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ユダヤ人を匿う :ウゴ・ラッタンツィ神父 教会の忠実なしもべ

2023-04-07 02:57:28 | ウゴ・ラッタンツィ神父
『ウゴ・ラッタンツィ神父 教会の忠実なしもべ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ、19

 それに、彼は、人を助けるためなら、命さえも危険に晒すこともやってのけるのでした。

 ヒットラーのユダヤ人虐殺の影響を受けたイタリア政府えさの軍人たちが、たえず餌をねらって目を光らせています。それで、ユダヤ人だった、ある教師は、生きた心地もありません。逃げまどうこの人を、ウゴ神父は、自分の司祭館にかくまいました。

「ねえ、いいですか、決して司祭館を出てはなりませんよ。あなたが、ここにいる限り、私はきっと、あなたを守ってみせます」と言ったウゴ神父こそ、危険極まりない立場にいたのです!

 教会のあの大きな財産の主な物は、広い畑でした。そこには、たくさんの人々が働いていました。でも、そのやり方と言ったら、まったく原始的で、無気力で、収益は少なくなる一方です。積極的なウゴ神父は、自分で畑を見回って、考えました、『これじゃ、うまくいくはずがない。よし、私が、決定的な改革をはじめよう』と。

 彼は、さっそく信用も才能もあるひとりの人を管理人にして、協力を願いました。主任司祭の負担で、着々と改良策が実施されましたが、結果は素晴らしく、その地方全体の手本となったほどでした。

 こうして教会には、十分すぎるほどの財産があります。でも、他の教会は非常に貧しく、十分な活動のできない始末です。彼は、司教さまを訪ねて、自分の教会の財産の分配を願い出ました。

「ああ、なんと無欲な愛の司祭だろう!」司教さまは、すっかり感嘆して、大喜びで承諾しました。ウゴ神父のこの手本は、やがてイタリア中に影響を及ぼしました。多くの教会財産が今までより、もっと平等に分配されるようになったのでした。







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