Vanteyのアース線(もしくは枯れた資料帳)

怠け者のウィキメディアン・Vanteyの、脳内が帯電してきた時のはけ口。非百科事典的。過度な期待はしないでください。

「たまゆら」上映イベント ~それは、素敵な不思議~。 今更レポート

2010-10-12 17:01:28 | イベントレポート
佐藤順一監督が手掛ける新作オリジナルアニメ『たまゆら』が、とてもよいです。
パッケージソフトの発売は来月なのですが、これまでに数度にわたりCS放送・先行上映会・インターネットストリーミング配信で第2話までの上映が行われています。

安芸の小京都とも云われる(*1)瀬戸内の広島県竹原とその周辺を舞台に、引っ込み思案で写真撮影好きな高校1年生と、彼女をとりまく人たちの日常とささやかな夢を描いた物語です。
アクション・バイオレンス・お色気・萌え媚び・ギャグ・恋愛とかは無いほのぼの系で、アニメに興味のない方やご家族でも観れる仕様となっております。初期ジブリ作品や『ARIA』とかが好みな方なら弩ストライクなのではないかと。ほのぼの系がだめな方には申し訳ありませんが。

なお主演は竹達彩奈さんですが、2010年10月期の各新作テレビアニメの1話を一通り観て勝気でバイオレンスな竹達キャラ(*2)を相次いで見せられ「もう竹達声は食傷だお…」という向きにも安心してご覧いただけますw。
(小生はこれらも結構楽しんでますよええ。どんと来いです)
それらの作品でみられたウザキャラのポジションは本作では、ウザカワな役が鉄板の "安心のウザさ"・井口裕香さんが担当してくれています。
あやち×ゆかちといえば霧谷希と梅ノ森千世ですね。ついこの前までこの二人でウェブラジオやってました。てか『迷い猫オーバーラン!』の最終12話はTYOアニメーションズのグロス回で、 監督・絵コンテ: 佐藤順一 だったではないですか。好きって言ったらジ・エンドにゃん。



OPテーマが坂本真綾さんの歌う『やさしさに包まれたなら』(曲名からもわかる通り、ユーミンの1974年の曲のカバー)である時点で、初期真綾リスナーであった小生はノックアウトです。
驚いたのは、編曲がDEPAPEPEであった事。なんとサクサカー黄金コラボですよ。

DEPAPEPEはかつてテレビ神奈川の音楽バラエティ番組『saku saku』に、ビデオ出演のコーナー「デパペペのインストde委員会」を持っていました(たまに番組にスタジオゲストで出演することも)。
そして同番組の2005年11月17日放送分にて「東京都にお住まいの坂本真綾さん」が番組の一視聴者としてメールを読まれたことがあり、その時のメールの内容が「先日放送された「デパペペのインストde委員会」に出てきたプラネタリウムでナレーションをしてるのは私です。」というものだったのです。
まさに saku saku が結んだ奇縁、素敵な不思議といえましょう。
このメールではあと、サクサカー(saku saku の愛好者)歴が約1年であること、そして自分はスター・ウォーズ新三部作(エピソードI~III)のアミダラの日本語吹き替えをやっていることにも触れていました。
番組MCの白井ヴィンセント(の中の人)は熱烈なスター・ウォーズファンであることを番組内で度々公言していましたから、大変驚くとともに興奮していました。
あの時はリアルタイムで番組を観ていた小生も思わぬ投稿者に興奮していました。

   *  *  *  *

話が逸れました。
旧聞になりますが、2010年9月30日夜に都内映画館で『たまゆら』1・2話の先行上映会&トークショー『「たまゆら」上映イベント ~それは、素敵な不思議~。』が開催されました。
これが第2話の初公開となるということで、足を運んできました。





ネット上には既に複数のレポートが来ていますので、イベントの模様全体についてはそちらをお読みいただくとしましょう。

「たまゆら」東劇上映会&トークショーレポート ~痛フェリー出航!?~
http://d.hatena.ne.jp/shootingray/20101001/1285859668
 (rtyping@寝モバ 2010年10月1日 0:14)

「たまゆら」上映イベント ~それは、素敵な不思議~。
http://yaplog.jp/sanka_kiroku/archive/332
 (いべんとさんかきろく 2010年10月1日 2:56)

売りスレ民による「たまゆら」上映イベント 【~それは、素敵な不思議~】レポ
http://urisuretokauwasatoka.blog134.fc2.com/blog-entry-1701.html
 (売りスレまとめR 2010年10月1日 2:41)

そこでこちらは今更のレポ投下ということで、小生が印象に残ったところや上掲レポで触れられていない部分などを中心に順不同で書いていきます。なお一部の話題は尺の都合で飛ばします。



