「政治を国民の手に」国民会議

政治を国民の手に取り戻すために、腐りきった菅政権や検察、裁判所などの実態、権力と癒着したマスコミの横暴を暴きます。

拉致問題、どうする日本

2007年07月15日 | Weblog
中国外務省は7月12日の記者会見で6か国協議を7月18、19日に開くと発表し、いよいよ北朝鮮の核問題が解決に向けて動きそうだ。一方、米国のヒル国務次官補は6月25日の記者会見で北朝鮮が核施設の稼動停止に続き無能力化を実行すれば米中韓朝4カ国による「朝鮮半島の平和メカニズム」協議を年内に開始する用意があると表明した。

朝鮮半島は朝鮮戦争以来、今も「休戦状態」にあり完全な和平が実現されているわけではない。北朝鮮が米国との関係改善を重視するのもこの「準・戦争状態」を終結させたいからだ。ヒル次官補の発言は、休戦協定を結んだ米中両国に加え、南北朝鮮を交えた「4カ国協議」を熱望する北朝鮮へのサービスでもある。

これに慌てたのが日本政府である。「ヒル発言」後、塩崎官房長官は26日の記者会見で「当面の課題である核放棄に向けた初期段階措置を完全に実施することが重要だ」と原則論を述べ、安倍総理も27日のラジオ番組で「日本が孤立しているような演出をする策謀にはまってはならない」とブッシュ政権に対し不快感を表明している。

日本側の慌てぶりとは対象的に米国内ではヒル次官補の「対話路線」が共和、民主両党でも広く支持されており、ブルッキングス研究所のタルボット所長は「朝鮮半島の非核化に向けたヒル次官補の外交努力は民主党内でも評価されており2009年に民主党から大統領が誕生した場合もこの路線を踏襲するだろう」と断言する。

ところで6月末に韓国や欧米マスコミ発の「金正日は、北の国内関係機関に拉致問題の経緯について再度の徹底調査を命じ日本との関係改善に意欲を見せている」という情報が世界を駆け巡った。恐らく拉致問題解決を促す米中の意向を受け、北朝鮮政府が前向きの姿勢を見せるために流した情報だろう。

しかし日本政府はこの情報を無視し、北朝鮮との間で非難の応酬をするだけで問題解決に向けた外交交渉はしていないように見える。また参議院選挙でも安倍政権は「拉致問題」に触れることもなく、それどころか世論操作のために三宅久之などの評論家を使って「ヒルは無能」とブッシュ政権に対する間接非難も始めている。

どうやら安倍政権は「北朝鮮と談合して拉致被害者の一部返還」で国民の信頼を失うより、内閣の多数を占める国家主義者の意向に沿って「拉致問題では従来どおり強硬策をとり続け、名誉ある孤立主義と独自の軍事力強化」を目指そうとしているのかもしれない。果たして国民はこのような安倍政権の外交政策を支持するのだろうか。