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カープ君の部屋

カープファンですが、カープの記事はありません。目指せ!現代版「算額」

【第九十一条・第九十二条】

2022-08-14 12:21:22 | 日本国憲法改正草案を読む
【第九十一条】
【現行】
第九十一条 内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。

【自民党改正案】
(財政状況の報告)
第九十一条 内閣は、国会に対し、定期に、少なくとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。

【変更点】
「及び国民」の削除
「少く」→「少なく」

【解説】
主権である「国民」に対して報告義務がなくなる。内閣と国会だけの密室政治につながる。
国の財政状況の知らされないまま、次の予算が提示される。嘘の財政状況が流布する可能性がある。



【第九十二条】
【現行】
第九十二条 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。

【自民党改正案】
(地方自治体の種類、国及び地方自治体の協力等)
第九十三条 地方自治体は、基礎地方自治体及びこれを包括する広域地方自治体とすることを基本とし、その種類は、法律で定める。
2 地方自治体の組織及び運営に関する基本的事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律で定める。
3 国及び地方自治体は、法律の定める役割分担を踏まえ、協力しなければならない。地方自治体は、相互に協力しなければならない。

【変更点】
第1項の追加
「地方公共団体」→「地方自治体」
第3項の追加

【解説】
「地方公共団体」と「地方自治体」
「地方公共団体」は、憲法で使用されてるので、憲法及び法律により使用されている。
一方「地方自治体」は、「地方自治法」という法律の存在や地方公共団体が行う運営のことを「地方自治」と呼ぶことが多いため呼ばれる。
しかし、法律上は「地方自治体」という名称は存在しないため、すべての法律や書類等を書き換える必要が生まれる。
「地方自治法」内でも、「地方公共団体」が使用されている。

地方自治体=基礎地方自治体+広域地方自治体
「地方自治法」には「広域連合」があるが関連の有無は不明。「広域地方自治体」の概念が不明のまま、憲法が改正されるのは?

第1項の種類は、第2項の「地方自治体の組織」という言葉に包含できるのでないか?
別々の法律で規定されないと思うので。

特段、「協力」を義務付けているのは何故?

【第ハ十九条・第九十条】

2022-08-13 12:19:27 | 日本国憲法改正草案を読む
【第ハ十九条】
【現行】
第八十九条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

【自民党改正案】
(公の財産の支出及び利用の制限)
第八十九条 公金その他の公の財産は、第二十条第三項ただし書に規定する場合を除き、宗教的活動を行う組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため支出し、又はその利用に供してはならない。
2 公金その他の公の財産は、国若しくは地方自治体その他の公共団体の監督が及ばない慈善、教育若しくは博愛の事業に対して支出し、又はその利用に供してはならない。

【変更点】
条文構成変更
①宗教上の組織及び団体
②慈善、教育若しくは博愛の事業

「第二十条第三項ただし書きに規定する場合を除き」の追加
「公の支配に属しない」→「国若しくは地方公共団体その他の公共団体の監督が及ばない」

【解説】
第二十条第三項
3 国及び地方自治体その他の公共団体は、特定の宗教のための教育その他の宗教的活動をしてはならない。ただし、社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超えないものについては、この限りでない。

特定の宗教団体には、社会的儀礼又は習俗的行為を越えないものに対しは、公金その他の公の財産を使うことが許される。
社会的儀礼や習俗的行為とは? その判断基準?



