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あっぱれ日本車 / されど日本車

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アコードHVとスカイラインHV(未発売)~ハイブリッド新時代 その2

2013-10-23 | 全メーカー
  前回の続きです。(その1はこちら)

  技術的にはトヨタはホンダの新しいハイブリッドによって「土俵際」にまで追い込まれつつありますが、それでもトヨタには「政治力」と「営業力」という2つの強力な武器があります。ホンダのアコードHVとフィットHVは明らかに「出色」なのですが、どうもカーメディア全般にホンダに対して懐疑的な論調が目立ちます。「技術的にはとてもよくできているが、それでもまだまだクルマとして熟成されるべき点が多い」といった、最小限の賛辞と総合的なネガティブ評価ばかりが並んでいて、トヨタの政治力の大きさ?という穿った見方を思わずしてしまいます。

  「ハイブリッドでモーター駆動を使っているのだから、アコードHVのレスポンスをもっと良くすべきだ」という、一見には最もらしい意見もありましたが、とてもプロのジャーナリストの見解とは思えない愚かな指摘です。普段からいろいろなクルマに乗り過ぎていて感覚が麻痺しているのかもしれませんが、アコードHVはあくまでFFセダンでしかも重量が1600kgを超えます。ハイブリッドなので低回転といった概念はなく、これまでにないくらいの大きなトルクが出だしから発生し、しかも大型ボディで動きだしのハードルが高めです。プリウスのようなダイエットボディでもレスポンスを緩くしてあるくらいなのに、200kg以上も重いFF車がそれ以上のレスポンスになっていたら、空転がヒドくなるのは明らかです。

  まだあれこれ議論するに足るほどのライバルモデルも存在しない中で、手探りでこれほどのクルマを作ってきたホンダの「自律性」&「創造性」には最大の賛辞を送っても良いと思います。同じクルマをメルセデスやBMWが作ってきたら、彼らは何というのでしょうか? 近年の「モビリティ」の変化のスピードは驚くほど早くなり、各メーカーも初めてのパワーユニットで新型モデルを作るケースも増えてきました。このアコードHVもそうですが、メルセデスのFFで1.6Lターボを配したAクラスなども長いメルセデスの歴史の中ではまだ登場したばかりの未知の設計といえます。

  メルセデスに限らず欧州車はダウンサイジングターボを中心に展開するようになっていますが、そのいずれもが未熟さを隠しきれない稚拙なパワーユニットに過ぎません。そういったクルマに対して、日本の評論家の多くは「まだまだ未熟な点も多いが、このような大胆な設計に踏み込んだことは評価できる・・・」みたいなご都合主義の評論を書いたりします。ホンダにしても欧州メーカーにしても「新型エンジン」を搭載するという同じ条件なのに、なんでここまで差別されるのだろうと、ホンダの開発者がとても不憫に思えて仕方ありません。買う側とすれば「未熟な点が多い」エンジンより、「技術的にとてもよくできた」エンジンがほしいと思うのですが・・・。

  トヨタを初めとした日本メーカーは、エンジンの基本性能には自信を持っていて、熟成が進んだ信頼性の高いエンジンを20年というスパンで使う傾向があります。最近ではスバルが長年熟成させてきた「EJ型」エンジンを捨て「FA・FB型」エンジンへと世代交替が行われました。このエンジンもまた今後5~10年の期間を使って改良が進められていくでしょうが、この過程を無視して評論家が安易に「毀誉褒貶」していくことには疑問を感じます。ホンダが見せた高い完成度に評論家が混乱してしまってる節があるように感じてしまいます。    次回に続く
  


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