・・食後2時間以上たってから服用し、服用後2時間は食事をしない。
◎飲み始めて途中で止めた場合はウィルスが増えてしまうので継続して服用。薬代は1ヵ月一万円程度。
◎2006年に認可された薬で、この前に使われていたラミブジンという薬より効果があり耐性の危険性もほとんどなく重い副作用もない。副作用と思われる吐き気や下痢などの症例は約5%ほど。
◎バラクルードの服用でHBVが無くなったという症例は多い。
◎HBV-DNA検査の値は1増えれば2になるのではなく×10、つまり一桁増えているということ。今回かなり増えているようなので服用を勧めたい。
・・・
6年前には「C型肝炎にはインターフェロンがありますが、B型肝炎ウィルスに効く薬はありません」と言われた。
今ここでこのような薬が承認され臨床的に用いられていることは非常にラッキー!なことだと思った。
この薬に発がんリスク低減の望みをかけることにした。
まさに三度目の正直となることを願って・・・

2010年3月3日以降、ぼくはいたって「健康的」だ。
バラクルード服用前後2時間食事はしない、となると、就寝前に服用するしかない。つまりは夕食後2時間モノを食わないのだ。
小腹が空いたと寝しなまでポリポリ何か食べていたのが嘘のような生活になったのである。
相変わらず闘病という意識はないけれど、少しは「治療中」なんだという自覚ができてきたような気がしている(笑)。
精神的にもこれは良い!

手術前の禁煙

2010年03月23日 | 病状経過
入院時の看護師問診に、ぼくは素直に「今朝、ここに来る前に一服してきました」と答えた。
その情報は即時に電子カルテに書き込まれる。
「手術するのに入院当日まで喫ってたんですって!信じられな~ぃ」と直接言ってくれる素直な看護師さんがいた。それを聞いてからスタッフステーションの前を通る度に感じる白眼視線(笑)。

その素直なTB看護師が抜糸(今回はホッチキス抜き)時の担当だった。「またぁ~、なんか責められてる目を感じるなぁ~」
「いやいや~、タバコのことなんか言ってないじゃないですかぁ~」とちょいと嫌味っぽく笑う。
それを聞いていたMO医師までが「・・・ぼくも煙草のことは言ってないよ」と笑う。そしてちょっとマジになって
「まぁでも、中途半端に止めなくて良かったかも・・・」
「また、先生!」とTB看護師。
「まぁ止めた方がいいんだけど、吸ってた人が禁煙して一週間目ぐらいが一番痰が出やすい時期なの。そこで手術だときつい。そういった意味で中途半端じゃなくって良かったのかな・・・と。止めるなら一ヶ月前!だよ。」
(こいつは退院したらまた喫うだろうなぁ)と思われていたのか?・・・案の定だが・・・(^_^;)
で、ここも素直に「はい!次回はそうします!!」
「まったくぅ!」とTB看護師に笑われてしまった。

「高分化」新発がん

2010年03月19日 | 病状経過
午前8時にオペ室に入って午後3時前にはICUで家族と会えた。
早朝からカミさんと来てくれた末娘が家族待機室で爆睡していた間の患部摘出(笑)。3回目の開腹も、有難いことにひどい癒着もなく無事に終った。
「日頃の行いの賜物ですよ」とAK医師は笑うけど、日頃の身体的行いといえば・・・日に一回のストレッチ、週に一度のプール、毎日欠かさぬ酒・タバコ(^_^;)
癒着を防ぐ生活習慣や食生活の決め手がないとすれば、前回の開腹時に貼り付けたらしい癒着防止フィルムの効果と考えるのが妥当かな。。。ん?でも最初の手術時にはそのセプラフィルムは用いなかったのに前回もさほどの癒着がなかったというから・・・わかんないや。

退院後初外来で手術の経過と病理検査の結果を聞く。
一個だけあるがんの部位(S3)の領域切除。・・・前回はS2,S4に各一個ずつあったがんのみをえぐり取っただけだったが、この度は広域にS3領域を全て切り取った。
今回オプションの先端医療「画像ナビゲーション」によると切除部位の大きさは肝臓全体の12.6%だとか。
がんの大きさは13㎜。病理検査のリポートでは「高分化」・・・つまり、より正常な肝細胞に近いがん、ということ。ちなみに前回は「中分化」、6年前の報告書には「低分化」と書かれていた。このことから、「今回も前回も、再発・転移ではなく新発」そしてまた「低から高へと、いい状態のがんになってきてますね」とのこと。
突然発がんするB型の場合、そのスイッチが入ってしまう要因は不明でも、出来たものがだんだんイイ顔になっているんだから、喜ぶべき!なのか?・・・わかんないや。