【第九十条】
【現行】
第九十条 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
② 会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。

【自民党改正案】
(決算の承認等)
第九十条 内閣は、国の収入支出の決算について、全て毎年会計検査院の検査を受け、法律の定めるところにより、次の年度にその検査報告とともに両議院に提出し、その承認を受けなければならない。
2 会計検査院の組織及び権限は、法律で定める。
3 内閣は、第一項の検査報告の内容を予算案に反映させ、国会に対し、その結果について報告しなければならない。

【変更点】
文章の構成の変更(主語)
「すべて」→「全て」
「法律の定めるところにより」の追加
第3項の追加

【解説】
「法律の定めるところにより」
時の政府が自由に操作できる。


決算行政監視委員会(けっさんぎょうせいかんしいいんかい)は、日本の衆議院における常任委員会の一つ。国会法第41条2項15号に規定される。
決算行政監視委員会は、衆議院のみに置かれる常任委員会であり、第141回国会(1997年)まで設置されていた決算委員会を発展的改組した性格を有す。

決算委員会(けっさんいいんかい)は、日本の参議院における常任委員会の一つ。国会法第41条3項14号に規定される。

行政監視委員会(ぎょうせいかんしいいんかい)は、日本の参議院における常任委員会の一つ。国会法第41条3項15号に規定される。
行政監視委員会は1998年参議院改革の一環として、参議院に期待される行政監視機能を向上させるために設置された。


(国会法 第41条2項15号&3項14号)
第四十一条 常任委員会は、その部門に属する議案(決議案を含む。)、請願等を審査する。
② 衆議院の常任委員会は、次のとおりとする。一~十四・十六~十七 略
十五 決算行政監視委員会

③ 参議院の常任委員会は、次のとおりとする。一~十三・十六~十七 略
十四 決算委員会
十五 行政監視委員会

参議院では決算委員会と行政監視委員会に分かれている。

2020年度予算
2019年度(2020年3月末)予算成立
2020年4月1日~2021年3月31日 予算執行
2021年度 会計検査院→国会
2023年度予算案作成に反映

2021年12月6日 令和2年度決算国会提出
2022年3月22日 令和4年度予算成立
2022年3月28日 予算委員会


【2021年】
●4・5月 各省庁が次年(2021年の4・5月であれば2022年)の予算の使い方を考え始める
●6月中旬 経済財政諮問会議で「骨太の方針」が閣議決定
●7月 財務省が、各省庁が次年の予算を提案する際に、どれくらいの額に収めればよいかを示す「概算要求基準」を作成
●8月末 各省庁が次年の予算の使い道を提案する「予算概算要求」を財務省に提出
●9月~12月 財務省が各省の要求をヒアリングして、予算として盛り込むべきか査定
●12月上旬 経済財政諮問会議で議論する「予算編成の基本方針」を閣議決定
●12月下旬 政府予算案の確定
●1月 予算案の国会提出
●2月~3月 国会での審議
●3月末 予算成立


◆7月末日 主計簿の締め切り
◆9月 会計検査院に送付、会計検査院の検査
◆11月20日前後以降、国会開会中に提出


 当該年度の決算は、翌年度の7月末日に主計簿が締め切られた後、それを基に作成され、9月に内閣から会計検査院に送付されます。会計検査院において決算の検査が行われ、内閣に回付された後、国会が開会されていれば、11月20日前後に会計検査院の検査報告とともに国会に提出されます。

【第ハ十七条・第ハ十ハ条】

2022-08-11 12:21:05 | 日本国憲法改正草案を読む
【第ハ十七条】
【現行】
第八十七条 予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。
② すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。

【自民党改正案】
(予備費)
第八十七条 予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。
2 全て予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。

【変更点】
「基いて」→「基づいて」
「すべて」→「全て」



【第ハ十ハ条】
【現行】
第八十八条 すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。

【自民党改正案】
(皇室財産及び皇室の費用)
第八十八条 全て皇室財産は、国に属する。全て皇室の費用は、予算案に計上して国会の議決を経なければならない。

【変更点】
「すべて」→「全て」
「予算」→「予算案」

【第ハ十五条・第ハ十六条】

2022-08-10 12:18:50 | 日本国憲法改正草案を読む
【第ハ十五条】
【現行】
第八十五条 国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。

【自民党改正案】
(国費の支出及び国の債務負担)
第八十五条 国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基づくことを必要とする。