会場キャパは435席全席指定。当日の作品公式と劇場サイトでまだ空席がある旨の告知があり、当日券も出ていたようです。
結局満席になったかどうかは不明ですが、かなり埋まってはいました。小生のいたのは半分より後方でしたが、少なくとも何列か後ろにも入ってました。
なお上映後のトークショー開始時、出演者の佐藤順一監督と志保美りほ役・葉月絵理乃さんは客席(このシートマップの J列9・10 か K列6・7 辺りだったように見えた)から現れましたので、売り出された席数は(このような関係者席などがあったとみられるため)約430席だったことになります。監督と葉月さんはこの客席で、開演から他の観客と一緒に観てたのでした。

トークショーの司会は桜田麻音役・儀武ゆう子さん。
小生はデビュー直後の儀武さんを2006年4月2日の『こいこい7』第2話先行上映会で見たことがありましたが、現在も当時の印象のままの(いい意味で)かしましい方でした。
ですがそれだけではなく、時には監督にタメ口だったり、かと思うと出演者の言葉を拾ってすぐに上手く返したりと、司会スキルが非常に高いことには正直驚かされました。何でも笑える方向に持って行けるし。

儀武さんからはまず最初に撮影録音禁止の注意があり、そして「思い出は、瞳のシャッターを閉じて心のアルバムに。」 初っ端から上手いことを。

この日は開演時刻になっても着席率が悪く、上映開始が少し遅れたのですが、その原因は「まさかのポップコーン渋滞」(儀武さん)。入口横に〈本日ポップコーンMサイズをお買い求めの方にたまゆら特製コースターをプレゼント!〉という張り紙があったため、入館後まず売店の購入列に並んだ人たちがなかなか着席できなかったというわけ。

因みに件のコースターは直径 90 mm 、厚さ 0.9 mm 。

地上波での放映も無いオリジナル作品で、事前には「半分入れば御の字ですね、みたいな話をしていた」そうですが、葉月さんは「前3列ぐらいしか埋まらないんじゃないかと思ってました」。
監督「たまゆらなめんな!」 ―名言キタコレ。これは後日あちこちで引用されることに。

遅い時間のイベント(21:00 - 22:30)で、都内在住のお客さんじゃないと帰れないだろうと心配し、儀武さんが「都外からの人」に挙手を求めたところ、約半分が該当。中には今晩泊まるという人もいたようです。
まあ平日のこんな時間にイベントやる方もやる方ですが、それを大して苦にもしない人がこれだけ集まるのも東京ゆえか。

大スクリーンで鑑賞して、監督は「(自分らにも)めったにない機会。描いてる画の数百倍の拡大率で映るので、細かいとこまで見られるのでドキドキだった」
葉月さんは「完成版を初めて観たけど、大スクリーンだと建物がまるでそのものの大きさで、、」
儀武さんは「口がよく見える」 ―いつも小さい画面で口パクに合わせる仕事をしてるが故の着眼点です。

口下手なので口笛で感情表現するキャラを演じる儀武さん「口笛も大音量だと上手く聞こえる」監督「変わんないよw」
儀武さん「そういえば〈口笛は男子のスキルだ〉っていう説があるんですよ。女子に聞いて回っても、吹けないって人が多くて。これはイベントやる度にアンケートとってるんですけど」
「メインのあとの3人の子たちもできないんですよ」葉月さん「私もできないよ」
そこで観客に「口笛を吹ける人」の挙手を求めたところ、大半が挙手。「会場の9割以上ですねぇ」
「(儀武さんの出身地の)沖縄ではどっちかというと指笛ですね。私は指笛はできないんですけどね」
監督「そういえばオーディションの時から吹けたよね」儀武さん「役が決まってからは毎日吹くようにはしてます。お風呂で」
「〈口笛で気持ちを表現してください〉という指示で、最初は曲で練習したりしてたんですけど、ボリューム小さいしピッチは落ちるし、でフラストレーションが溜まってって、チクショーチクショー!ってなったりしてたんですよ」

「葉月さんは、写真を撮るのが趣味だそうで」「それ、誰情報ですか?」「台本です!」(キリッ
葉月さん「ただ単に好きなだけで、趣味ってほどじゃ… デジカメなんですけど。10年くらい前、デジカメがようやく(価格的に)手が届くようになってきて、やっと買ったのが130万画素のやつで、電池も単3電池4本とかので。」
「すごい撮ってて、空の写真とかも撮って。なんで人って空の写真撮るんですかね?」 と周囲や会場に同意を求める
空の写真に反応した監督「えっ、そうなの!? 言ってくれれば(劇中で)使ったのに」
儀武さん「発売は11月だし、差し替えちゃいましょうよ!」監督「今からだとブルーレイの(プレス)機械止めなきゃいけないから」
葉月さん「昔のデジカメって、今のと違って全然綺麗に写らなくて。だからいろいろ研究しながら撮ってて」
「昔はよかった。今のってすごい性能いいんですよ。何の工夫もしなくても綺麗に撮れちゃう。もうテクニックいらない。飽きてきちゃった。」
「工夫しながら撮るのがよかったんですよ。今でも撮りますけど、スナップとかばかりですね。お仕事の後みんなで、とか」
(公式のリレーフォトにある)「あれもそのデジカメで撮りました。小川にかじりついて」

