【第ニ十条】
【現行】
第二十条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
② 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
③ 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
【自民党改正案】
(信教の自由)
第二十条 信教の自由は、保障する。国は、いかなる宗教団体に対しても、特権を与えてはならない。
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3 国及び地方自治体その他の公共団体は、特定の宗教のための教育その他の宗教的活動をしてはならない。ただし、社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超えないものについては、この限りでない。
【変更点】
「何人に対してもこれを」の削除
「政治上の権力を行使してはならない」の削除
「宗教教育」→「特定の宗教のための教育」
「その機関」→「地方自治体その他の公共団体」
「社会的儀式又は習俗的行為の範囲を超えないものについては、この限りでない」の追加
【解説】
政治上の権力を行使する宗教団体を認める。
「儀式(ぎしき)」
特定の信仰、信条、宗教によって、一定の形式、ルールに基づいて人間が行う、日常生活での行為とは異なる特別な行為をいう。宗教的色彩の薄いものは式典とも称される。
(社会的儀式の例)
お宮参り、成人式、結婚式、葬式
入社式、入学式、感謝祭、慰霊祭
開会式、表彰式、閉会式
「習俗」
伝統的な社会的しきたり
入学式や卒業後において、特定の宗教教育や宗教的活動が許される。
→「日の丸・君が代」の強制が可能になる?
【第ニ十一条】
【現行】
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
【自民党改正案】
(表現の自由)
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。
2 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。
3 検閲は、してはならない。通信の秘密は、侵してはならない。
(国政上の行為に関する説明の責務)
第二十一条の二 国は、国政上の行為につき国民に説明する責務を負う。
【変更点】
「これを」の削除[目的語の省略]
第1項の2の新設
第2項の新設
【解説】
「公益及び公の秩序」の解釈により、すべての結社が制限される。
(治安維持法)
第一條 國体ヲ變革シ又ハ私有財產制度ヲ否認スルコトヲ目的トシテ結社ヲ組織シ又ハ情ヲ知リテ之ニ加入シタル者ハ十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
前項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第二條 前條第一項ノ目的ヲ以テ其ノ目的タル事項ノ實行ニ關シ協議ヲ爲シタル者ハ七年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
説明責任の明記