今年のカンヌ映画祭は、出演作が4本も上映される、
今のりにのっている俳優のマチュー・アマルリック。
コンペティションではジュリアン・シュナベール監督
の『潜水服は蝶の夢を見る』、ある視点ではヴァレリ
ア・ブルーニ・テデスキ監督の『アクトリス』、監督
週間ではニコラ・クロッツ監督の『La Question Huma
ine』など、七変化するのである。
ある日突然全身不随に冒された、もとELLE誌の名物編
集長の回想記が映画化された『潜水服は蝶の夢を見る』。
ここでは、瞬きだけがコミュニケーションの手段とな
った男の難しい役柄を演じています。「ジャン・ドミ
ニク・ボビーという人間をありのまま演じたかったか
ら、特殊メイクや特撮に頼らず出来る限りのことをし
たんだよ。なるべくメロドラマっぽくしたくなかった
し、ヒーローでもない彼の欠点も見せたいと思った」。
この回想記を書き終えた直後、43歳の短い生涯に幕を
閉じたジャン・ドミニク・ボビーについては「天国か
らこの作品を見たら、きっと喜ぶと思うよ。だってモ
ード業界だけでなく、映画業界でも有名になれたんだ
から!」
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