ブルゴーニュにうってつけの日/ANGEL'S SHARE

世の中にワインと称するお酒は数あれど
やっぱりブルゴーニュに勝る銘醸地は無しと
思うワイン日記

三島由紀夫作『サド侯爵夫人』於:東京国立博物館

2005年11月11日 | Weblog
神保町の超有名な『キッチン南海』で激安カツカレーを食べてから、デザート食べに神田まで歩いて『万惣』へ、季節モノのマロンクリームを添えた超ウマーイ、ホットケーキで美味しく頂く。満腹になったところで東京国立博物館で観劇。婦人画報がスポンサーになって三島戯曲全作品上演プロジェクトの第一弾らしい。初演から40年、劇場に展示されていた当時のポスター見ると当時は750円、今の料金のおよそ1/8。今回何故か博物館で上演するというユニークな設定、雰囲気は結構GOODだが椅子がパイプ椅子なので3時間近い講演なんでお尻が痛かった。客層はアダルトだが若い女性もチラホラ、小舞台なので席も舞台に近くて良かった。シャンパンサービスがあったので上演前に1杯飲んで喉を潤す。銘柄はヴーヴクリコのイエローラベル、何故、舞台に合わせてマルキ・ド・サド(サド侯爵の子孫がオーナー)のシャンパンを用意していないのかなぁ、気が利いていない。舞台はとても良かった。三島戯曲のなかでも海外評価の高い作品だが、殆どセリフだけで成り立っている難しい作品。サド本人は登場しない。劇中でサド侯爵の起こした事件の内容、背景も語られるが、澁澤龍彦の『サド侯爵の生涯』を予め読んでないと判り難いかもしれない。原作は随分昔に読んでいたがやはり戯曲は舞台で観てなんぼの世界。舞台をみてて膨大なセリフのなかでもっとも重要なセリフだと思ったのが三幕のクライマックス、ルネが夫サドと別れる決断をした理由を延々と語るなかで“サドは天国への裏階段を作ってしまった・・・”というところだと思う。エロスが絶対=神への高みに到達するための裏道というは三島がよく語っていた観念美、ここでもサドとルネの行動を通じて表現されている。澁澤の本も2年くらい前に読んでとても面白かった。サドの一番好きなのが自分が娼婦を犯しながら同時に従僕に自分がカマ掘られるという所謂サンドイッチだったこと。この時代フランスでは後背位そのものが禁止されていて行為に及んだ事が見つかったら(どうやってそんなの見つけるのだろうか?)鶏姦罪として罪になったこと等面白いことが沢山書いてある。また第三幕の背景にもなっているがサドはフランス革命のバスティーユ牢獄襲撃の直前までそこに収監されていたことなど興味深い事実もこの本を読んで知った超オススメの一品。
次の上演演目は何なのだろうか、今から楽しみだ。
http://www.mishimayukio-project.com/main.html
サド侯爵夫人・わが友ヒットラー
サド侯爵の生涯