儀武さん「たまゆらって撮れます?」葉月さん「私いっぱい撮れるよ」一同「!!」
葉月さん「カンタンだよ?」儀武さん「まさかのたまゆらちょろい発言ですよ!」監督「俺撮れないよ」
葉月さん「場所にもよるんですよ、撮れる場所っていうのがあって。今度案内しますよ」監督「それ、青山墓地とかじゃないよね?w」
監督「そういえばこの前、ラジオの収録のとき」儀武さん「阿澄(佳奈)さんの撮った写真に白いぼやーっとしたものが写ってて、これたまゆらじゃないかって」監督「俺の顔がたまゆらのように写ってたという…」ww

BD/DVD には音声特典としてキャラクターコメンタリーを収録。
キャラクターコメンタリーってのは、オーディオコメンタリーをキャラクター達が役になりきった状態でやるもので、昨年辺りから日本のアニメソフトで流行し始めたものです。そのためフリートークではなく、基本、 "完全台本" となります。キャラクターコメンタリーの手法を総集編の演出に逆輸入したのがあの『迷い猫オーバーラン!』13話だった訳で。
そして2話の終盤部分のそれをプレビュー上映。ちゃんとキャラが喋ってます。邪魔にならない感じで本編の補完になってました。
なぜこれをやったのかという問いに、監督「流行りに乗っかったんです」 ―ってぶっちゃけてるw
監督「背景に実在の土地や建物を使ってるので、その解説も入ったり。(本編で)使えなかった設定も自然に付加できる」
監督「台本は私が書いています」儀武さん「台本なんてありません!キャラクターたちが自然に喋ってるんです!だから収録も30分で終わりました!監督が自宅でVを流しつつ、物真似しながら台本書いてたり決してしてませんから!」

ARIAの音楽は「泣きたくなるほど素敵な音楽」を、対して本作は「懐かしくてかわいい感じ」の音楽を、ということで発注したとのこと。
因みに『たまゆら オリジナルサウンドトラック』(音楽: 中島ノブユキ、フライングドッグ VTCL-60234、3,045円)は2010年12月22日発売予定。BD/DVD 2巻発売の前日です。

葉月さん「きょうは雨の中、遅い時間に来てくださってありがとうございました。私、究極の雨女なんです。すみません、きょうの雨は私のせいです」
儀武さん「そういうこと言っちゃうとイベントに呼ばれなくなりますよw」葉月さん「降ってほしい地域があれば、ぜひ呼んでください」
監督「最近イベントが多くて喋る機会も多いんだけど、雨も多い。俺も雨男疑惑があるんですよ。儀武さんとうみもの(『うみものがたり ~あなたがいてくれたコト~』)のロケ行ったときも、阿澄さんと奄美に行った時も、最近大分に行った時も(次作の舞台?)、ヴェネツィアでも降られたし」

最後に10月10日に竹原市で開かれるイベント「たまゆらの日 ~ようこそ、あたたかな町へ~」の詳細など。(劇中登場店のモデルとなったお好み焼き店)ほり川のオリジナルメニューは竹達さん・儀武さんのプロデュースで松来未祐さん(地元の呉市出身)監修、デザートは阿澄さん・井口さんのプロデュースになるとか。
おかげさまで竹原イベントは晴天で成功裡に終わったようで、既に各所で話題になっていますね。
「あと、たまゆらのラッピングフェリーというのが登場します。皆さん痛車とか乗るんでしょ?」 ―そこで会場にその振りはねーよwwww
きょうの客にどんだけハイスペックなオタばかり想定してんだww ←実際10日の竹原に痛車が複数来てたらしいから困る
儀武さんがこんなだから、誰も口に出してない "痛フェリー" なる新語がこの晩以降ネットに飛び交うようにw


そんな感じで、雰囲気も良くて素敵なイベントでした。
そして儀武無双でしたw。そうなったのも素敵な不思議。

ロビーにあったSDキャラの大型POP。左からのりえ、かおたん、ぽって、麻音。
終演後は開演前(上掲写真)と別の場所に移され、お客さん方の被写体になっていました。
ぽってとかおたんの位置が開演前と入れ替わってますね。




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(*1) = 作中および公式の作品紹介中では特にこうした文言はない。なお、山口県柳井と広島県尾道も "瀬戸内の小京都" と呼ばれることがある。
(*2) = 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』『えむえむっ!』主演、『神のみぞ知るセカイ』1人目のゲストヒロイン役

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アニメたまゆら・公式サイト
http://tamayura.info/
アニメたまゆら・公式サイト

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Summary of images:
Description = 「たまゆら」上映イベント ~それは、素敵な不思議~。
Date = 2010-09-30
Source/Author of photographs = Vantey
Source of pictures = 飯塚晴子
Author of pictures = (c) 佐藤順一・TYA/たまゆら製作委員会
Permission of pictures = 日本国著作権法32条1項に基づく引用
License of photographs = CC-BY-2.1-JP, Trademarked
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