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第60回カンヌ国際映画祭 −カンヌのできごと−
第60回カンヌ国際映画祭
第60回カンヌ国際映画祭特集


オリヴィエ・アサイヤス監督にインタビュー



現代の“魔性の女”といえば、すぐに名前が挙がる
アーシア・アルジェント。イタリアのホラー映画の
巨匠ダリオ・アルジェントの娘です。麻薬、SM、マ
ニピュレーション、マフィアといった、様々な要素
が詰まった女のハードボイルド『ボーディング・ゲ
イト』は、特別招待部門のミッドナイトスクリーニ
ングで上映されました。

監督のオリヴィエ・アサイヤスは 次のように語って
くれました。
「この作品は、SM行為の真っ只中に、愛人に殺害さ
れた、フランスの銀行家の事件がベースになってい
ます。この話を聞いて、すぐに映画化に興味を持ち
ました。女は男を殺した直後、シドニーに高飛びす
るのですが、僕は舞台を香港に置き換えたんです」

もともとは映画批評家で、アジア映画にも造詣の深
いアサイヤスは、その訳を
「香港は、私が最もよく知る外国の都市で、第二の
故郷と感じるほど好きなところです。特に(コンペ
部門の審査員を務める)マギー・チャンと結婚して
いた時代は、しょっちゅう訪れました。映画的に素
晴らしくフォトジェニックだし、低予算で6週間の
短い撮影期間には、ぴったりの場所だったのです」


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衝撃作『Breath』のキム・キドゥク監督



『魚と寝る女』や『うつせみ』など、独特のリアルかつ
残酷なスタイルで好き嫌いのはっきり分かれる韓国のキ
ム・キドゥク監督。本作は、死刑囚の男と、その男に盲
目的な恋をする女との悲しくも儚い恋物語です。実をい
うと、キム・キドゥクの映画は苦手です。
本作は、『うつせみ』で出会った思いがけない感動もな
く、ただ強烈な映像だけが全面に出てしまった印象を受
けたのですが…。

「僕は、現実にはありえないような、状況を映画にするの
が好きです。まるで水と油を混ぜるようにね。社会の不協
和音を克明に明かしていきたいのです」と語るキドゥク監
督。「実際、僕にとっては、人間関係をはじめ、社会とう
まくつながっていくのが、すごく難しいんです。映画の世
界に入る前は孤独な生活を送っていました。工場に勤務し
ていた。映画の世界に入ったのは、世間とコミュニケーシ
ョンをとる手段でもあったのです」。

俳優のチャン・チェンとキム・キドゥク監督

また「韓国では、僕の作品を分かってくれる人がほとんど
いません。もし、50人に1人でも『グエムル 漢江の怪
物』(1300万人の観客動員数)のお客さんが、僕の作品を
見てくれたら嬉しいです。僕の映画を好きになってくれと
はいわないけど、ただ僕がやることをそっとしておいて欲
しいんです」。


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