外来検査。お腹のレントゲンもガスなどの溜まりもなく異常なし。
血液検査もGPTが49Hのほか特に異常なし。
エコーの画像から「上を向いた肝臓の切断面に胃か腸か十二指腸あたりが乗っている様子」だという。・・・でも排便は正常ですよ。「下へ行っちゃえばなんともないでしょうが、これだとちょっともたれ感があるかも」・・・どうりで!直ぐに満腹になる。「まぁ、長くは続かないとは思いますが・・・」
とりあえず、ぼくの腹の中を見知っている医師に頼るしかない。自分の腹でありながら、どうなっているのかうまく想像できない。

いずれにしても、退院後も順調。ロキソニンもこれまで3錠しか服用してない。縫合痕のゴソゴソビリビリ感と時折り感じる圧痛をやりすごしながら、毎日定時まで仕事をこなしている。
が、退院後の最も長いお散歩となった通院。ポカポカ陽気に誘われて駅から病院までの往復を歩いちまったけど、さすがにちょいとシンドかったなぁ~。腹が固まっちまったぜぃ(+_+)

ICUで四種混合

2010年03月08日 | 病状経過
2/24オペ室で覚醒し第2ICUへ。
今回は血圧測定がモニターされてなかったのは大助かり。
足を上げたりグーパーしたり
看護師さんに再測定してもらったりして
80アンダーもなく無事に一晩過ぎ
2日目の歩行練習なんかもスイスイ(!)
・・・ところが、その晩
モニター恐怖症から逃れるために睡眠剤の点滴を所望し
熟睡していた午前3時・・・突然腹が!!

あの!激痛である。
硬膜外麻酔を止められた時と同じ激痛。いや、それ以上か!?
今回は背中からの痛み止めは止められていないっていうのに・・・
なんで!こんなに!!痛いんだ!!!
体に看護師さんの指が触れただけでも
お腹全体がしびれるように痛む。背中まで!
ど、ど、どーしたんだーーー(異常事態かぁー!)

先ず点滴で痛み止め
一所懸命に痛がるぼく
続いてロキソニン
まだまだ唸る
最後に座薬のボルタレン
3、4時間位の間に痛み止めを4種類!

痛みが落ち着いたころで
今回の主治医チーム担当医MO先生登場。
「どうしたんですかね?」と
エピの流量を3→5に上げてくれた。

どうしたんですかね?(笑)その後、痛みはない!
レントゲンも血液検査も異常がない。
その二日後にエピを抜いたけど
痛み止めの服用は日に1錠。それも予防的に飲む程度。
経過も良好!だし・・・
マジどーゆーこちゃっろ?
前回に続く「悶絶激痛」。。。

ぼくの回復パワーを引き出すための
気合い入れの試練なのかもしれない・・・!?
だとしたら、よし!今回もその試練に勝ったぞ!
予定通り、明日59歳の誕生日
何の異常もなく、心配もなく、退院するぜぃ!!

相談支援

2010年03月05日 | 医療について
病院内にある「がん相談支援センター」
その相談室を出た途端に堪えていた涙が溢れた。
カウンセラー(?)のSTさんとお話をしたのは
ほんの20分、いや、15分程度だったんじゃないだろうか。

“働き盛りのがん”・・・つまりは仕事と病気。
そんな相談事例を聞きたくて入ってみた「相談センター」
互いに多くは語らないしSTさんも余計にコトは訊いてこない。
ぼくが話す。
ぼくの話も気持ちも充分に理解されている、と思った。
STさんの言葉が、とても嬉しくぼくに届くのだ。
ただ聞いてくれてるだけじゃない
そうすべきだと進言されてるわけでも決してない・・・

こんな奇跡的な会話をしたことが
今まであっただろうか?
あまりの嬉しさに泣きそうになったので席を立ったのに、
やっぱ涙が溢れてしまった。。。

STさん、ありがとうございました!

ストレス!?

2010年03月02日 | つぶやき
仕事が出来ない境遇なのに
ベッドテーブルに注残リストとカレンダーを広げて納期調整
病室とラウンジを行ったり来たりしながらカミさんとお得意さんに電話。
いつ仕事に掛かれるのかも定かではないのに
厳守納期をお客さんに約束してる

ん?…
なんで俺はこうも真面目なんだ、と思えばストレスだけど
見方を変えりゃ…ええ加減なヤツなのかも(?)…俺!(爆)