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第60回カンヌ国際映画祭 −カンヌのできごと−
第60回カンヌ国際映画祭
第60回カンヌ国際映画祭特集


最近盛り上がりを見せるルーマニア映画


パルムドールを受賞したクリスティアン・ムンジウ監督

今年、栄えあるパルムドール(最高賞)に輝いたのは、
ルーマニアからコンペ入りしたクリスティアン・ムンジ
ウ監督の『4カ月、3週間と2日』。中絶が禁止されて
いた共産党時代、妊娠した女子学生が非合法で堕胎する
一日の行動を追ったストーリーで、タイトルが指すのは、
登場人物の妊娠月のこと。

今年のカンヌでは、ここ数年で国際的に注目を集めるル
ーマニア勢の健闘が目立ちました。ある視点部門で大賞
に輝いた、クリスティアン・ネメスク監督の『カリフォ
ルニア・ドリーミン』もその一つ。昨年8月、編集作業
の真っ只中、交通事故で急死した、メネスク監督の最初
で最後の作品で、未完成のままに終わっています。ルー
マニアの片田舎を舞台に、土地の人間と米兵との人間模
様を奔放なタッチで描いたもの。私は今年カンヌで見た
30本あまりの作品で、最も美しいフィルムだと思いまし
た。

カリフォルニア・ドリーミンの上映会で
スクリーンに映るのは故クリスティアン・メネスク監督

ここ数年、じわじわと盛り上がりをみせるルーマニア映画。
昨年、2006年のカメラドール(新人賞)に輝いたコルネリウ
・ポルンボユ監督の『12:08 East of Bucharest』、2005年
ある視点部門の大賞を受賞したクリスティ・プユー監督の
『ラザレスコ氏の死』など、高い評価を受けています。彼ら
は、89年まで続いた共産党時代を背景に、共産主義のイデオ
ロギーではなく、独自の鋭い視点で社会を描くことに定評が
あります。



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