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新型セダンを作る その7

2013-02-01 | 全メーカー
  現在、日本でDセグ以上のセダンを売っていて市場の反響を得ている4つのメーカー「トヨタ」「マツダ」「メルセデス」「BMW」は今後も激しいシェア争いを繰り広げるでしょう。今年後半から来年にかけては、日産とホンダが息を吹き返してさらに激しい争いになりそうです。ほかにも輸入車メーカーはあるがミドルクラスセダンを月に1000台は売れないでしょう。ミドルクラスセダンをたくさん売る事ができるというのは、つまりファンが多いメーカーだということだと自分は思います。この4社はそれぞれに多くの日本のファンを抱えています。その魅力についてコメントしたいと思います。

  メルセデスは、主力セダンにおいてはこの4社の中で常に最高レベルのクオリティを保ってきました。高額なクルマを作る上での哲学が貫かれていて妥協なく上質なセダンを何十年も作り続けてきました。多くのファンはそこに一番の魅力を見いだしているのでしょう。つまり「メルセデスにしておけば後悔することはないだろう」と思っているでしょう。実際、故障が少ないわけでも性能が一番いいわけでもないのだけど、それでもメルセデスがブランドの中に込める「安心感」が心地よいのだと思います。人によっては「メルセデスなんて高いだけでスポーツ要素もまるでないし、運転していて楽しくない」とまで言ったりします。しかしメルセデスのファンは「スポーツ要素なんていう物差しでセダンを測ったら絶対に後悔する」ということをよく知っていたりします。メルセデスのファンにとってはスポーツはスポーツカーに任せるべきだと考えているのでしょう。

  BMWは、ヨーロッパ最高のエンジンメーカーです。いまやヨーロッパ中の自動車メーカーがBMWが量産する1.6Lターボエンジンを使って高級モデル(シトロエンDS5など)やスポーツモデル(プジョーRCZなど)を作っています。ちょっと大雑把ですがヨーロッパのクルマ作りを統合するだけの絶対性がBMWに備わっていると言えるでしょう。BMWにとってセダンはブランドのアイデンティティと言える最重要車種なのですが、このメーカーはセダンを徹底的に「スポーツ機」と捉えているところが他のメーカーと違います。BMWのファンはトヨタやマツダなどの日本のセダンが「スポーツ風」といった表面的な演出しかしないところが許せないのだと思います。セダンをポルシェのスポーツカーのように前後重量配分を50:50にするストイックさがよく語られますが、これだけでもBMWにこだわる人がいる十分な理由になるのではないでしょうか。

  マツダは、その波乱の歴史から様々な種類のファンがいます。まず意外かもしれませんがマツダはこの4社の中で断トツにスポーツカーで成功しているメーカーです。日本だけでなく世界中にマツダのスポーツカーのファンは多いのです。マツダのセダン(ルーチェなど)は昔からオリジナリティを求めるファンから熱烈な支持を受けていました。そしてマツダはバブル期以降何度となく業績悪化で倒産の危機を迎えましたが、その度に奇跡的な名車を生み出して業績を回復させてきました。この過程でなりふり構わず作った低価格車は多くの若い世代の心を掴みました(その世代が今アテンザを買っている?)。さらに2000年頃から日本で流行したマンガ「頭文字D」でも主人公のトヨタ車と並び、重要な登場人物の愛車としてマツダのスポーツカー(RX-7)はカッコいいクルマとして描かれ、トヨタAE86以上にマツダRX-7は中古車でプレミアムカーとなっていきました。またマツダの主力セダン・アテンザは2002年に登場した新しい車種です。マークやスカイラインといった昔の世代に愛されたクルマに距離を感じる若い世代にとって、このクルマに憧れて成長してきたといえます。まさに自分たちの世代のクルマなんだという親近感があるのです。そして最後にマツダは日本の経済を守るため、つまりわれわれの生活のために、国内生産にこだわっています。大きく声に出すひとは少ないですが、想像以上に多くの日本人の心を引きつけてやまない「正義」の会社なのです。そういった若い世代の支持を受けて、今後マツダは日本でもっと受け入れられていくのではないでしょうか。

  トヨタは、何と言っても日本がかつて世界一の工業国だったことを今でも示している数少ない企業です。常に世界一を狙い続けるそのダイナミックさに多くの日本人は大いなる敬意を持っています。いくらマツダが国産比率7割を主張してもその規模は台数ベースでトヨタの4分の1以下に過ぎないし、金額ベースならレクサスを輸出するトヨタがさらに上をいくでしょう。トヨタは社長が今の豊田章男社長になってから変化を見せています。一時期はつまらないクルマばかりを量産して、クルマ好きの批判を買っていましたが、一昨年くらいから新型車のデザインが変わり、それ以降に登場したアクアやカムリHVをつまらないクルマと表現する人はほとんどいなかったです。まだトヨタはセダンにおいてはこれからさらに良くなっていく予感があります。いまトヨタのファンの多くは、乗り心地や静粛性で世界の頂点を極める居住性の良さを評価する人が多いのではないでしょうか。そういう意味ではメルセデスに近い「安心感」がトヨタの売りになります。しかもトヨタは故障が極めて少ないメーカーです。生活に必要なクルマをもっとも確実に保障してくれるから選ぶ人も多いのではないでしょうか。

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