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第60回カンヌ国際映画祭 −カンヌのできごと−
第60回カンヌ国際映画祭
第60回カンヌ国際映画祭特集


ジャ・ジャンクー監督 インタビュー



現代の中国映画、新世代の旗手として、一部の映画
ファンに絶大な支持を誇るジャ・ジャンクー監督。
昨年のヴェネチア映画祭で最優秀賞を受賞した『ス
ティル・ライフ』は、変貌する中国の情景と、移ろ
いゆく人々の様を静かに描き,感動を巻き起こしまし
た。

今年のカンヌでは、世界中の映画学生による短編部門
シネフォンダシオンの審査委員長を務めたジャ・ジャ
ンクー。「僕が最も興味を惹かれるのは、彼らが持つ
私的な感性です。彼らの心が揺さぶられる時、私の心
も同じように大きく波打つのです。映画的な言語が存
在する彼ら独自の世界観を見ることが出来て、本当に
幸せに感じます」と、詩的な見解を述べてくれました。

次回作については「”無意味”(直訳)という名の、
女性と洋服がテーマのドキュメンタリーを作る予定」
とのこと。あらら!ジャ・ジャンクーによる“無意味”
な世界とは、一体どのような視点になるのでしょうか?



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豪華スターの共演の『オーシャンズ13』


左からブラット・ピットとマット・デイモン

スタイリッシュな映像と、スリリングな展開が魅力の
『オーシャンズ』シリーズの最新版が上映されました。
今回も前2作に続いて、監督のスティーブン・ソダーバ
ーグを筆頭に、ブラット・ピット、ジョージ・クルー
ニー、マット・デイモンの豪華なメンツが集結。
そこにアル・パチーノが加わり、三部作の最終章を飾る
にふさわしい極上のエンターテイメント作品となってい
ます。

直後に行われた記者会見は、終始、和やかなリラックス
ムード。通訳の方がタジタジになってしまうほど、ジョ
ークが飛び交い、なんだかよく分からないままに終わっ
てしまったのでした。

本作は、同シリーズのエンディングになるようですが、
次回作があるのではという質問に、 「もう潮時だよ。
これ以上オーシャンズを続けたら、自分が俳優だと思
えなくなってしまう。まるで体を売っているような錯
覚に陥ってしまうよ」と過激な発言で周囲を驚かせた
マット・デイモン。


左からスティーヴン・ソダバーグとジョージ・クルーニー

一方、ソダバーグは「一級の娯楽大作は、コンペに出
品されるような作家主義映画を作るのより、ずっと労
力がいるし、難しいんだ」と語っています。

それを受けて、最近監督業にも乗り出した、ジョージ・
クルーニーが付け加えます。「そうはいっても、僕は
ソダバーグから、“監督”がどういうものかを学んだ
んだよ」



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アーシア・アルジェントはカンヌの華



今年のカンヌでは、出演作3本が上映。カトリーヌ・
ブレイヤー監督の『Une Vieille Maitresse』では
古い愛人を、オリヴィエ・アサイヤス監督の『ボ
ーディング・ゲ イツ』では性の奴隷と化した女を、
アベル・フェラーラ監督の『Go Go Tales』ではス
トリップ嬢を演じている。ホラー映画の巨匠ダリ
オ・アルジェントを父に持つ、イタリアはローマ
生まれの31歳。正式にはアーシア・アリア・アン
ナ・マリア・ヴィットーリア・ロッサ・アルジ
ェントと長ーい名前を持っています。セクシーで
悪魔的な風貌 で、地元イタリアにとどまらず、
世界中の監督に引っ張りだこの女優さんです。

今年のカンヌではマスコミからの取材が殺到。
パパラッチに追われる日々だったようです。「も
うカンヌには、ほとほと疲れきったわよ。一日に
何度もドレスを着替えさせられて、メイクを直さ
れて、まるでクリスマスツリーのように着せ替え
人形状態なんですもの!」たまりかねて、映画祭
期間中にも拘わらず、6歳の娘アンナ=ルーの待つ、
ローマにひとっ飛びしました。「束の間の休息が
必要だったわ。カンヌの人々は狂気の沙汰で、ま
るでカンニバル(カンヌ+ハンニバルをつなげた、
アーシア流造語)と化しているんですから!」と
苦々しい表情を浮かべていたのでした。


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カルロス・レイガダスの涙を見た!


公式上映でのカルロス・レイガダス

今年は60回記念とあって、取材陣の多さにも目を
見張ります。ジャーナリストの数だけで3500人。

特に大作やスターが出席の記者会見は、場所取り
だけで熾烈な戦いとなるのです。クエンティン・
タランティーノの壮絶なカーチェイスが見ものの、
ちょっとレトロなガールズムービー(ソフィア・
コッポラのそれとは大違いですが) 『Death pro
of』の会見場ではじき出された私は、メキシコの
鬼才カルロス・レイガダスの『Stellet Light』の
上映に出かけました。デビュー作『Japon』がカメ
ラドールの特別賞を獲得以来、その類まれな才能
を絶賛される監督ですが、本作はメノナイト教徒
の間で起こる奇跡の物語。
非常に難解な作品で、実をいうと、ジリジリしな
がらエンディングを待っていたほどです。
しかし、日昇で始まり日没で終わる、その画面が
放つ迫力には圧倒されっぱなし。鑑賞後、へとへ
とになったものの、なんだかいい経験をしたよう
にも感じたのでした。
上映後、観客からのスタンディングオーベーション
に涙を浮かべるレイガダス監督の姿も印象的でした。


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