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共産主義の脅威 :ウゴ・ラッタンツィ神父 教会の忠実なしもべ

2023-04-17 06:59:36 | ウゴ・ラッタンツィ神父
『ウゴ・ラッタンツィ神父 教会の忠実なしもべ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ、22

 公会議の前後も、その進行中も、ウゴ神父は、正しい信仰を守るための記事をいろいろと書きました。

 その記事は、主として、教皇立大学の雑誌、あるいは、単行本としていろいろの出版社から出ています。

 その中のあるもの、とくに教墾の首位権と聖書に関するものは、スペイン語にも、フランス語にも翻訳されています。その翻訳を別にしても、彼の著は、全部で50点にものぼっています。

 1953年、ウゴ・ラッタンツィ神父は、「危険にさらされた酉洋」という本を出しました。当時は、ヨーロッパでは、共産主義の宣伝がさかんで、力トリック信者のなかにも、この罠にかかるものが少なくありませんでした。ウゴ神父は、共産主義の真の姿をみんなに示してやる必要を感じました。こうして出したのがこの本です。これは、2部から成り立っています。

 第1部には、「約束する共産主義」というテーマで、レーニン、スターリン、ソ連の憲法だけにもとずいてしらべてみると、共産主義は、素晴らしいことを約束していると述べています。

 しかし、第2部では、「実際の共産主義」をテーマにして、同じレーニンとスターリンとソ連の憲法にもとずいて、どれほど共産主義が世界を裏切ってきたかを述べています。

 しかし、これについては、いろんな議論がかわされ、たびたび彼は.「でも、ウゴ神父さま、共産主義についての悪業の噂は、あなたの讒言にすぎませんよ」と言われました。それで、彼は、そこに書いたことを証明するため、たびたびロシア語原文のコピーをこの本の中に入れたりしました。

 やがて、イタリアに大きな問題をまきおこしてしまいました。あるときは、種々の力トリック新聞でさえ、この著書を共産党讒言の書と非難するほどだったのです。ウゴ神父も、そのたびに、いろいろの記事をもってこれに答えました。彼は、この記事のなかで、かの新聞記者の悪意と矛盾した論証を訴えています。

 彼、ウゴ神父は、まもなく、大変なことに気づきました。それは、イタリアの政治界では、まだ十分に共産王義の危険を理解していないということです。もうこれ以上、黙ってはいられません。彼は、またしても、本を書きました、それは、「イタリアよ、どこへ行くのか?」という予言的な本です。

 しかし、それだけでは、まだ足りなかったのです。当時の教会にも、既に沢山の謬説が、流行していました。

 彼は、これに反対して、聖職者に警戒を促す本と記事を熱心に書き続けました。

 どんなに疲れても、大きな危険の迫っていることを考えると、どうしてもペンを離して休息することができなかったのです。それに彼は、教皇立ラテラン大学で教えるという重大な仕事もあります。あまりの仕事に追われる毎日で、ついに彼の健療も蝕まれていきました。日に日に体は弱っていきました。ついには、生まれ故郷に近いフェルモ市の病院に入院するほどになってしまったのです。それは、教会憲章発布のあの光栄の日から、ちょうど4年目でした。

 教会憲章の作成に協力できただけではありません。その案の危険な箇所を指摘することに成功したのです。しかも、その労を教皇パウロ6世は認め、大きくねぎらわれたのです。これは、なんといっても、大きな慰めとなる思い出となっていました。






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