夏バテしてませんか?
あっという間に8月です。
ところで、昨日の薬事日報さんのHEADLINE NEWSに掲載された記事にトラックバックしてみました。
インパクト十分の見出しです。
【NSAIDs潰瘍】防御因子増強剤の予防効果は不十分
NSAIDs:えぬせいど
=非ステロイド性抗炎症薬〔non-steroidal anti-inflammatory drugs〕
NSAIDsは炎症性の細胞に存在する酵素(COX-2)の働きを抑えて炎症を抑えたり、痛みを和らげたりするといわれています。
しかし、生物は不思議なもので悪さをするCOX-2と良く似たCOX-1という酵素も持っています。
このCOX-1は色んな組織(胃粘膜など…)の細胞に常に存在して、胃粘膜保護に関与する酵素なのです。
COX-2が誘導型、COX-1は構成型のCOXと分類されたりもします。
(COX-3もあるらしいが、割愛します)
NSAIDsはCOX-1とCOX-2の区別なく働きを抑えてしまいます。
つまり、炎症も抑えるが胃粘膜も荒らすという両刃の剣的働きをしてしまうのです。
もちろん、製薬会社はCOX-2にだけ効くNSAIDs(胃に優しいNSAIDs)を開発しようと頑張っており、確かにそれに近い薬も出ていますが、完全にCOX-2だけを特異的に!というのは難しいようです。
そのため、NSAIDsと胃粘膜保護剤を一緒に投与されているのですが、その効果が不十分であった!!というのがこの記事です。
今後の動向に注目したいと思います。