【変更点】
「基く」→「基づく」



【第ハ十六条】
【現行】
第八十六条 内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。

【自民党改正案】
(予算)
第八十六条 内閣は、毎会計年度の予算案を作成し、国会に提出して、その審議を受け、議決を経なければならない。
2 内閣は、毎会計年度中において、予算を補正するための予算案を提出することができる。
3 内閣は、当該会計年度開始前に第一項の議決を得られる見込みがないと認めるときは、暫定期間に係る予算案を提出しなければならない。
4 毎会計年度の予算は、法律の定めるところにより、国会の議決を経て、翌年度以降の年度においても支出することができる。

【変更点】
「予算」→「予算案」
「審議を受け」→「審議を受け、」
第2項~第4項まで新設

【解説】
補正予算(第2項)と暫定予算(第3項)
共に財政法で規定されているが、それを憲法により規定する。

(第2項)
補正予算(ほせいよさん)とは、当初予算成立後に発生した事由によって、当初予算通りの執行が困難になった時に、本予算の内容を変更するように組まれた予算。
予見し難い事態への対応として予備費の計上が認められているが、予備費でも対応できないような事態が生じる場合には、追加予算を編成することになる。議会の承認を受けて、補正予算が成立する。
(財政法 第29条)
第二十九条 内閣は、次に掲げる場合に限り、予算作成の手続に準じ、補正予算を作成し、これを国会に提出することができる。
一 法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出(当該年度において国庫内の移換えにとどまるものを含む。)又は債務の負担を行なうため必要な予算の追加を行なう場合
二 予算作成後に生じた事由に基づいて、予算に追加以外の変更を加える場合

(第3項)
暫定予算(ざんていよさん)とは年度開始までに本予算が成立しない場合に、本予算の成立までの空白期間をつなぐために組んだ予算のこと。
(財政法第30条)
第三十条 内閣は、必要に応じて、一会計年度のうちの一定期間に係る暫定予算を作成し、これを国会に提出することができる。
② 暫定予算は、当該年度の予算が成立したときは、失効するものとし、暫定予算に基く支出又はこれに基く債務の負担があるときは、これを当該年度の予算に基いてなしたものとみなす。

(第4項)
執行できなかった予算を翌年度以降に回せる条文だが、執行できなかった理由を決算で審議して、次の年度の予算に反映するばよい。
執行できなかった原因が解消して、次年度も執行するのであれば残った部分を執行するための次年度予算案を組めばよい。

年度当初100万円の予算→50万円の執行→執行できなかった理由を決算で審議→その決算を受け次年度の予算案を作成する。
残った部分を執行するのに50万円の予算案を組むとか次年度分を合わせて150万円の予算案を組むとか。
決算をしっかりやり、それを受けて予算案を組めば、第4項は必要ない。

決算不足補てん繰戻
予見し難い税収の減少等により一般会計の歳入歳出の決算上の不足が生じたときに、その不足額を決算調整資金から補てんし、それを翌々年度までに決算調整資金に繰り戻すこと。

【第ハ十三条・第ハ十四条】

2022-08-09 12:14:39 | 日本国憲法改正草案を読む
第七章【第ハ十三条】
【現行】
第七章 財政
第八十三条 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。

【自民党改正案】
第七章 財政
(財政の基本原則)
第八十三条 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて行使しなければならない。
2 財政の健全性は、法律の定めるところにより、確保されなければならない。

【変更点】
「基いて」→「基づいて」
「、これを」の削除
第2項の新設

【解説】
「法律の定めるところ」
財政の健全性が、時の政権により支配される。



【第ハ十四条】
【現行】
第八十四条 あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。

【自民党改正案】
(租税法律主義)
第八十四条 租税を新たに課し、又は変更するには、法律の定めるところによることを必要とする。

【変更点】
「あらたに租税」→「租税を新たに」
「現行の租税」の削除
「法律又は法律の定める条件」→「法律の定めるところ」